カンザキイオリ『自由に捕らわれる。』感想
音楽と物語をセットにして提供するというスタイルがある。Sound Horizon、カゲロウプロジェクト、ヨルシカなどである。音楽だけで物語を提示する場合もあれば、文章としての物語もセットで提示する場合もある。
私は8月23日の発売日にカンザキイオリのCD付き小説『自由に捕われる。』を購入した。
小説の本筋からはそれるが、あえて記したい。私がこの曲を数年前に聞いたとき、「管理教育から脱した少年の叫び」だと思っていた。
しかし、このたび発表された小説ではそうでなかった。学校・家庭・塾だけではない。それ以外の部分でも青少年は「管理」されることがあることを思い知らされた。
しかもその「管理」というのは「暖かい」管理だったのである。最初に聞いた曲の先入観を覆すような内容の小説だった。
なお、私はCD→小説→CDと進めた。最初にCDを聞いたとき、なんのこっちゃと思ったが、一読したらCDの内容もよくわかった。
これが物語音楽の醍醐味だと思う。