![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/151649526/rectangle_large_type_2_a993a6c6a6810aa125a55ec78c730610.png?width=1200)
表面を取り繕うのに裏面は気にしていられない
20230511
木曜日
定時後のミーティング
最初の5分は殿(社長)のお話があるという。5分ってことは15分は持っていかれるかもな。
ベッキー達が仕事の幅を広げると言わないから殿もしつこくミーティングに顔を出している状態。
殿が諦めるしかないと思うな。
殿「営業さんの報告では、引き続き受注状況は安定しています。この先どうなるか分かりませんが、快速急行社さん(売り上げの要)の事だから減ることはないだろうと。
バタバタ感がある中で、時間が出来た時に、動かしてみながら、これいいねとかやってもらえたら。そう言うことを頭に入れてね。
あと在庫とか整理したいんですよ。5年出なければ廃棄するとお客さんに言ってもらっていいんです。あんまり出ないのは1ロットだけ残すとか」
在庫置き場が大変なことになっている件で、ジャンジャカ捨てて良いと号令がかかった。
それだけではどうしようもないくらい在庫で溢れているんだけどね。
殿「あと皆さんから私に何かありますか?何か……気になっていること」
ボス「何かありますか?」
殿もボスもベッキー達を見る。ベッキー達にしか言っていない。
ベッキー達「…………」
殿「じゃあとりあえずは何か出たら言ってください!」
ボス「はい、わかりました」
やっぱり1人で15分くらい喋っていた。殿は去った。
ボスの定例会議の報告が終わり、言いづらそうに次の話題へ。
ボス「はい、じゃあ定例会議のはここまでで、入出庫履歴が残り少ないので、新しくこの内容で注文したいと思います……。
この上に置いてみたけど、目立つか分からないけど(笑)」
ベッキー達がどうしても検査での諸注意を履歴に表示したいと言うので、履歴の上に小さく諸注意を置いてみた。わたしが。
これは2つで1セットの製品だから気をつけてね〜とか、員数不足の注意を促すもの。
ボスもわたしも「最初に図面や仕様書で確認すればいい。検査後の履歴で注意促しても手遅れじゃない?」という意見を持っていたが、
絶対に履歴に注意喚起を入れた方が良いと言うので、上に小さく置いてみた。
わたし「これにマーカー引けば大丈夫だよ」
ボス「うん」
わたしはこれ以上履歴に余計な文言を増やしたくない。だって履歴だもん。これでGOしよ。
ボス「マーカー引いてあげて、呼びかけをする……もうそれしかないかなーと思うんだけど……」
ボスもこれで終わらせたい。
ボス「……ていうとこです。何かあります?」
ベッキー達「…………」
殿が「俺に何かありますか〜」と意見を募った時とは違って、今回は何か言いたげな空気が発生した。
もっとドカーンと注意喚起して欲しかったんだと思われるが、これ履歴だから。在庫数を記入するだけの紙だから。
わたし「……まだ直せる」
ボス「直せる」
我々は配慮を見せる。
ベッキー達「………………」
ウンともスンとも言わない。
終業後の井戸端会議で爆発させるために気をためているところかもしれない。
後から言わんでくれサイヤ人よ。
ボス「一応こんな感じで、前回どのくらい頼んでたんだろう。9年使ってるから……5000枚くらいかな?」
これでパートの方もOKならGOという事になった。ふぅ。
ボス「はい!そんなところですね……えぇーっと、前回ちょっと中途半端になったんで、前回話し合った、人の動きっていうところで、ちょっとパートさんからも、パートの女子キムさんが快速急行社チームに移っただけ?って言われて、
話が上手いことまとまらずにっていう説明はしたんだけど、
ヤレバ・デキルジャンさんが快速急行社チームで、
ベッキーさんが一般チームで、ポニテさんがG社チーム、という感じで、とりあえず決めて動いてみようって事だったん、だけどぉー、えーどーんな感じでしょうか?っていう」
ベッキー達の動き(気持ち)を知るために気を遣った話の流れ。
この「話の流れ」という話術は羨ましく思う。
が、ベッキー達にも意図が読まれてるだろうからあんまり今日のは上手くない。(できない奴が言うな)
ボス「で、よくよく考えたらNさんの量が随分軽く、軽くって言ったらあれだけど、
業務的な動きをヤレバさんがカバーしたり、ベッキーさんがカバーしたりっていう事になるんだけど、(そういう動きをしてよね、という圧)
じゃあNさんがその代わりにってところで、ちょっと考えたの。
