精神と時の部屋をセルフビルドした
何年も活用できていなかったガレージに、クリエイティブなことしかやらない、精神と時の部屋(小屋)をセルフビルドしました。未完ですが、8割ぐらいはできたのでビルドの過程や利用目的などについてお伝えします。
セルフビルドは突然に
何年間もまったく活用できていなかったガレージ。かなり特殊な構造で、屋根、シャッター、両横の壁はあるけど、奥側の壁がありません。なぜこうなった。隙間が多く、ものを置いておくと砂埃をかぶるため、奥側は工場で間仕切りに使われる特殊なカーテンを設置したものの完全には塞げず。
物置きとして活用するなら補修してガレージの隙間をすべて埋めるか、ガレージ内に小屋(部屋)を作るかの2択と考えていたけど、どちらも難易度は高く、活用したいと思いつつ長い時が流れました。しかし昨年から情報収集を開始。ぎりぎりまで迷ったけど「ガレージ内に小屋を作る」ことに。
小屋作りより補修の方が簡単に思われるかもしれません。でもガレージの鉄骨はところどころ塗装が剥がれており、壁も薄い鉄板を釘打ちしただけの簡素なもの。床のコンクリートはボロボロで、水はけをよくするために中央に向かって傾斜していて水平ではありません。
補修といっても、壁、床、天井、ありとあらゆる部分にかなり手を加える必要があり、ならばガレージ内に小屋を作った方が手間も少なく、きれいになるだろうと考えたのでした。
もっとも役立ったのはドゥーパ!の情報
DIYは好きだけど、さすがに小屋を作った経験はありません。ネットの情報は玉石混交だし、懇切丁寧に手順を教えてくれる訳もなく。
もっとも困るのが材料。床、柱、壁など、どの木材を選べばよいのか見当がつかず、固定するためのネジの種類もわかりません。道具も適切な知識がなく、不安。しかしちょうどよいタイミングで、小屋をDIYするための情報が詰まった書籍を発見。ドゥーパ!が発行する「小屋とDIY」です。
設計や手順、各工程での注意点、材料の種類や価格、使っている道具など、小屋作りの情報が網羅されています。実際に編集部の皆さんが小屋を作りながらまとめた情報なので非常に実践的。また当たり前だけど情報伝達のプロが作っているため、圧倒的にわかりやすい。
これだけでも十分と思っていましたが、なんとYouTubeで映像も公開されているじゃないですか。書籍と合わせて視聴すると理解度が超絶アップ。至れり尽くせり。本当にありがとうございます。
困ったのが天井。ドゥーパ!で行っているのは、屋外での小屋作り。外ならば屋根に登って外側からネジ止めや釘打ちができるけど、ガレージにそんな空間はなし。
しかし探しまくって見つけました。ガレージの中に部屋を作ったという先人を。自作工房さんはDIYスキルが圧倒的に高い方で、こちらも大いに参考にさせていただきました。ありがとうございます。
自作工房さんは、一人で持ち上げられるサイズのユニットを作り、内側から載せるという工法によって課題を解決していました。ちょっと何をいってるのかわからないと思うので、後で写真とともにお伝えします。
他にも様々なネット上の情報を参考にし、小屋を作ることができました。情報を発信されていた皆さま(反面教師含む)に感謝。
ガレージを清掃・穴埋めし、設計後に木材を調達
まずはガレージを清掃し、可能な限り穴埋め。大きな穴は金属用のテープで穴埋めしたけど、夏になると暑さからか剥がれてしまいました(涙)床の隙間にはウレタンフォーム。スプレー缶の使い切りタイプをホームセンターで購入しましたが、塗装スプレーとは使い方が違って難しかったです。膨らんだ部分はちぎったのだけど、隙間に入った分より、捨てた部分の方が多かった気がする。
ガレージの寸法をざっくりと測り、小屋のサイズ決め。目一杯使いたいところだけど、小屋の壁をガレージに貼り付けると外側からメンテナンスができないため、人が通れるぐらいの隙間を作ることに。結果、小屋の有効面積は7.5畳ぐらい(1畳=1820 x 910 mm)になりました。
