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第3回スポーツ医学企画 サッカー

学生が事前に自分の興味のあるスポーツについての練習量や、食事管理、起こりやすい怪我などを調べて来てプレゼンする企画の第2弾だ。
今回はサッカーをテーマに発表をしてもらい、それについて学生同士で話し合い先生方に補足してもらいながらみんなの理解を深めていった。

1.学生発表(サッカーの概要10分)

 まずはじめにサッカーの競技人口などの概要とサッカーの特徴について説明した。フィジカルスポーツであることや、転ぶことが多いこと、そして足首や膝に大きな負担がかかることがあるそうだ。このようなことを踏まえて聴講者はサッカーという競技にはどのような疾患が多いのかを考えながら発表を聞き、次にある小グループでの議論を行うことになっている。

 次に発表者が実際にサッカーをやっていた時に行っていた練習を何個か紹介してもらった。1回の練習時間は平均2時間ほどで、その内容としては大まかに走り、筋トレ・瞬発力up、基礎練習(パス練習、ヘディング練習、シュート練習、DF練習など)、ミニゲームなどがある。それぞれの練習に実際にどのようなことが盛り込まれているのか紹介したいと思う。

・走り:30mダッシュを1分インターバールで10本
    300mを1分以内に走るのを1分インターバールで10本
    20分走(ノルマ5km)

サッカーでは1試合で平均10kmほど走行するのでそれに備えるためにかなりの量の走り込みをするみたい。。。

・瞬発力up:ラダー、2-3mを素早く切り返す

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http://satoshiyuki.biz/archives/2232


基礎練習:前述の通りパス、トラップ、ヘディング、シュート、キーパーなどの練習を行う。

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https://www.football-zone.net/archives/98481
図1

・ミニゲーム:ここでは紅白戦のような実際の試合を行い、基礎練習などで行った技術練習を試合本番で発揮できるかを確認する。

2.発表を踏まえて小グループに分かれてサッカーで起こりやすそうな疾患を議論
 今回は2グループに分けてサッカーで起こりやすそうな疾患を考えた。それぞれの班ではコンタクトスポーツであることから多くの外傷があげられていた。接触プレーや転倒によって生じる骨折や打撲、ドリブルなどの足首をひねる動きの際などに生じる捻挫、スライディングを人工芝などの上で行った際などに生じる擦り傷、転倒した際に肩から落ちることなどが原因で起こる脱臼、肉離れ、アキレス腱断裂などが上げられた。
 次のセッションでは、実際に発表者によるサッカーにおいて起こりやすい疾患を発表して貰う形となっている。聴講者が消極的な情報入手をしないように自分で疾患を考え、それを周りと共有することで次の発表を答え合わせのような感じで積極的な情報入手が行えると私達は考えている。

3.発表者による起こりやすい疾患の解説
 サッカーの怪我は実際ほとんどが外傷性のもので骨折、捻挫、脱臼、靱帯損傷、大腿の肉離れ、打撲などの疾患が多いそうだ。また今回の発表にあたって3つの疾患を更に深掘りして説明をしてくれた。
・オスグッドシュラッター病:膝の脛骨の粗面に生じる
原因:骨端症のことで過度のジャンプやダッシュなどの運動を繰り返すことで生じる
症状:疼痛や赤く腫れることが多い。
予防策:運動前後のストレッチ、そして膝蓋腱を圧迫・固定するサポーターの使用などがある。
治療:骨端閉鎖後には軽快することが多いため保存的治療がメイン。

・足関節捻挫:足首をひねることで生じる足関節靱帯の損傷。捻挫によって靱帯が伸びてしまい、役割を果たしにくくなるため再発が多い。
症状:疼痛(捻挫した方向にひねることで更に増悪)、腫脹、皮下出血
足関節の靱帯の捻挫において下図に示す前距腓靱帯の損傷がもっとも多い

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https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/sprain_of_ankle.html

予防策:運動前後のストレッチ、足関節を圧迫・固定するサポーターやテーピングの使用予防策:運動前後のストレッチ、足関節を圧迫・固定するサポーターやテーピングの使用治療:
治療:初期治療RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)
   固定→再発予防のための運動療法(リハビリ)

・筋挫傷:筋が相手と衝突することによって強打されると、骨に押し付けられ骨に近い筋肉の深層が損傷することで生じる。
(大腿四頭筋に起こると俗にいう”ももかん”と呼ばれる)
症状:疼痛、腫脹、筋肉内の血腫形成が見られる
治療:初期治療RICE、保存的治療として松葉杖の使用→ストレッチなどのリハビリテーション

筆者あとがき
多くの人が一度はやったことがあるであろうサッカー。そんな身近な競技ですら私たちの知らないことが多くあるんだと改めて思いました。また各疾患にたいして適切な治療法や予防方法なども学ぶことができたため、今後自分がスポ―ツを行う際にも予防をしっかりと行った上で、万が一怪我が起こってしまった場合でもRICEなど初期治療をしっかりと自分で行おうと思います。
スポーツ医学面白すぎますね~


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