ヤレバさんはそのまま快速急行社で。
ベッキーさんを一般じゃなくてH社とか……どう?」
O「パートの時にちょっとやってたしね」
N「Oヤンの所フォローする人いないもんね」
Oが休んだらみんな出来ないってこと。
ボス「そう、だからそこにベッキーさんに入ってもらって、H社だけだと少ないなら、同じくらいのU社も持ってもらってもいいし、そういう動きはいかがでしょうか?」
O「H社の系列会社は全部やり方同じなんで」
ベッキー「ぇ、その先はやって、ない、です。注文入ってきたのを出荷してるだけなんでぇ、入って来る物の一覧を出してくれているのはOさんなんで」
O「製品番号とか単価を調べてもらって、単価変更とかで営業さんが止めてるのもちょいちょいある」
ボス「小町さん(営業)とOヤンの馴れ合いじゃあれだから、ベッキーさんが行った方が良いと思う。
ベッキーさん今まで関わった事ないから小町さんもビシッとするんじゃないかな?」
O「ほんとー?」
ボス「『小町さんどうすんですかこれ?進みませんよ』って。Oヤンが言うと、うるせーな、になるけど、ベッキーさんが言うとまた違うんじゃないかと思うのよ」
O「そうかな!?」
わたし「わたしは小町さん結構やりやすい営業だと思ってますけど」
ボス「ほら、Oヤンにだけ慣れ慣れなのよ。で、ベッキーさんなんかは、『あたし、遅くまでいませんからね』って小町さんを急かせば良い。
そしたらベッキーさんは手配をやって、検査するパートさんとのやりとりになるよね。
一般チームからベッキーさんが抜けるけど、でもベテランパートさんがいるから安心だと思う。
代わりにアナさん(新人パート)を一般チームに入れても大丈夫?」
ベッキー「最初は戸惑うだろうけど、やる気もあるし、最初にちゃんと教えれば」
アナさんやる気はあるけど家族旅行が趣味だから連休が多いし、人の話も聞かないから後から不満が出そう。
ボス「そういう感じでどう?ベッキーさんがH社と言っても、作業自体はパートさんがガッツリやってくれてる訳だから、手配が終わっちゃえばフリーで動けるのかなって。
一般チームに入るも良し、快速急行社チームに入るのも良し。……ラベプリ!」
唐突に良いことを思いついたというテンション。
動かせる人が限られているラベルプリンターを扱える人を増やしたいらしい。
N「じゃあベッキーさんがH社の担当になるってこと?」
ベッキーという部下がいなくなるのが不安なN。上司達がブレてどうする。事前に話合わせなさいな。
ボス「うん、担当になるというか」
N「完全に。完全に手配入って、加工の方も入る?」
ボス「加工も入る、やっぱり手配するなら加工も覚えた方がいいと思うのね」
O「その方が良いと思う」
ボス「でも(パートの時に検査)やってたよね?」
ベッキー「ちょっとだけ」
ボス「やってたよね。だから(手配も製品の想像しながら)出来ると思う」
O「H社は数がすごい出るって訳じゃないから」
ボス「じゃあ結構フリーで動けるね。手配して、加工検査はパートさんで、ベッキーさんは色々やる、ラベプリとか(笑)」
ベッキー「ラベプリは出来るから」
わたしが質問した時はよく知らないと言うてたやんけ。
パターンAのやり方は出来るけどパターンBは知らないって感じなんだと思うが、それは出来ると言うのか?
ボス「U社は……あ、U社の手配はパートさんがやってるもんなー。
……じゃあ幅を広げるとなると、ラミネート。
ベッキーさん、パートさんと一緒にやるとか。どう?」
ベッキーはパートに評価されるような立場になることを非常に嫌う。
なんか上手くいきそうだったのに、そのワードを言ったら長くなりそうな気がする。
ベッキー「いいんですけどぉ」
ボス「なんか問題ある?」
ベッキー「それだけだと余ってしまいます。私は一般チームから完全に出て、持ってる仕事がない状態になるので」
O「完全に出なくていいんじゃないの?」
ベッキー「中途半端になっちゃうからねー。出るなら出る方が良いと思うんですけど。
私はH社にガッツリ入って、一般チームの足りない所をNさんに補ってもらって、で、その分Nさんが持ってるラミネートとか私が持ってもいいんですけど、それでも時間が余ってしまうと思いますぅ!……どうしよ」
仕事しに来てるのに責任を負うのは嫌だと何ヶ月もゴネてるから、精神的な負担が軽い、中途半端なものを任せるしかなくなっている。
時間が足りないって言う人は何人もいたけど、余ることに不満を持つ人は初めてだ。
ポニテなんてよく朝から手持ち無沙汰になってるのに、その事で不満を漏らされたら、ねえ。
一旦決まったことを実行してみませんか?
