歯周病で5本歯を抜くと言われて
昨年、母を看取ってから1年余り、2024年は体の不調に悩まされ続けた。
1月に前歯の被せ物が取れたことで歯医者へ。HPで何軒か調べて、親切そうな女医さんの元へと飛び込んだが、歯周病で5本抜かねばならないという。
なんとも5本も!仰天して、
「抜きたくないのですが・・」
「抜かなければダメですね」と、女医は素っ気なく、返答する。
若い頃からも散々に、明らかにおかしいと思える判断も含め、様々な歯医者に抜かれてきた私にとって、これ以上は嫌だった。
思い起こせば、母の介護中に、左の歯では痛くて、嚙むことが出来なくなり、2年近く右だけで噛んでいたけれど、それほど支障には感じなかった。嚙めるので。
介護中は、母や自分の食養生の勉強をしっかりしていたので、重い病気になる気もしなかったし。
しかし、細々した身体のメンテナンスまで気を配れていなかった。
自宅介護の日々は、ただ毎日を無事に過ごすのに精いっぱいだったから。
歯茎の痛さも重要視せず、(単に歯医者に行くのが嫌だったような気もする)・・歯周病とは知らなんだ。
「5本も抜かないとダメですが?」
「う~ん、では3本、いや2本は絶対」
この答えで、やはり医者の言いなりになってはいけないと判断した。ほっとけば、抜かなくてもいい3本も抜かれてしまう・・
たまたま、その日はアイヌ刺繍の習い事の日であったので、この話を皆さんに披露。
すると、元看護師さんが
「私も歯周病で、歯根治療をしているわよ。この治療ができる歯医者探したら?歯医者が無ければ、大きな病院、大学病院とかならやってくれる」
「下の一番奥の歯なんやけど、これを抜いたら総入れ歯になるから、大変よ。何回か通って、歯根の膿を吸い出してもらう治療よ」
「抜いたら最後じゃない?すぐに答えは出さないで」
なるほど、膿を出せばいいのか・・歯医者を探しながら、自分でもやってみるとするか。
そして数か月掛けて、膿を出し続け、新たな歯医者を探し、4月に治療を開始。
この歯医者も「抜いたほうがいい場合がある」と残すことには、積極的ではなかったが、私がどうしても抜きたくない意思を伝えると、残す方向で考えてくれた。
人気がある医院のようで、1か月に1回しか予約が取れないのだが、その間に自分で治療も出来るし、無精者の私にはちょうど良かった。
今は12月だが、上の歯も下の歯も数本虫歯があったので、まだ治療は終わらない。
歯の治療に関しては、かなり無知だったが、この抜きます事件で、信用できるな、という歯医者の本を読んで、現代の歯科医療の問題点もわかった。
歯は抜いてはいけないのだ。
日本は欧米に比べて、最新医療からは随分と遅れているらしい。もう、抜くとか削るとかの治療は古いそうだ。
(今、通っている歯医者も削る治療はしているけれども・・)
一番は、元看護師さんの歯根治療の話がヒントになった。これで、自分なりの治療を見つけることができた。
またマクロビオティックや昔の民間療法の本を引っ張り出し、歯周病の治療法を探れたことも大きい。
今でも時々、歯周病の歯茎が腫れることがある。身体内の酸性度も問題らしい。
1月に歯を抜くと言われて、春に治療開始するまでは、気分が重くて、出掛ける気にもならず、友人の誘いも断り続けた。
ずっと歯のコンプレックスがあったので、それに輪を掛けて憂鬱度が増したのだ。
それでも自分で膿の治療をして、腫れも痛みも随分治まり、春には掛けた部分やらの治療が始まった矢先、今度は「ぎっくり腰」を起こしてしまった。