特殊詐欺に引っかかって警察に行った
※10月19日、事件概要を修正しました。
画面に「トロイの木馬に侵入された!」と警告がでて、あと何秒の間にお電話を!と電話番号が出るやつ。あれに引っかかった知人に付き添って警察へ行った。
被害額は5万円で済んだけど、悔しさがすごい。
ネットで検索すると「特殊詐欺に引っかかららないために」とか「偽サイトを見分ける方法」とか、変な警告が出てもクリックや電話をせずに消して!という、引っかかる前の対処は溢れているけれど、お金払っちゃって詐欺に合った後の対処方法が見つからなかったので、備忘録としてここに残す。
事件概要
①インターネットを立ち上げたら、すぐに出てくるニュース画面の一つをクリックしたら警告画面が出た。
内容は「トロイの木馬に感染しました」「このパソコンはすでに70パーセントが機能停止しています」「電話してください」「ウィンドウズセキュリティーセンターです」
※本人から電話で聞きとったので正確性に欠けます。
②表示された番号に電話をかけると外国人が出た。一時間ほどの通話時間で3人ほどのカタコトを喋る外国人が電話を取り継いだ。
会話内容「パソコンを修理するために、5万円分のグーグルプレイカードが必要」「(画面に名前と男性の顔写真を出して)これが私なので信用してもらって大丈夫」
③パソコンの画面に何かを入力されるように言われ、相手がいうままにコマンドを入力した(本人談そのまま)
入力したら、相手が遠隔操作できるようになった。
④電話を繋いだままでコンビニにグーグルプレイカードを買いに行くように指示される。5万円のグーグルプレイカードを買い、自宅に戻る。
⑤表示された画面の入力ボックスに、グーグルプレイカードのシリアル番号を入力するようにと言われ、指示に従って入力した。
⑥相手に「今打ち込んだ番号が間違っていて、先ほどのカードが無効になった。UとYは隣り合っているので、あなたが打ち間違ったのだと思われる。もう一度コンビニへ行って、今度は10万円のグーグルプレイカードを購入してきてほしい。そうすれば、5万円を返金する」と言われる。
⑦金額が急に高くなったので「流石に10万円は無理です」と言うと、相手は「それじゃあ仕方ないですね」と言い、こちらから電話を切った。パソコンの画面は警告画面でフリーズしたままなので、困惑して私に電話をしてきた。
事後処理
事後処理といっても、警察へ行って事情を話して相談しただけになる。
まず、少しマズいなと思ったのは、被害にあった本人は私に電話をかけてきた時点で、詐欺被害を未然に回避したと思っていた。
初めに買ってきた5万円分のグーグルプレイカードは、間違った番号を伝えたから相手には渡っておらず、価値は手元に残ったままだと思い込んでいた。
簡単な流れ
①その場で警察に電話
住んでいる地域の警察署に電話して、特殊詐欺に合いましたとお伝えした。すると、電話でも対応できるが時間がかかるので、もしよければ明日(発生時間が夜九時頃だったので)来訪頂ければ直接伺いますと教えてもらう。
②警察を訪問
一階の受付で「昨日お電話した者ですが、特殊詐欺に合いました」と伝える。頼り甲斐のあるおじさん二人に聞き取りをしてもらう。
警察でのやり取り
・どういう状況?(見ていたホームページ)→ネットを見ようと思ったら一番に出てくるニュースサイトみたいなやつ
・どのパソコン?→このパソコン(持参)
・電話番号残ってる?→残ってる
・どんな風にカードを買いに行った?コンビニの場所は?→電話を繋いだまま、家の近所の○○店
・カードを買った時のレシートは残ってる?→家にある
・画面残ってる→残ってない
簡単なやり取りを終えたのち、警察の方が「聞き取りをした内容は、全て特殊詐欺に当てはまり、よくあるパターンのものです」と教えてくださり、買ったカードの写真や通話記録を撮った後、このような被害に遭わないためにできることについてお説教してもらいました。
持参物
①アクセスしたパソコン
②通話したスマホ
③身分証明ができるもの
④相手に番号を伝えたグーグルプレイカード
足りなかったもの
①カードを購入した時のレシート
②購入したコンビニの店名
③フリーズした画面の写真
お説教内容
①グーグルが購入者全てのパソコンをチェックしてることはないのだから、グーグルとかウィンドウズとか、それらしい名前が出てもすぐに信用しちゃダメだよ。
②セキュリティソフトはちゃんと入れてください。それで、ちゃんと更新してください。そうしたら、変なページを見られないようにしてくれたり、本当にトロイの木馬が侵入した時にはセキュリティソフトが教えてくれるし、嘘か本当かの判断材料になります。
パソコンを購入したお店に相談しに行ってください。
結果
グーグルプレイカードで支払いをしたため、日本の警察では捜査ができないので、犯人を捕まえたり返金を要求したりは不可能だ、ということでした。
グーグルへ捜査依頼しても、外国の企業なので無理筋なんですよねぇと。なので、今回の件は警察内部で共有して、広報や啓蒙に努めることになるとのことです。
特殊詐欺に合ったら?警察or消費者センター?
