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「人情」と「暗い欲望」!!憧れの職業が登場する映画『グランド・ブダベスト・ホテル』『ナイブス・アウト』#30DayFilmChallenge
毎日連載五日目!今日もネタバレは無しでお送りします。
これまでの対談🦔👓
登場人物
ことイナリ(文中”🦔”) https://twitter.com/flandore
絵が描けるオタク。ゲームを作った。アニメを作っている。映画が好き。映画絡みの仕事が欲しい。
いってつ(文中”👓”) https://twitter.com/ittetu_
脚本が書けるオタク。ゲームを作った。アニメを作っている。映画が好き。映画絡みの仕事が欲しい。
DAY5『憧れの職業が登場する映画』
👓「僕はグランドブダペストホテルです!」
グランド・ブダペスト・ホテル
(原題: The Grand Budapest Hotel,2014,ドイツ・アメリカ)
少女が一人墓地を訪れる。国を代表する作家の眠る墓を前にして、少女はその作家の代表作を読み始める。作家はその作品の冒頭で「作家は物語を無から生み出しているとよく誤解されるが、実態は逆である。作家だとわかると多くの人々が物語を聞かせてくれる。作家とは他人の物語を物語る者であり、この物語も人から聞かされた物語だ」という。休養のためにさびれてしまった”元”一流ホテルに逗留していた作家は、そのホテルのオーナーであるゼロ氏から自身とホテルの物語を聞く。
グスタフというホテルコンシェルジュは徹底的なもてなしで常連客に愛されるホテルマンだった。ゼロは彼の元でベルボーイとして働き始める。そんな中、長年の得意客、マダムDが急死。遺産相続をめぐって、グスタフは故人の遺志で高額な絵画を相続したため、マダムD殺害の容疑がかけられてしまう。
ゼロのホテルマンとしての成長、恋、マダムD殺害事件の解明、ホテルとその名物コンシェルジュの行く末。たくさんの人生が絡まった物語を作家は遺した。
👓「僕はホテルコンシェルジュにあこがれるな。ホテルによってどこまでのことをしてくれるかは違うけれど、高級ホテルにまでなると舞台の席を抑えてくれたり観光案内だけではなくて、もっと個人的な御用聞きまでしてくれる。この作品に登場するグスタフは現場責任者的な役割も持っているみたい。高級ホテルのお客さんのいろんな要望を愛情を持って解決させていく、というのがホスピタリティと人情に溢れる素敵な仕事だと思う」
👓「物語の大部分はゼロの視点で進んで、自分の人生とホテル、周囲の人々との出会い別れが語られるわけだけれど、やっぱり人情味があって読後感がいい。コメディ色が強いけれどサスペンスとしても楽しめる。”いい映画を見たな”って思える映画だと思う」
🦔「youtubeなんかに上がっている予告編と実際の作品の印象はかなり違うので、とにかく本編を見てもらいたいね」
👓「結婚式のあとに泊まったいいホテルでコンシェルジュを一度頼ったことがある。レストランの予約を代行してくれた。本当は予約で一杯だったんだけれど、レストラン側と交渉して席をきちんと用意してくれた。夜十時ぐらいのことだったと思う。あれには感激したなあ」
ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
(原題:Knives Out,2019年,アメリカ)
著名な犯罪小説家ハーラン・スロンビーは多くの著作で富を築いていた。誕生日パーティの翌日に彼がナイフで喉が割かれた状態で死んでいるのが見つかる。警察側の見立てでは自殺と考えられていたが、私立探偵ブノワ・ブランが捜査に介入する。彼の雇い主は彼自身にも不明だった。
王道的なサスペンス作品であり、アガサ・クリスティの名作を思わせる魅力がある。脚本の妙に加え、名優たちの優れた演技が作品を濃厚なサスペンスに仕立て上げている。
🦔「僕は探偵にあこがれる。作品は『ナイヴズ・アウト』」
👓「そもそもなぜ探偵にあこがれるの?」
🦔「証拠をもとに理論を組み立てていくっていう営みが好きなんだよね。僕自身、創作もそうやって構想している。あとは......人の後ろ暗い部分を詮索したいっていう暗い欲望があるから......何かを暴きたいという欲求がある」
👓「それをしながらお金をもらえる探偵っていいなあって感じ?」
🦔「まあなれないけどね!」
👓「この作品の探偵はやだね。人を挑発したり、わざと気の利かない言動をとったりして相手がミスを誘う。日本でいうと古畑任三郎タイプ。ああいう探偵はやだね~~」
🦔「探偵ものはすきだけれど、そんな探偵に詰められる側になるのは絶対に嫌!」
🦔「この作品、人によってはすごく地味に感じてしまうと思う。探偵ものが好きならいいけれど」
👓「確かに俳優陣の派手さに対して画面は地味かも。主人公の探偵は007シリーズのダニエル・クレイグが演じて、『アベンジャーズ』キャップテンアメリカ役のクリス・エヴァンズも容疑者として登場することが宣伝でも押されていたから、007やアベンジャーズの感覚で見るとつらいと思う。僕自身、もっと派手なアクションがあると思った」
🦔「逆に言えば、見た目の派手さに頼らないまじめな探偵ものだってことだ。好きな人はすごく好きになれる。推理者が好きならぜひ挑戦してほしい」