陳腐な言葉と寄り添う言葉と – weekly ivote #05
皆さんこんにちは。今週の担当はtomohiroです
今年度のweekly ivoteを投稿し始めておよそひと月、ようやく軌道にのってきたというところでしょうか。
IVOTALK「言葉のひとり歩き」
さて今回は、先日各SNSでお知らせしたIVOTALKについて書いていこうと思います
言葉のひとり歩き
今度のテーマは「言葉のひとり歩き」
サブタイトルには、“SDGsとか多様性とか……”とありますが、実際みなさんはどう感じていますか?
この頃、というか数年前から、街中でメディアの中で頻繁に見聞きするようになった文句として上に挙げた言葉は代表格だと思いますが、どうにも首をかしげたくなるような使われ方もまま目にするようにも感じます
こうやって何やら先進的な響きを持つ言葉たちが、安く消費され本質的な理念がおざなりにされていることはないか、曲解されたり或は悪意をまとった使い方に惑わされていないだろうか。
先の二つに限った話ではありませんが、そんな疑問がivoteの中でも湧きあがり、ぜひ皆さんと一緒に考えてみたくこのテーマを扱ことにしました
言葉の力
言葉ってすごくパワフルなものです。
どんなモノも概念も、それに名前を付けてはじめて人びとが共有できるものとなりますから、人権の分野における「多様性」の語が普及することには大いに価値がありますし、「SDGs」もこれからの人類のために必要な様々な領域を横断する課題をひとつの旗印の下で注目を集めるという点で意義深いキーワードでしょう
他方で、言葉は単なる記号に過ぎないのもまた確かです。
その記号に意味を乗せるのは使い手である私たちですし、誰かが一意に定めようとしても使われ方次第でどのように転ぶとも知れません。
私たちの明るい未来を描き得る言葉が、単なる陳腐な流行り言葉になり下がるのか、はたまた何者かにいいように利用されて終わるのか。歩き出した言葉と同時代に生きる私たちがきっと鍵を握っているはずです。
ふらっとIVOTALKに!
この場を借りて個人的に思うことを好き勝手に書きましたが、IVOTALKではどんな話題を引っ提げて来ていただいても構いません。というか何もなしに来てもらうのも大歓迎です。
今回のテーマに、心が揺れた方、言いたいことがある、話を覗いてみたいあなたはぜひIVOTALKにお越しください!
各SNS、HPから質問も受け付けておりますのでお気軽にお寄せください
余談 – amazarashiに連れられ神保町へ –
最後に、個人的にワクワクした話題をひとつ。
ちょうど一週間ほど前に私の心のよすがともいえるamazarashiの新アルバムの情報がありました。
どうもとあるSF小説の句を引用したタイトルということで、その作家さんとか小説のタイトルでググってみたのですが件のアルバムの話以外に一向に情報がない……
詳しく調べてみると、何十年も前に出版された短編集におさめられた小説とのこと。そんな一篇の物語が秋田ひろむ氏(amazarashi)の胸の中にあって、アルバム名までこれに託すとは出会いが気になるななどと独り思案していました。
と同時に何とか手に入れねばと思い立っていざ神保町へ。何件もまわり店員さんにも尋ねようやく1冊を手に入れることが叶いました。訳者の違う二つのバージョンがあるようなのでもう一つも何とか手にしたいところ。
何かこう、ちょっとした冒険のような気分で楽しい古書探訪でした。
ゆっくりSFの世界を味わって新曲を待とうと、少し先の未来が楽しみになるこういう瞬間って大事ですねと。
歌って不思議なもので、曲に委ねないで話すと或は陳腐でこっぱずかしいような言葉でも、好きな歌手の歌声に乗ってくると心にしみわたります。
言葉は、使い手やあて先、その背景から触れる場所時間などまったく色々の条件に左右されて底知れぬ力が顕現するんでしょうね。
SFといえばということで、とくに今回の内容と関係ないですが、amazarashiの『古いSF映画』から一節
「人が人である理由が人の中にしかないのなら
受け入れてはいけないこと、それは君自身が決めなきゃ」
令和5年9月8日 tomohiro