スペース・マウンテンの話
こんにちは。
2024年7月31日、東京ディズニーランドに開園当初からある「スペース・マウンテン」がラストミッションを終え、41年の歴史に一旦幕を下ろしました。リニューアルされた「スペース・マウンテン」は2027年オープン予定だそうです。
東京ディズニーリゾート好きを周囲に標榜している私としては、やはりここはスペース・マウンテンの思い出語りがしたい。ひとつめのnoteで「近況の言語化を目的とする」、みたいなことを書いた気がするなかで、いきなり思い出語りかよ、と思わなくもないですが、これも本日書くべき私の感情ということでどうかひとつ。
さて、41年の歴史があるスペース・マウンテンですが、私の中での歴史は6〜7年ほどとなります。というのも、私は幼い頃から絶叫マシンの類が大の苦手でした。
変化が訪れたのは大学生になった頃。高校時代に某アトモスフィアショーでTDLのショーやパレードにどハマりした私は、関東方面への進学を機に年間パスポートを購入し、1ヶ月に2回ほどのペースでインパしていました。基本は1人か同じショーパレ好きの友人と行っていたのですが、ある時委員会の友人とインパする機会がありました。
彼女らは普通の大学生だったので(私のようにショーを見るために3時間以上も同じ場所に座り続けるようなことをしない、という意味で)アトラクションに乗ることをメインに回ることにしました。「年パスを持っているのに、乗ったことがないアトラクションがあっていいのか?」そんな妙なプライドと普通の大学生と遊ぶ機会が重なって、とうとう私はマウンテンに登山することにしたのです。
絶叫マシンにおいて「落下」の要素が一番苦手であることがある程度わかりつつあったので、ビッグサンダー・マウンテンとスペース・マウンテンに挑戦することにしました。(ビッグサンダー・マウンテンに乗った時のことは別の機会で綴ります)
Qラインのオートスロープを登り、年季と謎の未来感の双方を感じる注意事項のお兄さんが映るモニターの下をくぐり、乗降口まで着いた時に私が目にしたのは、スペマン名物「15秒で乗降を完了し発車するシャトル」でした。噂には聞いていたものの、本当にこのスピードで発車しているのか、オペレーションが美しすぎる、と感動すると同時に、もし荷物を落としてこの完璧なオペレーションを止めてしまったらどうしようという緊張に襲われました。もうすでに未知のジェットコースターを前に不安でいっぱいなのにこれ以上プレッシャーを与えてくれるなと本気で思いました。
キャストさんに3人ですと伝え、いよいよ次は私たちの番。荷物を完璧に抱えて、脳内で乗車のシュミレーションを行い、15秒で乗り切る準備は万端。ゲートが開き、そそくさとシャトルに乗り込もうとしたその瞬間、
前に乗っていたゲストの靴が!脱げた!
安全バーに引っかかってしまったのか、ぽろんと脱げる靴、刹那、よぎるのは「シス調」の3文字、このお姉さんの思い出のひとつに自分が靴を落としたせいでスペースマウンテンが止まってしまったという記憶が収録されるなどディズニーパーク好きとして看過できぬ!
即座に落とした靴を拾い上げ、お姉さんに手渡します。お姉さんのありがとうございますのジェスチャーに応え、自分の荷物を抱え直し、着席、荷物を上に掲げ、安全バーをおろし、軽く上下し固定を確認。その瞬間、背中に軽い衝撃。
どうやらシャトルは無事に発車したようです。お姉さんの笑顔が守られて本当によかったと思いました。
ちなみに、その後のスペマン本編は、ものすごい重力に振り回されたものの案外平気でした。
その後、スペースマウンテンに乗るたびにあの15秒のことを思い出しては少し身構えてしまっていたのですが、そんなことももうできないのかと思うと、安堵を覚えるとともにやはり寂しさを感じます。
ありがとう、スペース・マウンテン。私に15秒で感じられる最大の緊張からの安堵を教えてくれて。でもやっぱりちょっとびくびくしちゃうので、帰ってきたらもう少しだけ乗降時間に余裕があると嬉しいな。