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鱒溜ダム(ますだまり、広島県安芸太田町)

●概要
一級河川太田川本流、中国電力土居発電所の取水ダム。
竣功:1938年  型式:G  
目的:P(最大取水7.6㎥/s・有効落差129.6m・最大出力8,200kW)
堤高:19.2m  堤頂長:98.0m
流域面積:146.8k㎡  湛水面積:0.09k㎡
総貯水容量:455万㎥  有効貯水容量:21.5万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:不可
※多くはないが一定の交通量。少し離れた路肩スペースに駐車が吉。


●参考リンク・引用


●道中

(Googleマップより引用加筆)
中国道、戸河内ICに近づくと視界中央に鉄管が見えてくる。
これが中国電力土居発電所の水圧鉄管。
戸河内ICを下り、接近。奥に見えるのが土居発電所鉄管。
手前の堰は正地堰堤で、吉ヶ瀬発電所の取水を行う。
更に接近。見通しは非常に良く、鉄管が上から下まではっきり見える。
一番手前に見えるのは柴木川第二発電所で、向かって右の山から鉄管が下りている。
という事で、ここは土居・柴木川・吉ヶ瀬発電所関連の設備が密集する激アツ地帯…!
本題の土居発電所へは橋が架かっており容易に近づく事ができる。
思った以上にガッツリ接近できる上に視界も抜群。
数多ある発電所の中でも屈指の開放ぶり?
鉄管ズーム。
3本ある内の向かって左は余水と思われ、直下でクイッと曲がっている。
右のシイタケは換気口?
手前の蓋は位置的に放水路?
放水口は先の橋から見えるが分かりづらい…(ちょうど川が見切れる辺りに放水口)
放水口ズーム。
放水口別角度ズーム。こっちから見ると放水の様子が分かりやすい。
(地理院地図より引用加筆)
で、この土居発電所の唯一の取水元が鱒溜ダムなワケだが、
途中に3本の水路橋またはサイフォンがある模様。
他2本は未踏(そもそも行ける??)の為、
ここでは一番規模が大きいであろう田吹地区の水路橋を紹介。
こちらが田吹水路橋。
近代土木遺産Bランクだそうで。長さは130mほど。
上流側から。
接近。素晴らしい眺め。
水の流れも確認できた。
水路橋上流側。
下流側。地図の通り、北へと少し曲がっていた。
鱒溜ダムへ行くにはまたまた土木遺産の出合橋(1955年竣功)を渡る。
ここを渡れば太田川本流沿いを、渡らずに北へ進めば柴木川沿いを走る。
2020年に土木遺産に認定されたばかりという事で、
この日は横断幕が見られた(現在は横断幕撤去済)。
斯くして出合橋を渡り、道なりに進むと放流看板。
2基分が併記されているのは珍しいかも?
さて、引き続きそれなりの隘路を進むと、鱒溜ダムが見えてくる。
ズーム。ツギハギ堤体から滲み出る貫禄…!
維持放流中。
ダム左岸。狭いので車は離れた所に。
美しい全面越流堤体。
土砂吐下流側。やや視界は厳しい…
冬枯れ時期ならそれなりに見通せる。
右岸上流側。土砂吐の向こうにも越流部がある。
さてこの鱒溜ダム、左岸からも何やら放流が確認できるワケだが、
上流側はこのようになっている。
上流へと進むと、まず土居発電所の取水口が見える。
取水口ズーム。
更に進むと沈砂池が現れる。これが先程の左岸放流に繋がっている模様。
太田川沿いを流れるこの水路は、清水バイパス水路との事。
打梨発電所放水&鱒溜ダム湖をショートカットする形で下流へと流れている。
現地看板によれば、この清水バイパスがメインの維持放流で、
不足分が先に挙げた右岸土砂吐からの放流との事。
更に上流へ進むと打梨発電所(立岩ダムで取水)が見え、
直下で先のバイパス水路分を取水している。
取水口ズーム。水の流れが確認できた。
先の通り、打梨発電所の放水口は清水取水口より下流にある。
(写真奥の建屋が打梨発電所、中程左が放水口、右は清水バイパス)
そんな右岸側を下流方向に進むと、、
対岸からも見えた土居発電所の取水口に到着。
鱒溜ダムとの位置関係はこんな感じ。
ともすれば全面越流堤体は上流からのインパクトに欠けがちだが、
紅葉に包まれ凛とした姿だった。網場も良きアクセント。
土砂吐&トラスな管理橋。
更に下流へと歩くと、
意外にもダム真横まで行けた。
さすがに管理橋は渡れないが。
対岸には清水放流がよく見えた。
右岸側越流部。うねるような造形と苔がビロードのような美しさ。
波返しもたまらん。
下流側は即、森でこれが限界。という事で退却。
どうもお邪魔しました。


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