ボス「じゃあ違う所っていうと、他にOさんが持ってるのはJ社だよね?」
ベッキー「J社はパートさん3人いれば回りますもんね」
O「そうね」
ボス「あとはラベプリ……か、(快速急行社チームに入れたばかりの)女子キムさんを一般チームに移して、女子キムさんとアナさん二本立てで一般チームにしたら?仕事量そこまでない?」
N「そこまでないと思う。あたしもラミネート入らなくなれば加工入れるから、そうすると一般チームも……」
……間。
わたし「でも一番人を欲してるのは快速急行社チームだから、手が空いたら快速急行社でいいんじゃないですか?なんやかんや結局はみんな快速急行社じゃないですか」
N「なるなる」
ボス「ってなると、ヤレバちゃんがもっと快速急行社の業務的な事やれば?」
ヤレバ「…………」
……間。
ボス「……今業務どんな感じ?」
もう間が怖くて仕方ないボス。
N「忙しい時はあたしやってる。ヤレバちゃんが忙しそうだなって時はやってる。
ただ両面テープの手配だけはヤレバちゃんにお願いしている」
ボス「……もうちょっと、ヤレバちゃん、そこはどう?」
ヤレバ「……はい……えっと、子どもの事もあるから休んじゃったりがあるので、ちょっと、子ども次第のところがあるので、どういう動きを自分がしていくのかちょっと分からない!
まぁ、やってもいいと言っても安請け合いがちょっと出来ないと言うかぁ……その時になってみないとなんで、今は何ともなんですけど……
なので、ガッツリと言われると、責任も付いてくるのでぇ、ま、それでちょっと、それを背負っちゃうと、そっちを優先しちゃうとぉ、子どもの方を無理させたりとか色々そう言うのとか」
考え過ぎだな。
家庭の事情が重なる時はできませんが出来るところから頑張りまうすで済む話。
わたし「Nさん出来るじゃん」
ボス「うん、Nさん出来るから。あのー、ガッツリって業務を全てじゃなくて、手配関係にもう少し時間を割いてほしくて。
不安ならチームのメンバーが全員いる時だけとか、少しずつでも動きを変えてもらって」
そうそう、Nが急に休む度に「私達は何も言われてない!分からない!」って文句言うんだから覚えた方が早くないかい?
ベッキー「その分今!快速急行社チームでヤレバさんが担っている位置がぁ、非常に重要だと思うので、みんなが、ヤレバさんを、あの位置を、代わりにやってくださる方がいないと、ヤレバさんが手配に入った時に、みんなアワアワする状態になる!」
ボス「んー、ん?っていうと?」
N(上司)に完璧を求める発作が始まったなぁ。
ベッキー「その、現場の動きが分かってる人が、Nさんになると思うんですけど、
こちらが手配に入るんだったら、現場を見る人が、いるべきだと思う…………その……」
ボス「でも、ラミネートがベッキーさんやります、Nさんやってる手配がヤレバさんやりますってなるから、加工に入れる時間はこれから多くなるよね?」
N「うん」
ボス「そしたらNさんが、まぁ部門長でもあるし、仕切るっていう意味でもあるから、うん。それはやれると思うしやって欲しいところです。流れが分かって、っていう。どう?」
N「まぁでも手配しないと分からない所もあるんだけどね、なかなかね。上がって来た物を見て判断するしかないんだけど」
ボス「そーんな所かな、ちょっとやってみないと、今イメージしてもなって感じなので。
はい、どうでしょうか?なんか、あります?」
…………間。
ヤレバ「先ほど、殿の方から、快速急行社が夏から秋にかけて昨年同様の受注の見込みって話があってぇ、で、えっと、去年のような感じのイメージが私の頭の中にあるんですけど、
それに対して、在庫の場所とかも含めて人員配置とか、人員募集、それに向けての、ただ待って手をこまねいているだけなのか、こうなった時はこういう手があるよ、こうなったらこうしようとって、予め想定して」
ボス「去年躓いたのは、材料が入らなかったじゃない?
