SE/SIerの個人タスク管理方法② -作業漏れをなくすために-
SE/SIerの個人タスク管理方法① ~若手編~の続きの内容になります。読んでいない方は、そちらを先に読んでください。
自己紹介
大手SIer企業で、14年で部長職まで昇進しました。
その経験をnoteに発信しています。
詳細な経歴は下記を参照してください。
「2.作業が不完全である」の対策
作業漏れが起こる原因は、仕事の抽象度が高いから
前回、『「1.作業を実施しない」の対策』を説明しました。
ただ、自分の中では真面目に作業を実施しているつもりなのに、
どうして〇〇の準備をしていないの?
△△さんには承認もらったの?
など、作業の抜け漏れを指摘されると思います。
このような指摘をされたときに「そんな指示は受けていません!」なんて思ってはいけないし、そんな発言することはやめてくださいね(笑)
実力がついてきたら、抽象度が高い仕事が任せれます。
あなたの上司は、あなたに期待して何をすべきか考えさえているのかもしれません。
抽象度が高い仕事を着実にこなすことで、自身の実力と評価を上げていきまます。
ただ、抽象度が高い仕事は作業漏れが発生しやすくなるので、「作業が不完全になる」という可能性が高くなります。
全ての作業には「事前作業」と「事後作業」がある
作業漏れを起こしやすい人の特徴としては、「事前作業」と「事後作業」の意識が低いことが多いです。
「事前作業」「メイン作業」「事後作業」の3点を常に意識するようにしましょう。
例えば、「友人と旅行に行く」というイベントがあれば、
事前作業として
友人と日程や行き先を決める
移動手段やホテル、訪問先の予約をする
etc
事後作業として
旅行費用の精算をする
写真などの思い出の共有をする
etc
このように「友人と旅行に行く」というメイン作業(?)でも多くの事前作業と事後作業があることは想像が簡単だと思います。
もちろん無計画な旅行も楽しいですが、仕事だとそうはいかないですよね。
具体的にSE/SIerの作業に落とし込むと
上記の例を具体的にSE/SIerのタスクに落とし込んでみましょう。
例えば、あなたが上司に「システムのテストについて理解度上がってきたから、次の案件では結合試験のリーダとして管理・推進をしてね」と言われたとします。
初めて結合試験でリーダをするので、どのように進めれば良いかは分からないでしょうし、その状態だと「作業の不完全」は多く発生するでしょう。
ただ、仕事である以上「作業の不完全」は可能な限り防ぐ必要があります。
では「結合試験の管理・推進」というメイン作業があるとすると、「友人と旅行に行く」と同じように、事前作業と事後作業を考える癖をつけましょう。
※本記事はテストの進め方を説明する記事ではないので、具体的な作業の説明はざっくりした説明になります。。
事前作業の考え方
「結合試験の管理・推進」の事前作業としては
①「人・モノ・金・情報」について整理する
②チーム内でテストの進め方を合意するための計画書を作成する
③タスク一覧とスケジュールを作成する
※上記の①②③は、私が若手時代に経験が乏しい内容の準備作業として、馬鹿の一つ覚えのように実施していた内容になります(笑)
①「人・モノ・金・情報」について整理する
これは、この記事を読むようなSIer/SEの方であれば汎用的に利用できるかと思います。
今回の場合は、具体的には下記を整理するでしょう
・人(内部結合時の体制や各メンバーの月別工数など)
・モノ(テスト環境、テストデータ、テスト実施場所)
・金(結合試験フェーズの予算)
・情報(input情報(PJ計画書を含む前工程までの資料)、テスト進捗や障害の管理方法、上司への報告方法)
②チーム内で作業内容を合意するための計画書を作成する
・結合試験計画書作成
①②の内容を記載しましたが、この記事を読んでいる人の中には、①についてはPJ関連資料に書かれていたり、プロジェクトマネージャーに聞けばわかりそうだけれども、②の「結合試験計画書作成」ってどうやるんだろう?って思った人もいるかと思います。
その場合は、「結合試験計画書作成」という作業の事前作業と事後作業を考えるようにしましょう。
最初に、メイン作業には事前作業と事後作業があると言いましたが、
事前作業にも1つの作業なので、必ず「事前作業」と「事後作業」があります。
自分が腹落ちしてイメージできるまで、「事前作業」と「事後作業」に分割していきましょう。
②の事前作業であれば、
②-1:過去案件の計画書を参考にする
②の事後作業であれば
②-2:計画書を上司にレビューしてもらう
となります。
このように分解すれば、上司や先輩に過去案件の計画書の場所を聞けばいいし、上司のレビューを確保するだけになります。
他にも「③のタスク一覧とスケジュールを作成するが分からない」とか、「①の情報整理ってどうするんだよ?」なれば、前工程までのタスク一覧やスケジュールはどのような資料だったのか調べるとか、過去PJではどのように整理していたか資料を探す・上司と相談すればいいだけです。そして作成したものを上司にレビューしてもらえばOKですね。
事後作業の考え方
「結合試験の管理・推進」の事後作業としては下記になります。
・結合試験が完了したことを報告する
これも事前準備の考え方と同じで、
「結合試験が完了したことを報告する」というのがよく分からなくても、準備作業として、「過去案件を調べる、上司と相談する」を実施すればいいし、事後作業としては「次フェーズを担当する人に引き継ぐ」とすれば良いでしょう。
恐らく、過去案件や上司と相談すると、「結果報告書を作成」というタスクが発生すると思いますが、これも「過去案件の結果報告書を調べる」という事前作業と「作成した結果報告書を上司にレビューしてもらう」という事後作業に分解できます。
まとめ
うすうす気づいている人もいるかもしれないですが、事前作業・メイン作業・事後作業というMECEに分けているだけになります。
もし、あなたが経験がある作業であれば違う切り口でMECEをして作業の洗い出しができると思いますが、本記事は経験が乏しい若手でも作業漏れをなくす方法なので、確実にMECEできる事前作業・メイン作業・事後作業に分けてタスクを整理する。
事前作業や事後作業も、さらに事前作業と事後作業に分解して作業漏れをなくす方法を伝えました。
おすすめの本
最近、偶然見つけた本に下記の本があります。
※本記事は収益目的ではないので、アフェリエイトではないです。
この本を読んで、会食・飲み会の名幹事になってほしいのではなくて、「お客様との会食」のために事前作業と事後作業を徹底的に実施している例になります。
pivotというYoutubeでこの本を知ったのですが、私が考えている「事前作業」「事後作業」を徹底して成功している方であり、私も思わず本を買ってしまいました(笑)
「3.作業が終わらない」の対策
「4.その他」の対策
少し文字数が増えてきたので、「3.作業が終わらない」の対策は次の記事にまとめたいと思います。
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