ガレージの天井が左から右に向かって傾斜しているのがわかるでしょうか。雨水を雨どいに流れやすくするための設計だそうです。雨が降ると滝のように流れてくる水は、200リットルのタンクを設置して貯水しています。
さて設計ができたら木材を買いにホームセンターへ。柱には主にツーバイ材と呼ばれる規格製品、床や壁には合板を使用。近くには幾つかのホームセンターがありましたが、木材の品揃えも価格も異なるため、事前に価格を調査しました。
たまたま自家用車がライトバンだったので長尺の木材や合板も載せられたけど、一度にすべて運ぶのは無理。運べたとしても作業スペースがなくなってしまうので、作業しては購入を繰り返し、自宅とホムセンを20回以上は往復したと思います。
床用の長いツーバイ材はライトバンに載せられなかったため、ホームセンターのトラックを無料レンタル。無料なんだけど、もらい事故だろうがなんだろうが、なんかあったら全責任を負えという条件になっていて怖かったので、借りるのは一度だけにしました。
ホームセンターには木材カットサービスがあり、1カット数十円で木材を切ってくれるし、木材を購入すれば10カットは無料だったため、サービスを積極活用。電動ノコギリがあれば自宅でできることだけど、高性能な製品は高額だし、作業は危険をともなうし、小屋ができたら出番も少なさそうなので購入せず。ホームセンターのレンタルサービスもあったけど、レンタル期間が気になって落ち着かないので利用しませんでした。
ちなみにツーバイ材は木材の中では安価な方で、DIY初心者向けといわれていますが品質はバラバラ。写真のように曲がり、割れ、節抜け、ヤニなど品質が悪いものも混在しており、慎重に選ぶ必要があります。同じ売場にあった高額な木材は精度も高く、きちんとしたものを使うとお金がかかるんだなと実感。
パワー不足のため、新たな電動ドライバーを購入
木材を調達し、さあ組むぞと思った矢先に壁にぶつかりました。木材の接合には、コーススレッドというネジを使います。これを使うと強力に木材同士を組み付けられますが、締め付けには大きな力が必要。手持ちの電動ドライバーではパワー不足で、ネジを最後まで締め込むことができませんでした。そのため新たにマキタの電動ドライバーを購入。
想定外の高額出費は痛かったけど、多用することは明らかだったので致し方なし。ざっと考えて600本以上はネジを締めたし、穴あけにも使いましたが、ストレスなく作業できました。道具は妥協しない方がよいですね。
新たな電動ドライバーは非常にパワフルで機能的に申し分なかったものの、コーススレッドを締め込むときにはバリバリとすごい音が。YouTubeで見ている分には気にならなかったけど、生音は大きく、ご近所に気を遣いながらの作業となりました。
順調に思えた床づくりで大きな手戻り
設計に基づいてツーバイ材を組みます。雨風に晒されることを想定した塗装は必要ないかなと思ったけど、梅雨時には湿度も高くなるので基礎となる床の骨組みだけは塗装することに。
ドゥーパ!でも使われていて品質も高そうだったオスモカラーの塗料を選びましたが、3リットルで1.6万円ぐらいといいお値段。合わせてオスモカラー専用の刷毛と薄め液も購入しました。
仮組みの段階で合板を並べ、寸法に狂いがないことを確認。ドゥーパ!ではミリ単位でサイズ合わせを行っていたけど、そもそもツーバイ材はそこまでの精度が出ていないし、1人作業で微調整が難しいこともあり、このあたりは少し妥協。とはいえ、大きな狂いはありませんでした。
小屋のサイズはドゥーパ!の倍ぐらいで、長尺のツーバイ材を運ぶのも組むのも大変だったので、2つに分けて組んだフレームを中央で合体させることに(それでも結構な長さの木材が必要でした)。フレームの接合部は、ホームセンターで見つけた金属プレートで補強。
