#11 「あなたの座右の銘は何ですか?」

就活の面接での定番の質問の1つに、「あなたの座右の銘は何ですか?」という質問がある。

座右の銘と聞くと、
「座右の銘は?」と聞かれて左右の目の視力を答える、という
インターネットミームを思い出した。
(タレントの発言という説もあるが、元ネタは不明。)

それはさておき、座右の銘って定義は何だろう?
『デジタル大辞泉』によると、
「いつも自分の座る場所のそばに書き記しておいて、戒めとする文句」
とのことだ。

ここでは、私の座右の銘と、
惜しくも座右にはなりきれなかった、座左の銘(?)くらいのものを紹介する。

①艱難汝を玉にす


意味:人間は苦労・困難を乗り越える事によって立派な人間になる

私はこれまでの人生、生真面目に生きてきたと思っているが、
その根底にある考え方を的確に指している言葉だと思う。
高校時代の部室にこの言葉が額縁に入って飾ってあり、
当時は特に誰も触れずインテリアと化していたが、
後から振り返ると、いい言葉だな、としみじみ感じている。

②着眼大局、着手小局

意味:事を成そうとする人は、いつも大きな目標を持ち、その目標に向かって計画を決めて実行して生きて行くことが大切である。

この言葉は、中国の思想家である荀子の言葉であるらしい。
荀子の発言としては、人生をどう生きるか、という大きなテーマだが、
私はこれを仕事に対する取り組み方に応用している。
これは前職の上司に教えてもらった言葉で、
仕事に取り組む際の自分の考え方の礎になっているのだが、
読んで字のごとく、俯瞰的な見方を持ちながら、コツコツ目の前のことに取り組んでいく、
この仕事への姿勢は、どこでも誰にでも通用すると思う。

③愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ


これは、ドイツ初代宰相のビスマルクの言葉だ。
自分の経験に基づいてなんでも判断するのではなく、
先人(周囲の他人)の成功例をしっかり学び、寛容に取り入れることが重要だ、ともいえるかもしれない。
これも、私の仕事に対する取り組み方の柱になっている言葉だ。

④歴史を学んでわかるのは、今まで歴史で起こったことのないことが、未来永劫起こらないとは限らないことだ。


これはインドの宗教家、ガンディーの言葉だ。
直接の出典はCOTEN RADIOであるが、
まず、歴史が歴史について自己言及している点が美しい。
そして、未来ある若者や、世界を変えていかんとする野心家に、
力強いエネルギーを与えてくれる言葉でもある。

⑤Bon Voyage!

意味:よき航海を!(ボン・ボヤージュ、フランス語)

これは瀧本哲史著「2020年6月30日にまたここで会おう」で取り上げられており、
20歳前後のときに本書を読んだ時、強く感銘を受け、思わず泣いてしまった。
なぜそこまで感銘を受けたかというと、この言葉は本書でこのように紹介されている。

自分の船を持っている船長っていうのは、リスクを自ら取っている人で、意思決定者なんです。航海において意思決定をする立場にない船員は、「ボン・ボヤージュ」って挨拶はしないんですね。
で、航海中に船がすれ違って船長同士で挨拶をするときは、「あっ、あの船は、あちこちネズミに食われてるな!」とか、「そっちへ行くと嵐になるんじゃない?」とかって、お互いに思っていても、そういうことは絶対に言わないんですよ。
「俺たちはお互いに自分の判断でリスクを取っている」ということに対する敬意があるから、余計なことは言わずに、ただ「よき航海を」なんです。

この一節では、若者を航海士にたとえ、
「自分の人生を歩め」と強く背中を押してくれている。
瀧本さんがいかに若者に敬意を払い、そして期待をかけてくれているかがよく分かる。
最後のページに、再度「ボン・ボヤージュ!!」と記してあり、
自分が人生という海路を進む航海士(=意思決定者)であることを、
再認識させられ、それとともにワクワクを感じた。

終わりに

座右の銘は、まさに自分の生き方の指針になる言葉ともいえる。
そして思い出すたび、味わい深いと感じる。
いいなと思った言葉は、胸の中とノートか何かに記しておくことをお勧めする。


(参考)2020年6月30日にまたここで会おう


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