「貧乏は美しくない」映画ウルフ・オブ・ウォール・ストリートから学ぶ
20代を証券会社の営業として過ごした僕は「幸せのちから」「ウォールストリート」「天使のくれた時間」など証券会社や金融会社、投資銀行などのビジネスと人間ドラマが絡んだ映画が好きです。
そんな中、以前から気になっていた
『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』
(マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演)
をついに観てみました。
これがめちゃくちゃ面白い!
実話に基づく成功&没落のストーリーは刺激そのもので、今では考えられない激しさと、違法取引などがまかり通っていた当時の株式市場の空気感を味わえるようなストーリーでした。
随所にあるスピーチシーンが印象に残っています。
レオナルド・ディカプリオ演じるベルフォートは、野心を胸にウォール街の証券会社に入社。
初日にマシュー・マコノヒー演じる上司から、ランチの際に言われたのがこの一言。
いいかい、君がもしウォーレン・バフェットだとしても、株が上がるか下がるなんてそんなことは誰にも分からない
株、それは幻だ、実在しない
客が儲けたらまたその金ですぐにまた投資させろ
観覧車に乗せ続けるんだ
それを繰り返せ
客は金持ちになった気分でいる、紙の上でね
君は客のためではなく、君と君の家族のために、何があっても“手数料”で稼ぎ続けることだけに専念しろ
引用https://www.google.co.jp/amp/www.tapthepop.net/scene/74951/amp
やばすぎます。
資格を取得して、営業マンデビューとなった日がブラックマンデーと重なり、株価大暴落で会社が倒産。失業したベルフォートは地方の投資会社に入社、クズ株ながら手数料50%(相場は1%なので粗利がすこぶる高い)を売り大成功。
自分で証券会社を起こし、自身のトーク力とノウハウ共有と非合法な商いにより一気に会社を大きくし、たちまち時の人となります。
その自身の会社で、これから新規公開株を売り出す時に営業員を鼓舞するためにしたスピーチがこちら。
皆、よく聞いてくれ
この黒いヤツ 電話だ
電話の秘密を教えよう
電話は自分でダイヤルできない
君らが使わないと、ただのプラスチックの箱だ
引き金を引く兵隊のいないM16ライフルと同じだ
この電話に命を吹き込むのは君らだ
訓練されたストラットン部隊 我が精鋭たち ”ノー”と言わせない精鋭たち 我が戦士たち
電話は切るな、相手が買うかその相手が死ぬまで
貧乏は美しくない
いい時と悪い時もあるが、金はある方がいい
俺を軽薄な拝金主義者だと思うなら、マクドナルドで働け、そこがお前の場所だ
だが勝者に溢れたこの部屋を出る前に、隣の顔をよくみておけ
遠くない将来、ボロ車で赤信号で止まったとき
彼はピカピカのポルシェで隣に止まってる
隣には美人の女房
自分の横は?
ムームーを着た無精ひげのメス牛が、窮屈そうに安スーパーの食料を山ほど抱えて横に乗っている
よく聞け
カードの支払いがある?
すぐに電話をかけ始めろ
大家が追い出した?
すぐに電話をかけ始めろ
彼女にクズだと言われた?
すぐに電話をかけ始めろ
金を稼げば問題は解決する
この偏った、力強いスピーチを受け、高揚した営業マン達が株を売りまくるシーンが繰り広げられていました。
言ってることは正しくはないし、やってる事も正しくはない、なので成功は長くは続かず、不正がばれ逮捕され、彼の人生は転落していきます。
彼の人生はハッピーエンドではないかもしれませんが、その熱量は観た人に何かしら熱いものを残していく、そんなエンターテイメント性の高い映画でした。