仮組み後は水準器で水平であることを確認しながら、ツーバイ材のフレームに、短くカットしてもらった杉材の柱を組み付けていきます。床にはスタイロフォームという断熱材を入れました。取り付け箇所に合わせてカット。余談ですが、断熱気密について調べたところ、プロでも間違った施工をしている場合があるようです。調べまくったため、断熱施工が正しいかどうかがわかるぐらいには詳しくなりました。
隙間には気密テープを貼り、その上に防湿気密シートを被せて、端の部分はタッカーという巨大なホチキスのような道具で留めていきます。
順調に進めてきた作業でしたが、ここで大きな失敗が。合板をネジで組み付けた後、その上を歩いてみるとギシギシと床鳴りするのです。仮組みの時点でも音はしたけど、コーススレッドでガッチリと合板を固定すれば音は消えると思っていましたが甘かった…
ドゥーパ!と同じように作ったのになぜこうなったのだろう。ここでようやく気付きました。今回作っているの部屋は、ドゥーパ!の小屋より横にも縦にもサイズが大きいのです。サイズ違いのものを作っているのに、同じ作り方では駄目ということ。
まあまあ大変な作業だったし、お高い気密テープを貼り直す必要もあり、少し悩みましたが、ここで妥協すると後悔しそうだったので、やり直すことに。辛い。しかし決めたらあとはやるだけ。床を補強するための木材を追加購入し、塗装。
補強を入れたため、断熱材もカットし直し。地味に大変。
その後、再び断熱材を取り付け、防湿気密シートで封をして合板を組み付けたところ、床鳴りは大幅に改善されました。まだ完璧とはいえませんが、さすがにもう一度やり直す気にはなれません。
調べたところ、床の合板は厚みがあるほど床鳴りしにくいらしい。床には12mmの合板を使っていますが、追加で何枚か同じ合板を購入し、重ねてみると、床が固くなり音もほぼしません。床の合板を2枚重ねで24mmにしたところ、床鳴りはほぼ解消できました。
壁を組みながら精度の重要さを学ぶ
床ができたら、次はツーバイ材を組んで壁の骨格作り。重さだけでいえば1つのフレームが20kgぐらいと思われます。大した重量ではありませんが、持ちやすいように最適化されたバーベルなどと違い、木材のフレームは大きく持ちにくいため、20kg程度でも取り回しがしにくいです。
壁を立ち上げる前の最後の難関が、天井の鉄骨。蛍光灯を鎖で吊るすために取り付けられたと思われる鉄骨は障害物となるため、取り外す必要があります。確認したところ、3箇所が簡単な溶接で固定されているだけだったので金属用のこぎりで少しずつ溶接部を切り、取り外しました。
鉄骨を取り外したところで、壁の組み上げを開始。1人作業で労力を感じていることもあり、なんかもう半分ぐらい終わった気がするけど、実際にはまだ3割ぐらいといったところ。
最初は合板をフレームに取り付けた状態での壁作りを試みたものの、精度の壁に阻まれました。隣り合うフレームとのずれがあるのです。わずかなずれにより、フレームと合板に隙間ができている箇所もありました。
ずれの原因は主に次の4つ。
木材が曲がっている(ツーバイ材の品質が悪い)
カットされた木材の長さが異なる
接合するときにずれている
販売時の提示寸法と実寸が異なる
ホームセンターでは、担当者によってミリ単位で正確にカットしてくれる場合もあれば、数ミリずれることもありました。ホームセンター側もカット時の5ミリ程度のずれは許容範囲(免責)としているので、しょうがないところ。問題はないと考えていましたが、影響があることがわかりました。
またホームセンターで販売されている木材には「1820mm」などと寸法が示されていますが、実寸はそれよりも長い場合があります(ホームセンターによります)。
