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鹿又川発電所堰堤(かのまた、福島県いわき市)

●概要
東北電力鹿又川発電所の取水堰堤。堰堤名は仮。
竣功:1921年?  型式:G  
目的:P
   取水量0.835㎥/s
   有効落差112.12m
   最大出力680kW


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:不可 


●参考リンク・引用

https://www.tohoku-epco.co.jp/power_plant/pdf/water_all.pdf

https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/10225.pdf


●道中

(地理院地図より)
夏井川、福島県南東のいわき市を流れる二級河川。
渓谷が美しく、紅葉も見事なのだとか。
河口から上流部まで磐越東線が並走しており、道中隧道や
橋梁も楽しめる。
そんな夏井川は古くから水力発電も盛んなようで、
最上流部、多分水系最古の1916運開、川前発電所から
下流、塩田発電所まで本流では5基(支流含めると10基)の発電所が稼働している。
(地理院地図より)
そんな本流発電所で唯一、支流で取水するのが鹿又川発電所。
取水先は鹿又川。夏井川第二発電所堰堤のすぐ上流に注ぐ支川。
放水先は夏井川本流となっている。
鹿又川の入口。道はまあまあ狭く暗いが、どうにも離合できない程でも無い。
堰堤はそんな道沿いにあるのでまず見落とさない。
右岸側に沈砂池だが、まずは堰堤を。
堰堤。発電所自体は1921運開という事で期待したが、そこには改修済であろうコンクリ堰。
堤体ズーム。
上流から。
土砂吐ゲート1門のシンプル&スタンダード設計。
この辺も多分改修済なんだとは思うが、既に貫禄。
これから今の堤体も渋みを増していくのだろうと感慨。
取水された水は道路を潜って沈砂池へ。
水路は美しい弧を描いている。
水路&沈砂池接近。
沈砂池接近。
ココも大部分は改修済であろう事が予想される姿。
沈砂池下流側から。写真中央少し右に排砂門があり、その先は勿論鹿又川。
・・・と、道路を潜る排水路入口は当時モノっぽい?
こういうのって、
●費用も納期もかかるしまあ使えそうだしココはそのまま残しておくか~
…という仕方ない理由で残ったのか、
●せめてココは歴史を示す当時の姿として残しておこう!補強すればまだ使えるし!
…と前向きに残されたのか、いつもちょっとだけ気になる。
そんなこんな水路は続く。ココからは道路との標高差も開く。
ちなみに水路は入口から立禁だった。
続いて発電所へ・・・。
む?!
なんと現役木造!これはさすがに当時モノ!!
そして鉄管脇に、縦書きで!こんなのは他で見たことが無い。
この看板、脚の長さを少しずつ変えており、程良い位置から程良く読めるような工夫が施されていた!
見られる事を意識したであろう作りにニヤニヤが止まらない。
建屋に接近。近づいてみると、側壁の4割ぐらい下部については、地面近くのコンクリが新しく、木板張りも恐らく新調されている?それでも板張りなのはナイス。
上の方も塗装が剥がれつつ。どのくらいまでセーフなのか知らんが、ともかくこういうのは早めに見ておくに越したことはない。
入口看板。味わい深いフォントにニンマリ。
左から廻り込んで上流側へ。
鉄管上に橋が架かっており、行き来できる。
鉄管を見上げる。細い!
現地銘板によれば1960年と1982年の取替えを経て今の姿に。
鉄管はコンクリへと潜り、
建屋内へ。
発電所を後にし、夏井川へ。緑に覆われ見落とす所だったが、写真右に放水口がある。
ズーム。
放水口下流側を眺めると、
堰堤の姿。
ここで取水された水は、夏井川第二→第一→第三→塩田発電所と利用されていく。
お邪魔しました~


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