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すべての人の一票のために~投票を支援するしくみを覗く~

 空には雲がかかってちょっぴり気持ちも暗くなりますが、日曜日は晴れ間が見えるとの予報も。私たちの未来を照らす光が選挙に合わせて差し込むといいですね。
 こんにちは、ivoteのtomohiroです。
 参院選は、投開票日がいよいよ迫ってきました。

 お手元に選挙公報は届きましたか? 政見放送はご覧になりましたか?

 選挙は、民主主義において国民の意思を政治の権力に反映させる重要な機会であることはいうまでもなく、選挙にあたって投票する権利をすべての国民が手にできること

 選挙での投票先を選ぶにあたってはさまざまな材料がありSNSなどインターネット上の情報の重要どはますます増していますが、選挙公報や政見放送はすべての候補者に平等に与えられた場を使って有権者に政策などを訴える場としての機能を持っています。

 しかし、紙面に文字で書かれた選挙公報は誰にとっても理解しやすいものでしょうか? 耳の不自由な人は政見放送からどれだけの情報を得られるのでしょう?
 ここでは、さまざまな人が平等に選挙権を行使できるよう実施されている工夫をみていきます。

点字や音声の選挙公報

 選挙公報は、投票期日の2日前までに各家庭に配布されることになっており、限られたスペースの中で各候補者がみずからの主張を展開しています。簡潔に各候補の主張を確認するにはとても便利かつ重要なものです。
 しかし、紙面に文字等が印刷された媒体は目の不自由な人には情報の得られないものです。

 そこで自治体は、点字や音声、拡大文字の選挙公報を用意するなどして多くの人に選挙公報の情報を届けられるようにしています。
 文字の選挙公報だけでなく、さまざまなかたちで提供されていることをぜひ知っていただいて、身の回りに困っている方がいたらぜひ教えて差し上げてください。

 もっとも現在、法律上は点字版などの選挙公報は規定がありませんからその方法にばらつきがあるのが現状です。各家庭に届けるようにしている地域もあれば、役所にのみ置いているという地域もあるようです。

 そして、これらの点字版などは民間の支援団体が選挙にあたって限られた時間の中で製作しています。多くの人の投票する権利を実現するために力を注いでいる人びとがいることもぜひ知っていただきたいことです。

政見放送に字幕は当たり前?

 他方政見放送は、映像すなわち視覚による情報に加えて音声による情報が重要な媒体です。
 今回の参院選では、選挙区・比例代表いずれの政見放送においても字幕や手話通訳をつけることができます。

 耳の不自由な人にとっては、どちらも欠かせないものですが、実はこれは当たり前のこととも言えません。参院選の選挙区の政見放送で字幕と手話通訳をつけることができるようになったのは、前回2019年の選挙のときからなのです。
 全国比例区と異なり、各地の放送局で収録することとなっていた選挙区の政見放送では放送局ごとの設備の差などを理由に字幕が付けられなかったが、前回の参院選では映像を持ち込めば字幕を付けられることになりました。

 字幕や手話は義務付けられているものでなく、各候補者や政党が自主的に採用するという状況ではありますが、聴覚障害のある人の参政権を実質的にまもるためには欠かせないものといえるでしょうから、ますます候補者の間にも、制度としても拡大していくことが望まれます。

投票所においても

 さて、これまで投票権を行使するにあたっての情報収集の段階に注目してみてきましたが、最後に投票の場面に目を向けてみることにします。

 投票をするとなると通常、投票所に出向き、記載台にある掲示に従って投票用紙に記入して投票するということが求められます。それぞれの局面にわけて制度を確認します。

 まず郵便投票です。身体に障がいがあり投票所に足を運べない人は、申請をすることで投票用紙を郵送することで選挙に参加することができます。ただし、現在郵便投票の対象となる障がいは重度のものに限られまています。

 投票所では、代理投票と点字投票ができます。
 目が不自由で候補者の掲示を見ることができないばあいは、点字で記載されたものを確認して投票する点字投票をすることができます。点字器も投票所で借りることができるようです。
 また怪我や障がいなどで自分で記入することが難しいときは、代理投票をすることもできます。係の人ふたりがそれぞれ一人が代わりに書き、もう一人が指示通り記入されていることを確認することで自分の意思にしたがって投票することができます。ここでは口頭で伝えたり、候補者名を読み上げてもらって頷くなどして投票する候補者を伝えることができます。

 そのほかにも投票所には介助犬や同伴者と一緒に入ることもでき、老眼鏡が置いてあったりと様々なサポートが受けられるので、投票所に行くことをためらっている人がいたら、ぜひ伝えてあげてください。気になることは係の人に訊ねてみるとよいでしょう。

一票は平等に与えられる権利

 このようにさまざまな人の政治参加を支える仕組みがあるのは、政治参加とりわけ選挙における投票が、民主主義においてすべての国民に平等に与えられているかけがえのない権利だからです。障がいがあったり、病気や怪我をしているからといってこの権利の行使が妨げられることがあってはなりません。
 すべての人が「実質的に」平等に政治参加できることは譲ることのできないことなのです。もちろんまだ制度には足りない部分も多く、完全に平等な選挙には程遠いのも現実です。そのためにそれぞれの場面で、この権利を守るために工夫がされていること、それだけ参政権が欠かせないものとされていることをぜひ忘れないでください。周りの人にも伝えてあげてください。

 投開票日当日忙しい人のための期日前投票も、平等な選挙権行使のための重要な制度です。
 大切な選挙権、あなたも持っている一票、ぜひあなたのために使ってください。

 投票所は毎日、あなたのために開いています。

学生団体ivote  tomohiro


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