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指示が伝わらない

 みなさん、こんにちは。井内 正博です。ご訪問いただき、ありがとうございます。

 このnoteでは、僕が実際にご相談を受けたことがある「職場のお困りごと」について、みなさんと一緒に考えていこうと思います。基本的には僕なりの考えを書いていきますが、よろしければみなさんのお考えもお聞かせいただければ嬉しいです。

 記念すべき職場のお困りごとファイル001は「指示が伝わらない」です。
 こういうケースはいろいろありまして、たとえば経営者であれば「会社理念や行動指針が伝わらない」、部下を持つ上司の方であれば「部下が指示通りに動いてくれない」などが多い傾向です。

 「指示が伝わる」というのはどういう状態なのかを考えてみると、指示を出す側(発信者)と指示を受ける側(受信者)が存在してはじめて完結する事象だということが分かります。これが大前提です。当たり前ですが、受信者が存在しない場合は「指示が伝わる」ことはありません。誰もいない空間に向かって、ひたすら言葉を放っているようなものです。
 実際の職場では受信者が居ないということはないので、職場で「指示が伝わらない」というのは、受信スイッチがOFFになっている場合や、受信スイッチがONになっているにもかかわらず受信者のアンテナがこちらに向いていない場合が考えられます。
 そこで、研修では「どうやって受信者のスイッチをONにさせるのか?」についてロープレをしたりします。あまり感心できませんが、受信スイッチをONにさせるために、職場で「コラーッ」と大声で怒鳴ってみると、受信者のスイッチはONになり、アンテナもこちらに向きます。でも、ハラスメントと言われてしまう可能性があるのでやめておいたほうがいいでしょう。

 経営者や管理職の方が考える最も良い職場の状態は、発信者が指示を出さなくても受信者が指示を仰ぎに来てくれるような状態、あるいは、発信しなくても社員や部下が主体的に動いてくれる状態だと思います。実際に「指示を出さなくても部下に主体的に動いてもらう研修」というテーマにしてみると受講者数が増えます。ですが、そんな他力頼みの職場は、そもそも管理職が存在する意味が無いのではないか、とも思うのです。
 ですから僕の研修では最初に、本当にそんな職場を作りたいと思っているのか、本当はどんな職場にしたいと思っているのか、について、あらためて理想の職場をイメージしてもらいます。するとほとんどの受講者が、「コミュニケーションが活発で情報が停滞しない職場」を理想としていることが分かります。つまり、「指示を出さなくても、ロボットのように部下が勝手に動いてくれる職場」を作りたいわけではない、ということに気付くのです。

 「理想の職場とは?」と問われると頭を抱えてしまいがちですが、そんなに難しく考える必要はありません。「この職場に居ると、ご機嫌になる状態」とはどんな状態なのかを考えて、できることから改善していけばいい。そんなふうに気楽に考えてみてはいかがでしょうか?

 次回、職場のお困りごとファイル002では、「言いたいことが言語化できない」について考えてみようと思います。


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