例えば、910mmのツーバイ材を2本欲しい人が、1820mmの商品を買って、2分割してもらったとします。すると電動ノコギリの厚みの分、木材が削れてしまうので、仮に木材の実寸が1820mmだと910mm x2という結果にはなりません。
そのようなことを防ぐため、実寸は長めしているわけですが、そうとは知らずに持ち帰り、採寸したら寸法が異なっていたということがありました。またそもそも精度的に数ミリの誤差はありえるし、木材によっては表示寸法と実寸が同一の場合もあり、実にややこしかったです。
これらの複合的な要因によって写真のようなずれが生じたため、木材を組み直したり、切ったりしつつ、調整。結局、壁のフレームをすべて床に固定した後、合板を一枚ずつ外側からネジ止めしていくことになりました。
意を決して天井の組み付け
壁ができたら次はいよいよ天井。フレームに合板を取り付けたユニットを必要分だけ作り…
気合いで載せていきます。各ユニットの重さもあり、空間に余裕もないことから「本当にできるのか?」という心配もあるし、なんせ初の試みだったので緊張しまくり(まあ今回、なにもかも初めてだけど)。妻に撮ってもらった写真からも緊張感が伝わってきます。
天井は精度問題はそれほどなかった(と思う)ので、無事、取り付けられました。ここまでくると、かなり小屋っぽい。
天井の大部分はこれで完成しましたが、真ん中に鎮座する鉄骨部分をどうするかという問題が残っています。壁を立てる前に取り外した鉄骨とは別に、中央を横断する鉄骨があるのです。鉄骨(上の写真で電球をぶら下げているところ)は斜めで高さも天井ユニットと同じぐらい。
床は底上げされており、更に天井全体を鉄骨よりも下の位置に合わせてしまうと低くなりすぎるため、天井は可能な限り屋根に寄せました。天井ユニットのツーバイ材の間には、グラスウールの断熱材を入れて、石膏ボードなどで蓋をする想定ですが、鉄骨部分だけはそのような施工ができません。事前にどうすればよいかも思いつかず、現場判断しようと考えていました。
そして状況を確認し、合板と木材、そしてスタイロフォームで専用のユニットを作り、下からネジで固定することに。鉄骨部分だけは内側からではなく、外側から断熱施工。
試行錯誤はあったものの、最終的にはきれいに取り付けられました。
後回しだった窓や扉の方向性を決め、設置
設計時に、窓や扉のサイズや設置箇所を決めきれていませんでした。メイン扉はシャッターとは逆側に取り付けることだけは決めていたけど、扉が1つだと非常時に逃げられない恐れがあります。
ということで、逆側には非常扉を設置することに。扉は両方とも内開き。外開きだと災害発生時などに障害物で扉が開けられなくなることを防ぐためです。窓は断熱を考えると開閉できなくした方がよさそうでしたが、換気できた方が気持ちよいので、開閉構造に。換気扇はつけるんだけど。
扉は木材でフレームを作り、芯材にはスタイロフォームを入れて断熱。木材とスタイロフォームは同じ厚みのものを選びましたが、スタイロフォームの方が微妙に厚みがあったため、全体を紙やすりで削りました。
合板を木工用ボンドで接着し、素早く釘を打って乾燥待ち。床用の分厚いものとは違い、3mmぐらいの薄い合板なのでカッターでも切れます。
ドアはレバーと錠(じょう)が一体化したものだと機構が大きく、取り付けにくかったため、ハンドルと錠を別々にしました。ノミを使ったのが初めてだったこともあり、彫りが荒い…
ロックするための部品を取り付け。
非常扉は内側だけにハンドルを取り付けました。
鍵穴はないため、扉をロックするためにこちらの製品を購入しましたが、デザイン性、質感とも期待通りで満足しています。
メイン扉は大きな搬入物でも余裕をもって出し入れできるよう、900mmの幅広いものに。
メイン扉は、後でスマートロックを取り付けました。鍵がなくても、スマホかApple Watchがあれば、解錠・施錠が可能。
