ランボーと食欲
20220906
火曜日
会社に着く直前にお天気雨に見舞われた。さっぱり〜
朝。
N「いっつー、加工出来る時間出来たら声かけて。快速急行社(というお客さんの注文数が)すごいんだ」
もちろん快速急行社ってのは仮名。
昨日でキリついたのかと思ってたな。
がんばれー。
11時30分。
ランボーにフィルム(印刷の元絵)チェックを依頼した。
ちょこっと説明を入れて、後はよろしくー!をしてわたしは自分の作業に戻った。
ランボーに「トイレ行って来ます」と声をかけられた。
ランボーはいちいち自分の行動を報告してくれる。
報告して欲しい事はしてくれないが。
一度おトイレに行くと、いつも忘れた頃に戻って来る。
三代目からランボーは時間稼ぎする癖があると聞いているから、それか?という疑いもあったが、
どうやらズボンのポジション(食い込み?)にこだわりがあるらしく、それが決まるまで出て来れないよう。
なので、ランボーがチェック終えるまでの時間は
『遅いだろうなと予想した3倍』+『ズボンのポジション』
ということになる。
半日終わるど。
昼休憩明け。
Oがランボーに話しかけると、ランボーは飴を口に入れてるのか、モゴモゴと喋っていた。
ご飯食べたばかりなのにもうお菓子タイム。
最近ランボーの食欲がすごい。
前までは宗教上のあれなのか、断食しているイメージが強かった。
タバコ代を残して給料のほとんどをお布施しているからご飯が買えないと噂を聞いた。
稀に昼食を食べてても、小さい丸いおにぎりを1つラップに包んで持ってきて、それを一口で完食していた。
食べ終わるのが一瞬過ぎてわたしはそのおにぎりを見た事がない。幻のおにぎりだ。
何十年もずーっとそういう人だった。
弊社は弁当業者1社と契約している。
ランボーが先週、初めて業者の弁当を頼んだ時の衝撃は凄かった。
みんな天変地異が起きたかのようにザワザワしていた。
わたしも目を疑った。
ただ弁当を食べているだけなのに、何か怖い事が起きるのではと怪しむほどだった。
残業前の休憩ではお菓子も(煎餅とポテチ系の食いつきが良い)よく食べている。
これは会社の金(後払いだけど)で食べられるお菓子だからどんどん食べてくれていいのだが、
15分休憩なのにガッツリお菓子を持って行って時間を忘れて食べている。
夜ご飯のつもりでここで食べて行っているんだろうと我々は勝手に解釈している。
だからズボンのサイズが変わって具合が悪いのでは……?
14時。
ランボーはまだフィルムチェック中。
この時点で時間をかけ過ぎだが、わたしはチェックしてくれれば何でもいいので口を出さない。
足の付け根のズボンの食い込み具合が悪いのか、頻繁に椅子から立ち上がって食い込みを入れ直している。
私はチェックしてくれれば何でもいいので急かさない。
残業前の休憩。
取締がパウンドケーキを持ってきてくれた。
取締「抹茶とアールグレイとコーヒーどれが良い?」
どれも苦手。
アールグレイはケーキならいける可能性もあると思ってそれを選んだ。
結果、難なく食べられた。
しかしその隙に、ランボーが泥棒を働いたかもしれない所を取締が目撃していた。
取締「ランボーさん自分でクッキー持ってきてるんだ。赤いやつ」
わたし「え?赤いのってお菓子BOXに入ってたやつじゃないですか?
ほら、この前クッキーサンドの上のクッキーだけ食べられてたってやつ。
あれ赤いですよ。2パック入ってて1つは未開封のままだったんです」
取締「家に持って帰るの?って聞いてみようか?」
疑惑の段階で突っかかりすぎてもなと思い、確証がないんで……と取締を止めた。
後でボスに話すと、「現行犯じゃないと平気で嘘つくよ」との回答。
確かに。
怒られそうになると「初めからそうでした」とか「いえ!」とか堂々とバレる嘘をつく。
嘘なのか都合良く耳に届いているのか知らないけど。
つまり、ランボーが自分のロッカーに仕舞ってしまった時点でもう捕まえようがないと。
わたし「甘いのそんなに好きじゃないって言ってたのに。
やっぱりこの前の片側だけクッキー食べたのランボーさんじゃないですか?」
ボス「笑」
わたし「疑惑が再燃した」
クッキーサンドのクッキーの片側だけがなくなった事件。
筒状の包装紙に入っていて、それぞれ上から順々にクッキーサンドを取っていった。
クリームとクッキーはしっかりくっついているので、力を入れて剥がそうとしない限りはクッキーは取れない。
だから剥がしたのはわざとか、そういう商品を知らない輩の仕業。
片側のクッキーだけ食べたの誰よ?となった時、そんな変な食べ方するのはランボーじゃないかと疑っていた。
このお菓子が、クリームを挟んだクッキーという事を知らない可能性が1番高いのがランボー。
だからそういうものだと思って片側のクッキーだけ食べた。
製造工程でのミスの可能性もあるから本人には何も聞かなかったけれど。
そのクッキーサンドのパッケージが赤いのだ。
余程お気に召したらしい。
会社のお菓子を勝手に持って帰るのは知った事じゃないけど、
クッキーサンドを食べようとしてサンドされてないクッキーサンドが自分の番だった時のショックは許さない。
この話を、タバコ組で別休憩だったN、Oにも話した。
わたし「感謝してる体で『持って行ってくれたの?』って聞けば引っかかって『はい』って言わないですかね」
N「『ランボーさんさー、もしかしてクッキー持って行った?』」
わたし「それだと嘘つかれるんです」
N「そっか笑」
O「ランボーさんハサミでシュレッダーみたいな事やってんのね。
トイレ出てきた時、窓からジッと見ちゃった」
わたし「たまにチョキチョキやってますよね。背後からあの音がして怖いんですけど」
ボス「ダメだよ。シュレッダー壊したからランボーさん使用禁止だもん」
全員「「「あー!あった!」」」
わたし「何やって壊したんでしたっけ?」
ボス「紙入れ過ぎでシュレッダー動かなくなっちゃった。
殿(社長)から修理終わるまでランボーは帰るなって言われてた。連帯責任でシールも一緒に残されて笑」
ランボーは機械と相性がすこぶる悪い。
相性の問題ではないけど。
その当時、まだランボーはシール部門のマー君達の所属だった。
事務所のシュレッダーをランボーが壊し、
激怒した殿に連帯責任を取らされ、業者が来て直すまで帰れま10だった。
連帯責任……隣の元上司がいた頃によくさせられたな。
張本人が1番他人事になるやつね。
これは良くないよ。めちゃくちゃ空気悪くなるから。
クッキーサンドの話に戻るけど、このまま知らぬふりをして助長させてはいけないから、
今度探りを入れてみるらしい。
クッキーサンドは正しく食べろと。
(泥棒のことだ)