私は大学4年生で、これまで4回IVUSAの遺骨収集活動に参加してきました。私が考える遺骨収集の第一の目的であり意義は、戦没者の方のご遺骨を陽の下にお迎えすることです。私たちが今回活動した現場のうちの一つには空き缶のゴミが堆積した層があり、その下からご遺骨と思われるものが多数見つかりました。苛烈な戦闘が終わり、「観光地」となったその場所に空き缶が投げ込まれ、それが朽ちかけるまでの長い間、その方々は地中の暗闇の中で放置されてきました。ご遺骨は、その方々が一人の人間として懸命に生きた証です。それが蔑ろにされ続けているのは余りにも非情で、「お国のために死ぬ」ことを美徳とした戦時の社会と一続きの現在を生きる者として、責任の一端を感じます。戦後79年が経ち遺骨の風化と共に記憶の風化も進む現在だからこそ、その方々の生きた証を、ご遺骨を、陽の下にお迎えすることそのものに意味があると思っています。
今回の活動は「繋ぐ」をコンセプトに掲げていました。活動が終わった今、私は今後もこの活動を繋げていきたいと考えています。IVUSAの遺骨収集活動は、遺骨収集そのものだけでなく、参加者同士の意見交換の時間も大切にしています。「遺骨収集は本当に戦没者の方が望んでいることなのか」「平和を口先で望むだけで平和な社会が築けるのか」など、普段は話しづらいことも率直に話す時間はとても充実しています。時には違う意見を持った人とも出会いますが、その人がどうしてそのような意見を持ったのか、その意見の真意は何かを聞くことができます。それを踏まえて、自分の意見を更新させていくことができます。私はこのような場があることが平和な社会の要件であり、平和な社会の実現という途方もなく大きな目標に対して今自分に出来ることは、どんな形であれ今後もこの活動を継続していけるように努力することだと考えています。