スマートロックは、キャンディハウスのセサミ。ドアの鍵が少し固めだったのでパワー的に心配でしたが、全く問題なし。両面テープでしっかりと固定できています。オプションも豊富。
窓枠用の木材を削るために、トリマーという工具を購入。電動ドライバーと同じバッテリーが使えます。バッテリーは1.5万円ぐらいと高額なため、バッテリーを基準に同じメーカーで電動工具で揃える人が多いようです。
窓の開閉機構にはホイトコというかわいい名前の製品を採用。トリマーのおかげで綺麗に木材が削れました。寸法があっていることを確認した後で窓枠を組み、ホイトコをネジ止め。
こんな感じで窓を開けることができます。窓はガラスでもよかったけど、ポリカーボネートに。割れる心配もなく、断熱効果もあるし。
窓や扉を設置する前の写真ですが、こんな感じでガレージ内に木造の小屋が爆誕しました。不自然すぎてうける。
おまけですが、途中で作業机を作りました。車輪付きなので自由に動かせます。天板は余っていたものを載せただけで固定していません。小屋が建てられるようになると、これぐらいのものは余裕で作れます。
電気工事が遅れ、作業は長期中断
ここまでの作業は6月には終わっていて、今頃は部屋を活用できているはずでしたが、配線工事を相談している電気屋さんが繁忙期(夏場はエアコンの取付などで忙しいらしい)に入ってしまい、作業は中断。
11月になり、ようやく話が再開されたので年内には電気工事は行ってもらえそうだけど、内装作業は年をまたぎそう。内壁は断熱材を入れて石膏ボードを貼り、漆喰を塗ろうと考えていたけど、長期間の作業中断により別のアイデアも出てきました。
例えば、壁は施工後は外せないのが常識だけど、そうすると電気配線の場所がわからなくなります。壁の中にある電気配線を探る道具もあるけど煩わしい。小屋は一般的なお作法に従う必要はないので、壁は取り外せるようにするとか、もっと自由な発想で作ってみてもよいかなと。
これまでにかかった費用
これまでかかった費用の総額はざっくり52万円。電気工事の見積もりが9.5万円なので、そちらを含めると61.5万円。以下はざっくりすぎる内訳。
材料費 40万円(主に木材)
道具代 12万円(うち7万が電動ドライバーとトリマー)
電気工事 9.5万
木材はウッドショックにより高くなっていて、2年前だともっと安かったみたい。道具は電動ドライバーとトリマー以外では、木材の固定具(クランプ)、のこぎり、ドリルの刃など細々したものがほとんど。
この先まだ断熱、内装などでもう少し費用がかかりますが、当初は何の根拠もなく30万ぐらいかなと考えていたので想像の倍はかかりましたね… 現時点である程度は形になっているので、あとはゆっくり進めていこうかな。
小屋(部屋)の利用目的
クリエイティブなことしかやらない小屋は様々な使い方を考えていて、具体的には次のような感じ。
工具置場、書庫
デジタルやアナログのものづくり
撮影スペース
オフグリッドの実験
避難所
工具置場、書庫
これまで色々とDIYを行ってきて、工具も増えてきました。形や大きさ、用途なども異なる工具は収納場所も分散し、箱に入ってすぐに取り出せないものも多数。これらをすべて小屋に集め、壁掛けにしたりして使い勝手をよくする予定。
書籍は過去に自炊(PDF化)や断捨離もしたし、新しいものはできるだけKindleで購入していますが、クリエイティブ系、アート系のものはデジタル化されていないものも多く、サイズが大きいものもあります。これらをまとめて本棚に入れてすぐに見られるようにしたいです。
デジタルやアナログのものづくり
現在の仕事部屋はデジタルな仕事をする場で、ダンボールアートや木工などのアナログ作業は別の場所で行っています。小屋ではデジタルとアナログ、どちらでも使えるようにする予定。木工は木くずが出るので要検討。すでにメッシュWi-Fiを増強済みで、小屋の中でも快適にWi-Fi接続できるようにしました。