いい機会だったので、特殊詐欺の被害に合ったらどうしたらいいのか?と聞いてきました。今回は警察に電話したけど、これでよかったの?と。
A.警察に通報
警察の方が仰るには、警察は犯罪を捜査して犯人を逮捕することが仕事になるが、今回のようなケースでは警察に連絡をもらっても捜査したり逮捕したりが非常に困難なので、警察にできることは犯罪の手口を聞き取って把握し、共有して、対策や啓蒙活動に活かしていくことと、あとは被害に遭われた方が再び被害に遭わないように色々とお話しすることしかできない。
ただ、今どんな手口で詐欺が行われているかを知る必要はあるので、報告に来てくれることは大変ありがたいことです、とのことでした。
B.消費者センターに報告
一方で、消費者センターの役割というか仕事としては、被害に遭われた方の情報を集めて、怪しいサイトへのアクセスをブロックしたりとか、注意喚起をしたりとか、そういう役割になってくる。なので、消費者センターに被害報告をした後には、次は警察へどうぞということになる。
なので、どちらでも良いのだが、警察に来てくださったので合ってますよ。とのことでした。
最後に、これはマズかったなぁという私の反省
実は電話で第一報を受けた時、私は、知人が既に詐欺に引っかかってるとは思わず、変なサイトを見たせいで画面がフリーズして困っているのだと思い、画面を強制シャットダウンしてしまった。
シャットダウンしてしまうと、警告画面は二度と現れない。なので、警察に行った時に「画面が残っているか?」という問いに「シャットダウンしてしまいました……」と項垂れることになった。
画面が残っていれば、警察の人が確認をしてくれるので、残しておいた方がいいと思う。
警察から帰宅して、今
知人の年齢は独居の後期高齢者なのだが、まさかマジで詐欺に引っかかる人が知り合いにいるとは思わなくて、結構びっくりした。
もっと早い段階で防げたきっかけはあったと思う。たとえば、警告画面が出た時点で同居の家族や、頼れる人に相談ができればよかった。けれど、気軽に相談できる人がいなかったので、一人で解決しようとして詐欺に引っかかった。
自分でちゃんとやらなくちゃ、みたいな意識もあったと思う。60年を会社で勤め上げて、他の同年代に比べればパソコンも触れるのだから、自分でちゃんと解決しなくちゃって思ってる人だった。そういうちょっと柔らかいところを突かれたなぁという気持ち。
それと同時に、詐欺に引っかかった人がどんな風に進んでいくのかを間近で体験できて、こんな風にお金を搾り取るのか!と少し感心している。
実際に詐欺を目の前にして、じゃあ被害に合った後はどうしたらいいの?と困ったので、その体験を誰かに残したくて記録しました。誰かの助けになれば幸いです。
【追記】パソコンの後始末
遠隔操作周りのことがどうも不安だったので、共通の知人に事情を引き継ぎ、付き添いをお願いして当該パソコンを購入したパソコンショップに行ってもらいました。
私は仕事で一緒に行けなかったので、ここからは伝え聞いた話になります。
途中、本人が供述を翻し「何も触ってないのに勝手に遠隔操作された!」と言い出しましたが、ショップの方が「ありますよね〜」と受け流して下さったおかげで、満足してお任せできるようになったみたいです。
バックアップを取り、万全を期して初期化もして下さったそうで、これで後始末は完了となりました。
この後は、セキュリティソフトのインストールや定期的な更新など、今回の教訓を今後に活かせるか?という問題になり、こればかりは本人に己と戦ってもらうしかなさそうです。
自身の教訓として
相談しやすい環境づくりが大切だなぁというのは強く感じました。具体的には「普段から心がけて、ミスを打ち明けられたり事実と違うことを報告されても、頭ごなしに否定しない」です。
もっと普段から、頭ごなしに否定しない、相手の自尊心を傷つけないような会話を心掛けるべきだったなぁと……。
そしたら警報画面が出た時に、詐欺電話番号ではなく私に電話してくれたかもなぁと後悔しています。
普段からガミガミ小うるさく言ったり、小さな齟齬を指摘したりすると、問題が起こったときにもそれが頭を過って、自分で解決しようとしてしまうのかな?って。それで、ようく周囲が気づいた頃には手遅れになってる。今回がまさにそんな感じでした。
パソコンショップの方の、柔らかく受け流す、という対応がとても印象的です。
「相談をしてもらえる姿勢」というのがあるんだと知りました。
ある程度の他人事感というか、鷹揚に受け止める態度というのも、誰かの悩みやミスの受け皿となるためには必要だなぁと思いました。
この手の特殊詐欺に関しては、なによりも「起こる以前の人間関係作り」がものを言うという印象でした。
これが今後に活かせるかどうかは、私が私と戦っていくべきことです。