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乗り込みは男のロマン、野中美里

横浜在住の私にとってソウルフードと言えば崎陽軒のシウマイ弁当であり、ソウルミュージックと言えば横浜市歌なわけですが、ソウルTVプログラムと言えば、なんといってもTVKの新車情報とSAKUSAKUなのであります。

新車情報は1977年から2005年まで実に28年間にわたって放送された自動車情報番組です。MCは自動車評論家の三本和彦さん。前半に走行レビューの動画を流し、後半は車両を前にメーカー担当者に直に質問を浴びせかける。この番組のフォーマットは現在でもTVKの「くるまでいこう」にほぼそのまま踏襲されているくらい完成されたもので、まさに自動車情報番組のパイオニアとも言うべき存在です。もっと言ってしまえば、現在Youtubeにも多数あがている自動車レビュー動画を見てもそこかしこに新車情報のフォーマットを見て取ることができます。例えば座席に座って天井までの高さやひざと前席の背もたれの広さを「げんこつ何個分」という図り方をするのは、明らかに新車情報由来の測定方法です。

で、その新車情報が思いもよらぬことで注目を浴びることになります。2000年から番組のアシスタントを務めた野中美里さんの登場です。

野中さんからだと思うのですが、車のインテリアを紹介する際に三本さんが野中さんを呼んでモデルとして座席に座らせるようになりました。

まったく男というのはどこにでも歓びを見出すもので、その野中さんの車に乗り込む姿に対する評判がじわじわと盛り上がり、土曜の午前中だというのに2ちゃんねるの実況スレに「乗り込みフェチ」が集まるというおかしなことになりだしました。

今回この記事を書くにあたって、Youtubeを漁ってみたのですが、その麗しい乗り込み姿が映されている動画が思ったほどありません。実は新車情報のアーカイブはTVKの公式アカウントが配信しているのですが、配信内容が前半の走行レビューだけなんです。開発担当者と三本氏の会話はもちろんのこと、野中さんの乗り込みシーンもバッサリ切られています。

まったくTVK、なんてことしてくれちゃってんのよ!

と言いたくなります。

こうなると意地でも見たくなるのが性というもので、探した結果、1本だけ見つかりました。貴重な乗り込み動画、いつ消されるかわからないので、今のうちにご覧ください。

まあ、今になってみると、三本さんの野中さんの呼び込み方にも昨今のポリコレ的には問題多すぎという気がしないでもないですが、いやあ、今見てもいいものは良いです。

乗り込み中
仕草がまたいちいちそそる。

なんてことないんですよ、なんてことないんです。
なんてことないんですが、良くないですか?わからないかなあ??
当時この乗り込みに心ときめかせた野郎がたくさんいたのですよー。
しかもこのあと野中さん、どんどん乗り込みポージングが上手くなっていくんですよね。はぁ懐かしい。

新車情報は三本さんがご高齢になったこともあって2005年で終了するわけですが、後発の番組はこの「乗り込み」だけはフォーマットとして踏襲しておらず、野中さん一代限りで終わってしまいます。このころ私はすでに車を持っていましたが、やはり、いつかは高級セダンに乗って、野中さんのような素敵な女性を助手席に座らせる、というのがひとつの憧れだったように思います。仮にもし、この番組が今でも続いて乗り込み文化が継続していたなら、今のようにSUV一辺倒ではなく、もう少しセダンやクーペが売れていたんじゃないでしょうか。

野中さんはいまでもフリーアナウンサーとしてご活躍のようで、今後もどこかで目にすることがあるかもしれませんね。

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