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カネコアヤノさんの小さな小さなハンバーガー屋さんでのライブ

2023年7月9日日曜日。
うだるような暑さの中、夕方に近づくにつれてふと涼しい風が吹く。

小さな小さなハンバーガー屋さん。40人限定でHi,how are you?の原田さんとのツーマンライブとしてカネコアヤノさんの弾き語りライブが行われた。

会場はただのハンバーガー屋さん。控え室なんかはないし、店内に入るとカネコアヤノさんが白くて優しい色のワンピースとサンダル姿で座って外を眺めていた。

店内からの景色

会場となったハンバーガー屋さんは高台にあって景色がよく見渡せる。無機質に思えるコンクリートの建物も大きな窓があって周りの自然の香りや風の音、そんなものに包まれた建物だったのでとても優しく感じた。

お店の外観

ステージと観客の境目なんか無くて小さな場所にみんなが集まる。

Hi,how are you?の原田さんが小さなアンプにギターを繋げてマイク無しで歌い始める。曲をいくつか演奏してくれ店内にいるお客さんもスタッフもカネコアヤノさんも声を出して笑って楽しんだ。とてもとても最高の演奏で信じられないぐらい楽しめた。だけど絶対に1番楽しかったのは原田さんだと思う。演奏者には敵わない。嫉妬するぐらい楽しそうだった。

窓の前がステージ

原田さんの演奏でとても温まった雰囲気の後、カネコアヤノさんの演奏が始まる。「どうも、、」と言いながら小さな椅子に座る。アコギの一弦目ペグには小さなキーホルダーが付いていた。アンプも通さずマイクも使わず弦にピックを引っ掛けて目の前の空気にふわりと乗ってギターの音色と優しくて力強い歌声が店内を包む。華奢な彼女からは信じられないぐらいの声量で奏でられる歌は周りの自然に溶け込んでそれはもう特別なものだった。

普段はメディアを通して楽曲を聴いたり、ライブでもスピーカーを通して聴こえる彼女の声だけど、今日は何も通さずカネコアヤノさん自身から奏でられる歌や彼女の繊細な歌詞を直接私自身で受け止められて、なんて贅沢な時間なんだと心から思った。

当日のセットリスト
1.燦々
2.さよーならあなた
3.布と皮膚
4.季節の果物
5.春
6.光の方へ
7.ごあいさつ
8.きみをしりたい
9.やさしい生活
10.セゾン
11.星占いと朝
12.栄えた街の
13.閃きは彼方(リクエスト曲だったが2番の歌い出しを思い出せず、無音が続いたところ観客からの拍手により「あぁ1番だけで終わるパターンでも良いんですね。」となって終了)
14.アーケード(リクエスト)
15.グレープフルーツ(リクエスト)
EC .赤いタンバリン(BLANKEY JET CITY)(原田さんとカネコアヤノさん2人でニコニコ笑顔で歌った)

ツイッターでセトリを記載している方のメモを拝借しています。ありがとうございます。

1曲目が終わり120%の拍手を観客がおくると驚いた様子で「ありがとうございます。」と照れながらお礼を言う姿が印象的だった。普段はあんなに大きなステージに立っている人がこんな少人数のお客を前にそんな表情をするのかと驚き、違う世界の人だと思っていたのにいざ目の前にすると、とても自然で等身大の彼女だった。また、同じ人間なんだと感じられたのと同時に普通に生活しているのに日々注目されながら過ごしているのだろうと思うと胸が少し苦しくなったりもした。

別の曲終わりに拍手をおくっていると「目に汗が」と言って猫のように目をくしゃくしゃとした。私が知っている「目に汗が」は意図せず泣いちゃった時に使うのだけど、どうやら本当に目に汗が入ったらしい。なんだか抱擁のシーンを一瞬だけ思い出したけど全てを撤回して素直に彼女の言葉の意味を受け取った。

ライブの前半は陽が落ちる前、後半になる頃には陽が落ち街の明かりが後ろの窓からきらめていていた。日中のカラッとした青空から陽が落ちオレンジ色で店内が包まれ、暗闇の中に街の営みが灯りとなって現われた。そして私たちも一つの光りの中で素敵な歌を聴けた。

窓から見える夜景がとても綺麗だった

カネコアヤノさんが準備していたセットリストが終わったところで彼女からリクエストがあればと声をかけてくれた。リクエストで歌った「閃きは彼方」の2番目に入る前に演奏が終わり無音が続いたところで観客としては曲が終わったと思い拍手が起こった。そうすると彼女は「あぁ1番だけで終わるパターンでも良いんですね。」と言って笑っていた。2番目の歌詞をただ忘れていただけらしい。「アーケード」では自然と手拍子が起こってライブを聴くを超えて観客みんなで楽曲を1つにしている感覚になった。

原田さんは後半の演奏をカネコアヤノさんのアコギを借りて彼らしく温かい演奏をしていた。同じアコギでも演奏者によってこんなに雰囲気を変えられるのかと思ってツーマンは最高だとおもった。

ラストは原田さんとカネコアヤノさんで赤いタンバリンを歌ってくれた。ステージ後ろの小窓から2人が顔を出し仲良く首を横に振りながら歌ったり、2人でにゃんこスターの口をすぼめて両手をグーにする動きをしたり、2人共笑いながらそしてその2人を笑顔で見る観客含めこれは最高の瞬間だ!と分かるぐらい楽しく歌い過ごした。

ライブ後、カネコアヤノさんとお話しすることができた。今日のライブのこと、日々の楽曲のこと、この土地でライブをしてくれたこと、全てにおいて本当にありがとうございますと伝える事ができた。お礼を言えたことは本当に私の夢が叶った瞬間だった。最後2人で写真も撮ってもらったけどこれはちょっといきすぎたお願いだったかな?と思いながも快く撮ってもらえた。本当にありがとうございます。

帰り道、放心状態で夜の街をとぼとぼ歩いていると今さっきあった出来事が全部夢みたいで、それでも夢ではなくて、とてもとてもありがたい経験だったなと思うと嬉しくなって、両手で顔を覆いシクシク泣いてしまった。

この出来事を何にも上書きされたくなかったので誰とも会わないようとぼとぼ歩いて帰った

原田さん、カネコアヤノさん、企画してくれたスタッフの皆さん、BABY BABY HAMBURGER&BOOKSの皆さん、全員で最高に楽しんだ観客の皆さん、本当に本当に楽しい時間を過ごせました。大人がかいていい汗の量を超えてその場にいる皆さんと一体になれた最高な瞬間を過ごせました。ありがとうございました!!!

そして、あの最高な日を忘れたくない気持ちと、行けなかった皆さんに少しでもこの日の事を共有出来ればと思い書き記しました。長々と私の文章を読んでくれた画面の向こう側のあなたも本当にありがとうございました。

帰宅後もタオルケットは穏やかなのひとりでにを聴いて最高の気持ちを独り占めした

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