課題を解消するだけじゃもったいない。 (長野県伊那谷環境保全活動)
7回目となる長野県伊那谷環境保全活動、今回は長野県飯田風越高等学校の通学路沿いにある放置竹林の整備作業を行いました。
この放置竹林には猿が生息しており、今年6月には同高校生徒が通学中に猿に襲われる出来事がありました。そうした経緯を踏まえ、本活動のカウンターパートであるNPO法人いなだに竹Linksが整備作業をすることとなり、私達もご協力させていただく運びとなりました。
一緒に活動を行っているいなだに竹Linksのメンバーからは、いつも多くの刺激をもらっていますが、その一つが「課題を解消するだけで終わらせず、どうせならばプラスαの楽しみを生もう」という姿勢です。
道に近い場所にある竹が1mほどの高さで切られていますが、こちらは生やしたまま加工し、LEDライトを用いて竹灯りとして活用しようというアイデアのために残されているものです。
そもそもの話は、竹が生い茂り光が入らず、獣害被害も出てしまっている状況をなんとかしようというものです。作業の効率だけを考えれば、わざわざ手間をかける必要はありません。しかしそうはせず、時間や労力はかかっても、風越高校の生徒を巻き込みつつ、竹灯りを作ることで、この通学路を歩く高校生らが、この課題を自分ごととして捉えるきっかけを得ることに繋がります。また個人的には、竹を全て伐採するよりも、魅力ある道になるんじゃないかと思います。
ご紹介したのはあくまで一例ですが、課題とされていた資源を活かしつつ、ポジティブな価値創出をするための姿勢や仕掛けは、学びになるものばかりです。
もう一つ、いなだに竹Linksの魅力的なところは、メンバーが皆楽しみながら活動に携わっているところです。
「楽しくないと続かない」といういなだに竹Linksの皆さんの言葉は、活動されている様子を見ると、まさにその通りだと感じます。
メンバーのひとりのトメさんは、御年72歳ですが、足取りは軽く作業スペースも大学生が置いていかれるほど。「竹林整備作業は健康維持のためにもやっている」とお話されていらっしゃいましたが、体力も心意気も本当にすごいです。
こちらの通学路沿いの活動は数年続く見通しです。
もし今後、IVUSAと高校の連携が始まり、活動が発展して風越高校の生徒らで支部が立ち上がっても面白いですし、もし縁があって今度はIVUSAの仲間として一緒に伊那谷に戻ってくるみたいなことがあれば、こんなにうれしいことはありません。
また、受験を控えた生徒の相談に乗ったり、生徒が目指している大学の学生がIVUSAに所属していたりすれば、竹林整備活動以外の形で交流する機会も作れるかもしれません。
せっかく活動するならば、いなだに竹Linksに倣い、その課題をきっかけにして、多くの関係者を巻き込み、より大きな価値を生む仕掛けを作っていきたいと考えています。飯田市でIVUSAが果たせる役割はまだまだあります。
IVUSAでは今、東海圏に支部を設立するために準備を進めています。風越高校は、進学者の7割が東海圏の大学に進学するという話を聞きました。もしかしたら3~4年後、飯田風越高等学校出身者の愛知名古屋クラブの学生が本活動のリーダーをしているかもしれません。
色んな想像を、一つずつ形にしていきます。
本活動にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします!
(三浦 慎爾)
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