ほぼ監査の日
20221222
木曜日
今日は9時半から快速急行社(仮名)さんが監査じゃないけど"ほぼ監査"みたいな感じで来る予定。慌ただしい。
他県から来て、他も回る予定というので、今回は午前中までの"ほぼ監査"。
新人さんの工場見学も含まれているらしい。
天気娘(ウェザーガール)はこういうイベントを張り切る人で、
「こういう説明をしたいから材料用意して」と言いに来て、「それ社内機密だから」と営業のボスに止められていた。
10時過ぎ。
大雨の影響もあってタクシーが捕まらず、約束の時間より大分遅れて快速急行社さんが到着した。
その中の一人がタクシーにスマホを忘れたという。会社の支給スマホ。
今日はツいてない日なんだろうな。帰りに傘でも忘れて行きそう。
先に我々のフロアの"ほぼ監査"は終わり、"ほぼ監査"の一行は、一階の現場へ移動向かった。
スマホは戻らないままだが、気は大丈夫だろうか。
N「若かったよね?」
O「来た人の顔見てない」
N「若かったよね?」
わたし「マスクだから分からないけど若そうでした」
N「よく大企業に入れたね。優秀なんだね」
わたし「携帯忘れるくらいだから代わりに何か飛び抜けてるんですよ」
O「そうかそうか、じゃないと入れないか」
わたし「天才はそうっていうから」
N「……いっつー、良いこと言うね」
わたし「良いこと言いました?」
なにを。
午後。
"ほぼ監査"に張り切っていた天気娘のお手伝いに行った。
そこで、Tナカが盛大に愚痴っていた話を聞いた。
取締が急にH社の処理の事を教えて貰おうかな、と言い出したという。
天気娘はいつも前置きの話がないから理解するのに時間がかかるのだが、今回はすぐにピンと来た。
一昨日、Tナカが取締に引き継ぎを断られた件の続報だ。
一昨日のTナカ「H社さんは複雑で、新人さんには難しいと思うので、とりあえず取締さんに引き継ぎたいと思うのですが」
一昨日の取締「あたしは引き継がない。新人さんに引き継いで」
昨日の取締「H社の処理のこと教えて貰おっかな〜」
整理するとこういう流れだったみたい。
取締は判断力を持ち合わせていないから、自らが考えて行動したことではない。
殿(社長)が介入したか、もしくは、Tナカがボスに報告しているのを知り、自分がやった意地悪の回収に来た。
そのどちらか。
知らないけど知ってる。
以前いた”隣の元上司”という人によって作られた作業マニュアルがあり、Tナカはそれを見ながら新人さんに教えていたという。
大嫌いな”隣の元上司”が作成者なのもあって、取締は文句ばかり。
文句で割って入って来て引き継ぎの邪魔をしてたらしい。
簡単にしかこちらには伝わっていないが、実際にはもっと壮絶な状況だったんだと思われる。
おそらく昨日Tナカがボスに報告していたのはこの件だ。
残業。
帰れそうだったのにお隣の部署のNに引き留められた。
ついでだからボスに快速急行社の"ほぼ監査"の様子を聞いてみた。
タクシーに忘れたスマホだが、途中でタクシーの運転手さんが気がついて持ってきてくれて無事だったそう。
そしてわたしの予感。傘だが、案の定持たずに去ろうとしたのでボスが声をかけると、
雨男なのに今日は大丈夫だと思って傘を持ってこなかったらしい。
いや、すっごい大雨だぞ。バケツをひっくり返したような。
やっぱり他の能力が飛び抜けてるのかもな。
"ほぼ監査"の一行が天気娘の部署に向かった時の出来事。
プレスの部署に一行が向かうと、天気娘が営業を押しのけて自らお客さんに説明をし始めたという。
その部署ではランボーがある機械の前に座って淡々と作業をしていた。
ランボーはとてもこだわりが強い人で、椅子に座った時の足の角度にもこだわりがあり、お手製の足置きを愛用している。
天気娘はランボーが作業している機械の説明をしたかった。
だからランボーを退かせようとして、いきなり椅子の背もたれを掴み、椅子を回転させた。
両手は台に手を乗せたままのポーズで横を向いたランボー。
先に書いたが、ランボーはこだわりが強い。
上半身が横を向いても決して足置きから足を離さなかった。
冗談みたいな格好となり、ランボーはゆっくり丁寧に左足、右足の順に足置きから足を離し、カニ歩きで移動した。らしい。
平和だなぁ。
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