材料が入らなくて止まって、3週間くらいスライドしてごった返したけど、材料は今もう手配してます。殿の方に許可貰って。
両面テープも材料屋にストックお願いしてるから、材料が切れるって事はないと思うの。だから去年のようなごった返してというのはないと思ってる」
ヤレバ「と言う事はぁ、去年のをぉ、踏まえてぇ、傾向と対策は出来てるということ〜」
ヤレバもベッキーもカルタの読み札でも読んでるのかというくらい語尾が伸びてるけど、これは多分主導権を握ろうとして言葉に重みを持たせているんだと思われる。
どおりで空気が重いわけだ。
ボス「対策出来てると思う。内職さんにも出せるし。去年出せてないじゃん。出す余裕もなくてぐっちゃぐちゃだったから」
わたし「あとプレスも3台(に増えた)」
ボス「プレスも動くからね。だから多分去年のしんどい思いは同じ量来ても、あたしは大丈夫かなって思っているんだけど」
ヤレバ「在庫置き場って……」
ここからぎゅうぎゅうな在庫置き場の話へ。これは深刻。
ボス「殿が言うように増設しかないよ」
わたし「無理よ」
ボス「あとはもう背負うしかないよ!(笑) 置き場がない訳じゃん」
ヤレバ「そこまで切羽詰まってるっていう、あのーなんて言うんでしょう……それはぁ、知ってらっしゃるんでしょうか?」
ボス「見てはいる殿」
わたし「簡単に増設出来ないからね」
ボス「出来ないからねーなんとも」
わたし「開かずの扉の目線の高さのところ、デッドスペースで勿体ないからに棚置けば?」
昔いたクソなじじいに「トイレに近い扉からトイレに行くな。お客さんも通るんだから」と、うんこみたいなことを言われて開かずの扉にされ、その間に本当に開けられない扉になってしまった。
ボス「あそこ、でも埋めていいのかなー」
わたし「ダメなのか。消防法?もう床が在庫で埋まってるけどね」
ボス「埋まってるけどね。ほんとは棚置きたいんだよ!置きたいけど、それが置けないから。置き場ねー……どっか置くとこある?」
ランボー「社長室に置いておくのはどうですか(笑)」
急に喋りだして滑ってる。
わたし「社長室最後の最後だよ」
ボス「食堂」
取締「事務所の倉庫……?」
取締が面倒臭いからいいよ。
わたし「すぐ埋まりますよ!」
ボス「すぐ埋まる!」
多分同じことを考えた。
わたし「でもフォーキャスト(予測在庫)は作れって言われてるから」
ボス「そう、でも作らないと割に合わないのよ。タワーにして置くにしても置く場所がないもんね。だから背負うよ??」
加工検査の人がね。(わたしは違う)
ヤレバ「効率考えればー、無駄な動きを1回で済むように、出す作業仕舞う作業を1回で出来たらなって思うけどー、現実的に殿がおっしゃってる意図は難しいんだなって思って。
なんかみなさん良いアイデアがあれば教えてもらいたいなって」
わたし「無駄なもん置いてる訳じゃないから」
ボス「そうなの。快速急行社の量が増えたっていうのがある。
1回の出荷が100件以上あるから、ちょっと置き場は考えていかないといけないし、後は、三代目が社長になる頃には、食堂が出っ張ってるかもしれないし(笑)
会社広げてもらわないと置けないと思う」
ランボー「屋上にプレハブ建てて(笑)」
また滑った。
ボス「誰が屋上まで持っていくのよ」
わたし「食堂を屋上にしたらいいんじゃ」
ランボー「ヒャッヒャッヒャッ」
え、ランボーの笑いが取れた。
ランボーの本気の笑い声が怪しい魔女のようで、不気味さが勝ってしまいみんな引いて黙る。
そして笑い方とその笑いの長さに次第にみんな笑いがこみ上げる。
ランボー「青空の」
ボス「そうよ、夏はシート敷いてね!パラソルに、順番に小豆で波の音出す係作って」
わたし「小豆担当」
ボス「まぁほんとどっか開けないといけない。
効率よくやっていくには場所の問題もあるけど、少しずつやっていこう。いらないもの置いてるわけでもないからね」
ボスがこれまでの話をまとめた。
ヤレバが快速急行社の方でもう少し手配作業に入る。ベッキーは一般チームを抜け、H社の手配担当。ついでに営業とコミュニケーションを取る。
