活動体験記 No.11

 私は、戦争の記憶の風化が懸念されると共に、非体験者世代の高齢化が進み、今後の平和学習や歴史継承がどのようになされていくのか、戦争の歴史は後世へ確実に継承されていくのかどうかを日々考えています。そんな中でIVUSAとこの沖縄隊に出会い、平和学習についての知見を更に深めるために沖縄隊に参加しました。
 私は、初めは遺骨収集についてあまり知識がありませんでした。実際に活動するまで、言ってしまえば活動当初まで「今、ご遺骨をお迎えしようと活動をしている」という実感もはっきりと湧いていなかったと思います。しかし実際にご遺骨と思われる方を目にしたであろう時や、当時この場所で戦争が起こっていたのだと改めて目を閉じて考えた時、私は今踏みしめている土の中には誰かの命や人生が今もはっきりと、色濃く残っているのだ、と感じました。ご遺骨は人の人生そのものであり、物語であると思います。そんな誰かの人生や物語が埋まってしまい、今も陽の元に帰れていないと考えた時、本当にやるせない気持ちになりました。私は今、空襲警報も、爆弾や艦砲射撃もない社会で生きて、学校で学び、将来の事を考えながら日々暮らしています。しかし戦時下の人々はそんな自由も一切なく、命の危険と隣り合わせになりながらも必死に生きていました。そんな人々の思いや人生が時代と共に埋まり、風化していく現状を今まで知らなかった自分が許せなくなります。
 また、現代で遺骨収集という活動を知っている人の少なさにも危機感を覚えました。しかし、今回の活動で私は遺骨収集に対しての自分なりの思いを持つことができ、知ることが出来ました。それはこの沖縄隊に参加しなければ得られなかったものであり、本当に良かったと心から思っています。この活動を通して、「私が戦争の歴史や記憶、遺骨収集の現状や将来を繋ぐ後継者となりたい」と更に、そして強く思いました。これは私の平和学習や遺骨収集をする意義そのものなのです。当時の人々の思いや人生、歴史は絶対に風化してはなりません。だからこそ私は今後もこの沖縄隊に参加し続け、戦争の記憶継承について学んでいきます。

大学1年 ずんだもち

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