残像日記 2/28

残像日記とは?
 → 前日の内容書いたメモから適当にまとめた日記


大変だ。日記を一日サボったにも関わらず書くことが無い。

最近やりたいことが多すぎて逆に全部に手を付けられない状況が続いている。最近と言ってみたがずっとそうな気がする。中学高校はこれに加えて勉学がよりメインにあり、やりたいことを一端わきに避けていたが、それでまあまあな体験を損したと思うので今こそ打開したい気持ちだ。

日記もそのうちの一つではある。私は過去をエピソードとして記憶する能力が欠けている、もしくはそういった習慣が全くないらしく、家族の間で「この前何々があったよね」とか「ああ、この場所は数年前に旅行で来たよね?」と言われても何一つ覚えていない。

言葉や本の内容、出来事などの私から離れた場所にある「知識」なら記憶できるんだが、エピソードがどうもダメみたいだ。だから、日記やメモの重要性が高まる。のに、付けるのをしょっちゅうサボるし書くころにはその日のエピソード内容をほぼ忘れているのであんまり意味がない。無常だ。

穂村弘の『にょにょっ記』を読んで、これぐらいの軽妙さと柔軟さを持った、短めの娯楽としての日記を書いてみたいと思った。思っただけだ。あれは「作品」であってほぼ日記ではない。加えて私にこの種の日記を書ける気がしない。でもちょっとぐらいは努力してみたいと思う。

あの本は凄い。たった一行で終わる日記もある。表現のやり方も、本当に紙のノートに書いているようにとても自由だ。

4/9の日記『閉店セール』が好きだ。その内容は

近所の洋品店の看板が目にとまる。
「閉店セール」の看板だ。
近寄ってみると、「閉店」という文字の上に赤字で「本当」と書いてある。

穂村弘『にょにょっ記』p13

これだけ。これだけでなんでこんなに満足できるんだろう。日常の切り取り方が本当にダイナミックだ。そのシーンの前を、後を想像させる余地の作り方が上手い。穂村弘と言えば短歌の人だ。短歌によって、短さを最大限活かす方法に熟達しているのだと思う。


とりあえずエリモ・クドリャフカさんの歌だけでも聴いていってください。

いいなと思ったら応援しよう!