招待制の伝統をあえて壊してつくった #NEXT CITY 。スタートアップの今を体験できる「街」とは?
スタートアップの祭典IVS2023 KYOTO。この一大イベントを有意義に過ごすためのヒントを発信している「IVS有意義ラジオ」から一部を書き出して紹介します。今回はIVS代表の島川敏明、執行役員の今井遵、IVS2023 KYOTOの要であるNEXT CITYの企画担当の前川寛洋が、NEXT CITYを熱く語りました。
濃いメンツばっかりだったはずなのに!IVSが招待制を辞めた理由
島川 IVS2023 KYOTOのゴールの一つは、スタートアップの関係者を増やすことです。今回は、そのために新たに導入したNEXT CITYについてお話ししたいと思います。
これまでのIVSは招待制でイベントを行っていたのですが、今回は新たにNEXT CITYというエリアを設け、これからスタートアップに関わりたいと考えているプレシーズンの起業家やエンジニア、大企業の新規事業担当者といった方々がラフに参加できようにしました。
実は、招待制のときは主催者側が参加者の審査をしていたんです。ご参加いただく基準は「この界隈に貢献できる人かどうか」。どんなことをしている企業なのか、役職は何なのか。スタートアップに貢献する企業の方であれば、執行役員以上の役職であることを一つの基準にしていました。ご参加いただける人数に限りがあるので、どうしても7割くらいは断ることになっていました。
今井 主催としては心苦しい作業だったのでは。
島川 そうですね。
今井 こういう事情があったからこそ、これまでは集客をせず、SNSなどでエンゲージを高めてきたんですよね。けれど、コミュニティを広げていくにはもっと裾野を広げて関係人口を増やして、起業をみんなの自分事にしてもらうっていうのが大事なんじゃないかと考えたのが今回の施策につながっています。
学生用のチケットを用意した理由は、起業家に接していたら「起業家ってかっこいいな」「なってみたいな」って思う学生さんが増えると考えたから。
IVS2023 KYOTOに参加することで、これから活躍していく人たちと出会って刺激を受け、何かを感じてもらいたい。IVS2023 KYOTOを数多あるカンファレンスとは大きく異なるものにしていきたいという思いがあります。
島川 これまでのIVSはシード以降の経営者を対象にしていたんですが、これからはそれ以前も巻き込んでいくことにしたということです。
今のスタートアップエコシステムに本当に必要なものを改めて考えた
今井 それが全面に現れているのが今回初めて登場したNEXT CITYという企画だと思います。
島川 参加者全員がオープンに参加できるエリアですね。セッション数は200以上。マッチングのための企画もたくさん用意しています。VCに資金調達の相談ができるブースを50以上展開したり、アクセラレータープログラムの体験版を用意して起業前の方が相談できるようになっていたり、アイディアをブラッシュアップできたり……。今回はエンジニアの方もいらっしゃるので、共同創業者が見つかるような企画も用意しています。
今井 企画ごとにペルソナがちょっとずつ違っていて、一部の人に深く刺さる企画をたくさん集めたのが今回のNEXT CITYだというわけですね。そしてこのNEXT CITYを企画しているのが、前川です。
前川 NEXT CITYの企画をリードしております、前川です。本職はFunds株式会社での執行役員なのですが、Fundsの代表がLAUNCHPADで優勝したことがあるなど、IVSには会社ごと縁が深い人物です。
島川 IVS2023 KYOTOは16回目のイベントとなるわけですが、これまでを振り返ってみると、セッションやネットワーキングなど、コンテンツの中身は変われどパッケージはだいたい一緒だったんですよ。
それがそろそろ陳腐化してきているように感じていて。「みんなそれを求めているのかな?」という疑問がうかびました。スタートアップエコシステム全体を見たときに「何が必要なんだっけ?」と改めて考えていたらNEXT CITYのアイディアが出てきたんです。言うなれば、スタートアップの育成五か年計画に対するアンサーがNEXT CITYのコンセプトです。
前川 僕自身もスタートアップに身を置いていて、スタートアップをどうやって成長させるか、自分たちが信じるミッションを実現させ、それによってどう社会を良くできるかということに当事者として取り組んでいます。やっぱり、当事者目線だからこそ見えてくるものがある。例えば、エコシステムにこういうものがあったらいいんじゃないかとか、出会いがもっと滑らかになったらいいんじゃないかとか、そういったことをずっと考えてきました。
だからNEXT CITYは、それを実現させるスタートアップの街として、スタートアップのありとあらゆる実体験が得られるものにしたいと考えています。
今井 なるほど。
NEXT CITYでスタートアップの「今」を徹底的に体験
前川 スタートアップのオリジンとなるものは「課題」だと思っています。ただ、社会課題みたいなものってなかなか手触り感がなかったり、聞いたことがあっても自分事化しにくいものがたくさんあると思うんですね。
自分にとっては遠いものだと感じている社会課題をもっと身近に感じてもらうために、その社会課題にチャレンジしている起業家の話を聞ける場を設けています。また、SFだと思っていた技術が今どれだけ応用が進んでいるのか、未来の話だと思っていたことが今どれだけ近づいてきているのかを体験できるエリアなどもあり、自分が没頭できるような起業アイディアに出会える機会を提供できると思います。
今井 それはセッションで見聞きすることができるんですか?それとも、実際に触れたり喋ったりすることができる?
前川 例えば、研究開発を担っている研究者やプレーヤーと密にコミュニケーションできるコミュニティエリアがあります。他にも、マイクロチップやフードロス問題に取り組む人の話を聞きながら、実際に手でプロダクトを触って自分事に近づけられる場所を用意しています。
今井 今回NEXT CITYで実現しようとしている事柄は、これまでのIVSがあまりタッチしてこられなかったディープテックの領域が多いですよね。
島川 そこにフィーチャーしていくというのがIVS2023 KYOTOの特長といえますね。京都がある関西圏はものづくりの会社や大学が多いので、地場との関わりもある。
前川 IVS2023 KYOTOは、NEXT CITYだけでもう60企画くらいあるんです。セッションっていう従来の形だけではなくて、普段はなかなか話を聞けないような人によるピッチがあったり、議論を深めるワークショップがあったり、大学教授の講座を受けられたり、本当に「課題」を身近に感じてもらえる企画が多いです。新しいコンテンツの出し方や発見の仕方にも注目していただきたいですね。
今井 こうした取り組み、人、情報に興味がある方はぜひNext Passを手に入れてください。みやこめっせでお会いしましょう!
この配信の内容はこちらからお聞きいただくことができます。
#IVS有意義ラジオ 今年のIVSは何かが違う!
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※可読性をあげるために、当記事は音声配信の内容を大幅に編集してお届けしています。
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