2024年からの大きな変更であるライティングについて
どこよりも早い、新しい英検のライティング問題(要約問題)の対策方法や採点についてのヒントを紹介 2024年度より新しくライティングに導入される英文の要約問題だが、公益財団法人日本英語検定協会が実施しているTEAPで同様の出題があり、以前参加したセミナーで紹介いただいた出題に関する情報をこちらでは共有したいと思います TEAPとは英語の4技能外部試験導入が話題になったときに、英検協会が作成した4技能試験です なお、TEAPは通常、英検2級〜英検準1級あたりのレベルの学生が受験する試験という印象です(あくまで印象です) そしてそのTEAPのライティングの試験が2問出題されるのですが、1問が要約問題、もう1問が資料を読み解いて各問題です 合計70分のテストですが、大体要約に20分、後半に50分が目安とおっしゃっていました 要約問題は70語でまとめる形式なので、英検の準1級がかなり近いのではないかと思います まず初めにライティングには2種類あります 一つがIndependent essayでもう一つがIntegrated Essayです 日本語で言いかえると、前者が自分の意見を述べるタイプのエッセイ、後者が書かれている内容の要約型のエッセイです。 もう少し具体的に言うと、前者は自分の記憶や経験に基づきエッセイを書き、それらの例をもとに自分の意見を論評することが目的になります それに対して後者は、与えられた資料に書かれている事実、考えをまとめてエッセイを書き、情報源によって読んだり聞いたりする能力が求められるそうです TEAPで主に問うているのはこの後者のエッセイで、求められる力もKnowledge transferring、つまり書いてある内容をいかに自分の言葉でまとめ直せるか、だそうです 発表者からはしきりにパラフレーズする練習を積み重ねてくださいとのアドバイスが与えられていました さてより具体的な問題の中身を確認しましょう。 この英文は大体英検の準2級の長文問題くらいのレベルだそうなので、公式見本問題や旺文社から出ている公式問題集などを解き終わったら、どんどん準2級の問題で練習を行うといいと思います いくつかの学生によるサンプル回答を見ながらありがちなミス、減点要因が紹介されました TEAP自体が主催するセミナーでの講師のお話だったので、採点基準の参考にもなるかと思います ①自分の意見が述べられてしまっている。あなたの意見なんて誰も聞いていない ②一文一文改行をしているため、1パラグラフで、という指示に従っていない ③don’tやcan’tのように短縮形を使用している。アカデミックライティングではきちんと一語一語スペルアウトするのが決まりのようなものである ④丸写しの文などがある ⑤具体例などの個別の情報が中心で要約になっていない ⑥本文と全く文構造が同じで単語だけ言い換えてあるのもあまりよろしくない 以上のサンプルは、実際に何名かの高校生に問題を解いてもらった結果だそうですが、その時その高校生たちの目の動きも特殊な機械で分析したそうです その結果やはり、本文と解答用紙を行ったり来たりする、というコピーのような様子が見られたようです 発表者の方からは、問題文と解答用紙を表裏にすることで、自分が読んで理解したことを自分の言葉で言い換えるいい訓練になるとおっしゃっていました 確かに、写せる位置に英文があるから、ついつい何回も見て本文に引っ張られてしまうのかもしれないなと思いました 初めのうちは、読む時間→構成を考える時間→書く時間とこちらで指示をし、原則本文には戻らず要約する練習をすることが大切かなと思いました