やりたいことが分からない
みなさん、こんにちは。井内 正博です。ご訪問いただき、ありがとうございます。
お困りごとファイル003は「やりたいことが分からない」です。
仕事をしていて、なんとなくモヤモヤすることはありませんか?
「このままでいいのだろうか?」
「もっと自分に合った職場があるんじゃないか?」
「私の天職ってなんだろう?」
と、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
僕は何回もそんなことを考えては会社を辞め、転職を繰り返し、気がつくと12回も会社を変わっていました。転職先が決まっていないときは、バーテンダー、コンビニ店員、弁当配達、イベントスタッフなどのバイト生活でなんとか凌いでいたので、経験してきた職種もかなり多いです。これは僕自身の辛抱が続かないというダメな性格から起こったことでもありますが、当時の僕は、どこにいても、何をしていても、
「ここは自分の居る場所じゃない気がする」
と思っていたのでした。
自分の夢、やりがい、天職、幸福、愛などについて誰かに尋ねてみても、答えを差し出してくれる人はいないでしょう。仕方がないから自分ひとりで、孤独に問いを立てて考えることになるのですが、結果的に、答えが出る場合もあれば出ない場合もあります。「そんなことは考えても仕方ないし、非生産的だ」と言う人もいますが、僕はそうは思いません。
内田樹著『困難な成熟』(出版社:夜間飛行)には、
『答えがないに決まっているにもかかわらず、そのような問いを人々が飽きずに立て続けるのは、「答えを得る」ことではなく、「それについて考える」ことが知的に生産的であるということが知られているからです』
とあります。その通りだと思います。
このような、極めて個人的なテーマにアプローチしていく手法のひとつがコーチングと呼ばれるものです。僕の場合は、問題解決を目的とするコンサルティングでは主に「問う」スキルを、個人的テーマの探求を目的とするコーチングでは主に「聴く」スキルを使用して、みなさんの心の世界に向き合っています。
かつて僕は、
「自分の人生をこれからどんなふうに生きていこうか」
と考えて考えて、それでも答えが出なくてずっとモヤモヤしていた時期がありました。あるとき、偶然にも玉置浩二さんの『しあわせのランプ』という歌に出会いました。この歌の歌詞に、
『大切なことなんか 分かってくるんだから
好きなことを やっていきなさい』
という箇所があります。気持ちがずいぶん楽になった気がしました。
でも、この歌詞の中でもっと大事なことが歌われているのは冒頭です。
『幸せになるために 生まれてきたんだから
好きな人と 一緒にいなさい』
「好きな人と一緒にいる」というのは、「家族やパートナー、友人など大切な人と巡り合ったなら、一緒にいなさい」というふうに解釈することも出来ますが、僕はこのように考えることにしています。
「これから自分がやっていく好きなことは “誰かさん” に届けなきゃいけない。その “誰かさん” は、世界のどこかにきっと居る、と信じ続けて、その “誰かさん” の宛先をしっかり持っていなさい」と。そんなふうに考えた方が、もっと心豊かに、もっと知的に生産的になるのではないかと思っています。
今回はつい、僕自身の個人的なことを書いてしまいました。