いってつの考え ~ブラケットの発表に際して~
「いってつの回答」はみなさんから寄せられた質問にいってつが個人的に回答するマガジンです。CFP、ウィザーズ、その他どんな組織の代表意見でもありません。あくまで個人の意見です。
ここで述べられた意見は時を経て《心変わり/Change of Heart》することがあります。
みなさんこんにちは!
CFPの最初の大きな仕事であった「ブラケット」が発表されました。
当然、みなさんのなかにはこれに大歓迎という人がいれば、否定的な考えを持つ人もいるでしょう。
私も正直に言えば、今回発表されたもののすべてに賛成したわけではありません。
そこでこの記事では、今回の発表に関連していってつが賛成していたこと、反対していたこと、今後の展望についてお話ししようと思います。
今回の記事は、『Introducing Commander Brackets Beta』『「統率者戦ブラケット」のベータテスト、始まる』を読了した方に向けて書かれています。ぜひこの記事を読む前にご覧ください。
大切なのでもう一度。
今回の記事は、『Introducing Commander Brackets Beta』『「統率者戦ブラケット」のベータテスト、始まる』を読了した方に向けて書かれています。ぜひこの記事を読む前にご覧ください。
読んでくれましたね?では始めましょう!
ブラケットを作るという考え:大反対だった
当初は大反対でしたが、いま発表されたものについてはおおむね気に入っています。敬意を振り返ります。
CFPの発足前からウィザーズから使用できるカードで各レベルを分ける「ブラケット」という考えが明かされていました。
その時点では私はこの考えに反対でした。10月01日の出来事です。
客観的な観点として、カード名を指名してそれを使うならこのテーブル、という分け方には賛成できない。
— いってつ/ittetu (@ittetu_) September 30, 2024
そのやり方、統率者戦がなくなって、新たに4つのフォーマットと4つのcフォーマットが生まれるだけだと思うんだよな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後私はガヴィンに誘われてCFPへの参加を決意します。
まず最初に私は、現在プレイヤーズコンベンションやコマンドフェストなどの大規模イベントを中心に日本で広く使用されている「4段階の嗜好にあわせたテーブル分け」を紹介し、以下のような意見を述べました。
プレイヤーが持っているのはデッキと「理想のゲーム像」。デッキの強さは相対的に変化するし、「希少なカード」の基準も人による。しかし「理想のゲーム像」は正直かつ確実に答えられるはずだから、それを基準にマッチングさせてはどうだろう。
この考えに反対する人はいませんでしたが、「具体的な手法・定量的な基準がなく、うまく機能しないのでは」という意見がありました。
確かに、「4段階の嗜好にあわせたテーブル分け」はある程度統率者戦に慣れつつある人にとってはわかりやすい指標ですが、「今日始めた人」にとってはとっつきにくさがありました。
当時、CFPでは「構築で使用できるカードによってマッチングする(ブラケット)」と「嗜好に合わせてマッチングする(サイコグラフィックス)」の両軸で議論が進められていました。私はサイコグラフィックスを支持していましたが、ブラケットにも前向きに取り組んでいました。この時点でもブラケットはあまり好きになれませんでしたが、それはそれとして、ブラケットを最良の形で世に出すならと考えて意見を出していました。
各ブラケットの構築ルールが現在の形に近いものに組みあがったころ、「このままではただの禁止リストだと思われてしまう。実際にはそれぞれのゲームで期待されるゲーム体験があるはずだ」との意見が出て、部分的に「嗜好に合わせてマッチングする(サイコグラフィックス)」のエッセンスを取り入れることが検討されました。
私はこれに大賛成です。私はブラケットによって統率者戦が単な別々の禁止カードを持った別々のフォーマットになることに反対でした。しかし、そこにサイコグラフィックの概念も加わり、「このブラケットではこんなゲームをしたいよね。そのためにもこんな感じの構築のデッキを持って集まろうよ」といった説明になりました。
ここまできて私はブラケットを受け入れるに至りました。成り立ちとしてはブラケットに最古グラフィックスのエッセンスを加えた形ですが、サイコグラフィックスの具体的な区分の手法にブラケット的な考えを採用したともいえると個人的には感じています。
今回発表された「ブラケット」は、10月に示されたブラケットのアイデアよりもむしろ、「4段階の嗜好にあわせたテーブル分け」に圧倒的に近いものになったと思います。
「ブラケット3ではゲームチェンジャーリストのカードを3枚まで使用可能である」というのも、各ブラケット間に多少のグラデーションが残されたことになり、ほどよいところに落ち着いたと考えています。
また、ゲームチェンジャーリストの概念によって、過去に「cEDHでは問題ないが、カジュアルでつまらないゲームを生み出していたので禁止」となったカードたちが再び日の目を浴びるチャンスが生まれたことも歓迎しています。
ゲームチェンジャーリスト:おおむね同意。ただし……
ゲームチェンジャーリストの内容についてはおおむね同意ですが、何枚か追加した方がいいかもしれないと考えているものがあります。例を挙げます。
《Mishra's Workshop》
《ガイアの揺籃の地》や《古えの墳墓》が入っているなら《Mishra's Workshop》も入っているほうが自然に感じます。
もちろんこのカードも検討されましたが、「このカードを持っている人は少ないし、このカードをカジュアルなテーブルで使用する人はほとんどいないだろう」との意見があり、なるべくリストを短くしたいという意図もあって今回はリストにのりませんでした。
《オパールのモックス/Mox Opal》
アドバンテージを失うことなく継続的に生み出せるマナを増やすカードです。《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》や《金属モックス/Chrome Mox》がリストに入っているなら、これもそこにあるべきでしょう。
禁止解除にむけた展望
いたずらに期待させたくないので、具体的なカード名の明言は避けますが、「ハイレベルなテーブルでは問題ないが、カジュアルなテーブルではやりすぎ」という理由で禁止推奨カードに指定されたものが何枚かあります。
そうしたカードを楽しくプレイしていた(されていた)人々のもとに、楽しいおもちゃを返すことができるのでは、と期待しています。
みなさんへのお願い
記事にもあったように、3月中にシステムの改修が始まります。
たMagic Conは事前に準備を進めることができましたが、日本国内で2月までに大規模なベータテストイベントを開くことは難しいでしょう。
ですから、私はみなさんからのフィードバックに期待しています。
ブラケットにのっとってデッキを構築してみたり、実際にコミュニティ内でマッチングしてみたりして、その感想を聞かせてください。疑問点があれば、質問形式でもかまいません。
Xのダイレクトメッセージを開放してあります。意見を送るかどうか悩んだら、ぜひ送ってください。きれいに整形されている必要はありません。すべてのメッセージにリアクションを返すことは難しいですが、すべて読んでいます。
それではみなさん、統率者戦のテーブルでお会いしましょう。
この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.
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