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「青池保子展~航跡のかがやき」を見てきた。

東大弥生門すぐ近くにある弥生美術館(3階建て)で開催された「青池保子展~航跡のかがやき」を見てきた。青池保子はキャリア60年の漫画家で、私は高校生くらいまで秋田書店から出版されていた彼女のマンガコミックを読んでいた。この美術館は小さな渡り廊下で竹久夢二美術館とつながっていて、弥生美術館で入館料を払えば、竹久夢二美術館の作品展も見ることができる。
 青池保子展はギャラリートークの日と重なったためか狭い2階のメイン展示室は40代以上??の狭くて深いものを求めてくる多数のほぼ女性の方々の密度と熱気に満ち溢れており、(ホントに誰か倒れるくらい息苦しいのではないか、コロナ禍時期なら開催ダメだっただろうと思えるくらい)、結果として何とか見たもののほぼ撤退のような気持ちになった。(私はこの戦場では戦えない…)写真は3階の写真OKコーナーと同時に展示していた高畠華宵の作品。撤退者はまず3階で高畠華宵の作品に初めて直に出会い、古風で美しい表現に見入る。10代の男の子をきれいに描いているようだ。そして、絵が上手でテーマや動きがダイナミックで大好きだった青池作品(西洋美術にも通じている著者)は、その他の漫画家の作品も含めて私は高校生で一度コミック読みをやめてしまったので、ノスタルジー的な見方になる。マンガ自体は続いていたようだが、振り返ると、1970年代に2020年代を先取りしたような内容を描いていたと思う。原画や登場人物のスケッチは良かった。伯爵がカラヴァッジョのバッカスの衣装をまとった絵もあった。竹久夢二の絵は、画集などでは女を都合よくなよなよと意志のない人間のように描いているように思えて、これまで好きになれなかったが、実物をみて少し緩和された。

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