声を聴かせて<1>
取り返しのつかない
後悔と悲しみに
我を忘れんばかりの動揺
そんな折
「斎場はお決まりですか?」
と、尋ねられた
生者の居る場所に
死者が居てはならない
速やかに
然るべきところに
安置するべきなのです
やっと
親友のLisaを思い出した
彼女は医療従事者の職にあり
父のことを話した時
余命宣告に関し
アドバイスをくれていた
「ごめん」と
謝った上で
「斎場の見積もりを
取っておきなさい」
と、助言してくれていたのに
まだ時間があると
思い込んでいた・・・
また
自宅介護していたから
本人の居るところで
とてもじゃないけれど
そんな話、出来ない
何より
一緒に過ごせる嬉しさや
介護の忙しさで
取り紛れ
何の手も打ってなかった
・・それが仇となり
最悪のタイミングで
手配しなければならない
責め苦となりました
父を清めて下さっている間
私は大慌てで
泣きながら
混乱しながら
携帯で葬儀社をググる
喪失の痛みで
これまでになく
動揺しているがため
AIがチョイスした画面の
どこを開いても
同じフリーダイヤルが
出てくる
何故なのか?
理解できずにいた
後でわかりましたが
大きなコールセンターが
一括して
受けているようなのです
AIの阻害性です
一回検索すると
あらゆる場面に
葬儀関係の広告が
展開され
困りますね
地元の斎場名を
検索しても
同じ場所につながることから
そのうちに
ここが最初の
入り口なのだろうか?
と
掛けてみた・・。
たくさんの質問に答え
オペレーターが
最寄りのおすすめ斎場
二社ほどから
直接
ご連絡させていただきます
との、締め括りに
少なからず安堵し
コールバックを待った
涙と鼻水でドロドロになった
顔を拭き
その傍から
また泣いて・・
と、していると
10分ほどでC斎場から
連絡が来ました
先程と
ほとんど変わらない質問に
再度答えながら
ある場面でふと
違和感を感じました
C斎場と名乗りながら
神主がいるかどうか
C斎場に確認しますと
答えたのです
(当家は神道なのです)
何故、自社出入りの
神主やお坊さんを
把握していないんだろう?
空きがあるかどうかではなく
神主を抱えているかどうかを
確認するというのです
そこで、お尋ねしました
「C斎場の方なのですよね?」
「はい」と答えつつも
私は地元の斎場に連携する
コールセンターの
オペレーターです
???
これで二重に
コールセンターを
経由していることになる
また、地元の斎場には
辿りついてない
…のだった
「死去」に伴う
現実問題を
綴るシリーズになるかもしれません
喪主として直面した
事を書いてまいりたいと思います