ボス「あとはラミネートだったりっていう所を」
ベッキー「いつからですか?」
ケンカ腰である。
ボス「来週?早い?」
びびるボス。
ベッキー「いや、いいんですけどぉ、じゃあラミネートそれまでやってないでぇ、ぽいっ!てやられてもぉわかんないからぁ、移行期間がないとぉ、
パートさんと入ってって言われてもあたしもパートさんと同じなんでぇ(超早口)」
語尾が伸びてるからゆっくり喋ってると思いきや、最後の一文は超早口で捲し立てるような口調になった。要はキレていらっしゃる。
作業する人の受け身具合にも寄るが、そんな極端なことにはならんじゃろ。
ボス「一応、移行期間として、今月移行期間にする。少しずつやっていく。どう?」
ベッキー「うん……。あたしが動いちゃうと思うんですけどぉ……だからぁ……一般チームの手を離すのでぇ、そこを……うん…………でもあたしはクリーンルーム(印刷の補助。検査員で順番に回している)も入らなきゃいけないしぃ、毎日、ラミネートでそこも止まったりするしぃ、その辺のルールもどうなっていくか」
ボス「だから、毎日じゃなくて大丈夫じゃない?」
ベッキー「どういうルールなのか、今日も誰が何をやるのか分かってないしぃ、上司(司令塔)がラミネート入っちゃうと、っていうような話もパートさんの中で未だにあるからぁ、なんだろう、あたしが今日入るのか入らないのかとかぁ」
ポニテ「くふっ(笑)」
ポニテに異変。どうしたと思ったらランボーがまだ青空食堂で笑いを引きずって笑っていたらしい。
ボス「どうした?」
ランボー「さっきのいつしかさんの、屋上を食堂にしましょうが」
O「思い出し笑い!?」
わたし「気に入ったんだ」
ボス「気に入ったんだよ」
ベッキー「なんだろう、あの〜言って欲しいって言ってました、そういえば。(パートが)
あのー、ボスさんは午前中何します、何してから加工入りますって言うじゃないですか。
Nさんの動きが分からないのでぇ、例えば、ラミネートに入るのか、何時くらいまで手配して、加工に入るのかとか、……みたいな事を、さっき(パートから)聞いてたので、
あのー、あたしがラミに入る日はぁ、じゃあ入りますーとか。その動き?
じゃああたしが毎日入る訳じゃないなら、じゃあどういう風に回していくのか、そのぉーパートさんもなんていうの……NとO(司令塔)が2人で入るのもどうかと思うしぃって前々から言ってるからぁ。
ラミに入る覚悟を持ってらっしゃる人(パート)達は多いので、そうなっていくんだとしたら、どうやっていくのか、見据えた上でこう変えて行きますっていうのを(パートに)言ってあげないとぉ」
ハラスメントに敏感な昨今は部下の方が強いので、ベッキーは人(N)を動かそうとする時に「パートさんが」と言う。
本当にパートが言っている時もあるし、言っていないのに言ったことにされている時もある。(ボスがパートに確認した)
パートにやる気があるというのはまず嘘。
ラミネートに入るとみんなストレスが溜まるらしく、「私はラミに入ってるのに誰も続きをやってくれていない」「私よりあの人の方がラミに入る回数が少ない」とか不満が出て、ならばと社員だけで回していると次に「司令塔がいない」と不満が出て、またパートを入れると、シフトや仕事量がそれぞれなのだが再び「不平等だ」と不満が出て・・・・・・を繰り返している。
ベッキーの言う覚悟は誰も持っていない。多分同じ言葉をパートを前にしては言えない。
ボス「あー、じゃあ……しばらくクリーンルーム(印刷補助)もあるから、当面はOヤンかNさんどちらかがラミネートに入らないと」
O「だよね」
ベッキー「ちゃんと出来る人が2人しかいない状態だから今。何か遭ったらどうすんだって話だと思うんですけどぉ、
だから、教わるならぁ、例えば私達が先に重点的に教わってぇ、そこからパートさんとぉ、組んでぇ。
そういう流れにして行った方がぁ、自然とみんながやれる状態になるし、いいのかなって」
ボス「だね。でも3人で聞くってよりも、まずベッキーさんに覚えてもらう、っていう方が良くない?