撮影スペース
母屋は築50年ぐらいと古く、ブログ用にちょっとした写真を撮ろうにも、すぐに余計なものが写り込みます。小屋には何もないので、撮影にも最適。ガレージのシャッターを閉じ、窓を塞げば、日中でも完全な暗室になるので、照明だけを使った撮影もできます。
オフグリッドの実験(避難所としての活用も想定)
独立電源を使ったオフグリッドな環境が作れないか実験しようと考えています。元々、避難所としての利用も想定していたので、電力会社からの送電が止まっても数日は生活できるようにしておければと。
ポータブル電源と折りたたみ式の小さなソーラーパネルが現実的な選択肢と考えています。ポータブル電源も高額なものは50万円以上しますが(その価格帯になるともはやポータブルとはいえない大きさですが)、簡単に持ち運べ、そこそこな容量のある10万円前後の製品がよさそう。最近、ポータブル電源のブランドを刷新したAnkerの製品が第一候補。
ガレージでは使える電力量が少なく(電気屋さんにいわれてわかった)、現状ではエアコンは設置できません。そのため灼熱の夏場はそのままでは利用できないわけですが、エアコンがなければ使えないようでは避難所としては使えません。
エアコンが必要になるのは部屋全体を冷やそうとするから。小屋の中に間仕切りを作って、2畳程度のスペースだけを冷やすだけならスポットクーラー的なものでもいけるはず。夏場は100〜200W程度の折りたたみ式のソーラーパネルを使えば、ポータブル電源を短時間でフル充電にできそうなので、その電力でスポットクーラーぐらいなら使えそう。
また断熱をきちんとすることで冷房効果も向上します。これは昨年、母屋に設置した二重サッシで効果を確認済みで、今年は昨年対比で年間の電気代が約2.9万円安くなる見込み。
他にもコンポストトイレを作ってみようかなと。災害時用の簡易トイレはありますが、使い捨てだし、それだと後処理が大変そうです。普段から使い慣れておくと非常時も無理なく使えそう。
あとはローリングストック(備蓄食料を日常生活で消費し、食べた分を補充し、循環させる)。肝心なときに備蓄食料が消費期限切れにならないように小屋の中に備蓄食料の置き場所を作って、取り出しやすく、見えやすいようにしておいて実践を試みます。
セルフビルドして得られたこと
初めて小屋をセルフビルドしてみましたが、次のような様々な経験や知見を得ることができました。
DIY能力が向上した(様々な道具を知り、使い方を覚えた)
小屋ぐらいなら自分で建てられるとわかった
木で作った小屋は気持ちがよい
ネットを見ただけでなんとなくできそうに思えることでも、実際に試すと様々な課題が見えたりするものですが、セルフビルドはまさにそれでした。ただ一通りやり遂げると、大体こんなものかということはわかるので、次はもっと効率的に品質の高い小屋を作れそうです。
一戸建てやマンションを買うとなると、30年ローンは当たり前。でもセルフビルドなら少ない費用で済みます。家はライフステージによって必要な広さも変わりますが、今回のようなものなら必要な分だけ作って、不要になったら分解して資材の再利用も可能です。車中泊以上、戸建て・マンション以下ぐらいな感じ。
小屋のセルフビルドはサイズが大きい分、大変さはあるものの、DIY好きにとっては楽しさしかありませんでした。YouTubeでは、友達数人で山小屋を作っている方もいましたが、週末に仲間で集まってワイワイやりながら作るのも楽しそう。今回は1人作業ゆえの大変さもありましたが、人数がいれば作業も楽になるし、課題解決のアイデアも出やすそうです。
あと木造の小屋は当然ながら、いつも木の香りに包まれていてとても気持ちいいです。現状は内壁なども施工前で全方向が木なので、さらに香りが強いのかもしれません。
これからも色々と楽しめそうでワクワクが止まりません。(^^