目の前の相手に無条件で信頼を寄せるということ
2020年2月16日
目黒にある高野山真言宗高福院にて、『共感と自由 演劇の身体知による実践』というタイトルでワークショップ講師をしてきました。副住職の川島俊之さんにお声がけいただいて今日の場が生まれました。
チケットは完売し、18名の方々にご参加いただきました。20代から50代以上まで、会社役員や経営者、会社員、精神科の看護師、翻訳と通訳のフリーランス、不動産賃貸の代表取締役、経営コンサルタント、福祉系の相談員、役者、ファシリテーターなど肩書も様々。
参加してくださった方々のおかげで、すばらしく信頼感に満ちたゆたかな場を作りあげることができました。
「共感」という言葉を再定義し、従来持たれているイメージとは異なる解釈を与えることで、そこから得られるものを体験型ワークで実践するというプログラム。
相手の感情に寄り添って肯定を示し、慰めるような共感的理解や積極的傾聴がいわゆる「共感」の一般的なイメージとして強いですが、それだと取れ高が少ないです。
目の前の相手に無条件で信頼を寄せることによって、互いの関係性のなかで愛を循環させてポジティブ・フィードバックを起こす、というのが今日実践した「共感」のあり方です。
アントニオ・ダマシオによる情動・感情・意識の進化、ミラーニューロンやオキシトシン、また変性意識状態の理論やメカニズムをざっと概説し、ギリシャ悲劇におけるカタルシスや能における離見の見、無位の位風などにもふれつつ、実践をメインとしてワークショップの場に来ないと体感・経験できない信頼のコミュニケーションと場づくりをしました。
「相手をちゃんと丁寧に見て、自分の好きなとこを素直に伝えるだけでも、相手との関係を変えられると実感した」
「普段しないことをたくさん、それも初対面の人として、世界への信頼感がUPした気がしました」
「仕事上(営業など)で使えると思って聞いていたのですが、最後にはもっと近い関係の人(家族など)との間でも、アイコンタクトしながら話をしないといけないと気付きました。これで家族円満になるかなー」
「目の前の人にきちんと向かいあう、そうすると、その顔の奥にある優しさとか照れとか、まっすぐさとか、本当にいろいろなものが見えてきて、ただただ美しくて、涙が止まりませんでした」
「人に対してこの短い時間でこれほど『好き』と言ったことがなかった。不思議な一体感を感じることができた。人の良いところを見つけようとする姿勢が相手にも伝わる」
「相手の瞳から安心感を得ることができました。瞳を見ているだけで、かなしみやあたたかさに心がうごかされました」
終了後のアンケートに書いていただいたこうした感想も(引用したのはほんの一部です)、ワークのコンセプトをとてもよく掴んで体験してくださっていたことがわかる言葉です。
昨年は自分でもよくワークショップを企画・主催していましたが、集客や会場のセッティングに気を回すことがぜんぜん好きじゃないので、今回のように集客のほとんどをお任せできて会場も用意してくださって、講師・ファシリテーターとして呼んでくださるような形はすごく助かりました。
身ひとつでどこへでもいってやれるので、こういう風に仕事をしていけたらうれしいです。お声がけください!