沈みゆく都市に人類居住

 いかなる要因も人間の欲望がもたらすエゴ(利益)の結果として自ら居住空間を狭めている。気候変動による温暖化の影響は永久凍土の喪失を招くに至り、それを逆手に取って利益を目論む観光業者、海運業者は虎視眈々と狙っている。中国の地下水利用の延長、汲み上げのまん延が地盤沈下(天津市、上海市、広州市周辺地域)の主な要因の一つだと専門家は指摘している、年間1センチの沈下が続く地域にはスーパー堤防建設を余儀なくされているという。
5年前からニューヨークにおいても超高層ビルの影響で沈下現象が問題になっている。この最たる影響が生じているのがメキシコ市での1年で最大50センチメートルの沈下が起きたことだ。自然現象の恐ろしいところは、人間の机上の計算通りでない現象が突発することだ。戦争は悲惨の極みだが、人間の意思で止めることができる。しかし、自然のエネルギーは制御不能なものだ。いくら高層ビルがステータスだと言っても、その分だけ傾斜が大きく生存できなくなれば元も子もなくなる。


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