で、ベッキーさんがポニテさんに教えれば、自分が分かってる分かってないが分かるじゃない?3人で聞いても、作業やるのは誰か一人になっちゃうから」
O「聞いただけだと忘れるよね」
ボス「だからピンポイントでベッキーさんがまず教わる。で、OKだったら次ポニテさんに教えて2人でラミネートを組む、を繰り返して3人が完璧になってからパートさんのが良くない?完璧っていうか、3人が完璧じゃなくていいのよ。ベッキーさんが完璧であれば」
人に完璧を求めてきたベッキーが逆に完璧を求められた日。ボス、わざとか?
ベッキー「・・・・・・・・・・・・最終的にぃ(嘲笑)あたしがぁ、ラミネートって言われた時にぃ思い浮かんだのがぁ、笑い袋さん!(怒)」
自分に注目を集めに集めて、怒りを爆発させた。
一体全体いつ帰れるのですか?
笑い袋という人はすでに退社している。
笑い袋は初対面で「私は仕事ができる人です」と言うようなヤバ気なニオイを発した人で、案の定、口先だけのなんかすごい人だった。(要約)
口は上手いので、笑い袋を表面上しか知らない人は普通に仕事が出来るように見えていた。
当時ベッキー達はまだパートで、騒動を全く知らない。
ベッキー「笑い袋さんにも仕事があるのに毎日毎日ラミだラミだって言われてああなっていった(超早口)、のを想像してしまっているのでぇ、誰か1人!と言われるのはちょっとプレッシャーが大きいなと思ってぇ!毎日のように!」
暇を持て余すけど任されるのは嫌。
言うのは好きだけど言われるのは嫌いな『完璧』というワードがいけなかったと思う。
わたし「笑い袋さんは自分でやるって……多分パートさんから見た印象が違ってると思うんですけど、
押しつけられて可哀想みたいな感じに写ってたと思うんですけど、自分でやりますって」
ボス「一番最初に言ったのは自分からなの。ねぇ、そうだよね?」
わたし「っていうから、じゃあ大丈夫なんだね、やって、って言ったら結局大丈夫じゃなかったですってなって、で、またやりますって言い出して本当の本当に大丈夫?って聞いても出来ます!って言うから任せたらまた大丈夫じゃないの繰り返しだから、最後の『なんでやねん』ってシーンだけをパートさんは見てたと思うんですけど、
ラミネートに関わらずほとんどパートさんは最後のシーンだけ目撃してる」
ボス「”隣の元上司”さんと笑い袋さん、”隣の元上司”さんが下に行く前だから、”隣の元上司”さんにもラミネートやってよって話になって、じゃなかった?」
わたし「”隣の元上司”さん???」
左遷させられたわたしの元上司だ。そういえばちょっとだけラミネートやってたかな。
問題ない日が無い人で、この人も表面的な関わりだけのパートさんからはなんでそんなに嫌われているのか分からないと言われていた。
ボス「”隣の元上司”さんもラミネート入ってくださいよ!ってこっちから言ったよね?」
N「うん」
ボス「で、笑い袋さんが、プロになるっていう、ラミネート全部あたし覚えますっていうのあったよね?」
わたし「うんうん。だから自分の仕事量把握して、ラミネート途中までしか入れないですって言えば、じゃあこっちで後半やるわって感じで出来るんだけど、
それを笑い袋さんが『いや出来ます!』って言っちゃうから、おかしい事になっちゃうっていう現象だったんですけど……」
最初の挨拶から分かるように、自信だけはたっぷりな笑い袋。
自信があるからか、説明を遮る癖があり、周囲は口先を信じて任せるが、実際は後先を考えず自分でも説明がつかないような自己流で作業をし、相談せず、時間をかけ、そして他の仕事は出来てません!となる。
それで笑い袋のが出荷に間に合わないからとパートに手伝うよう声をかけ、パートの視点ではそこから最後の「大丈夫って言うたやんけぇ!」と怒られているシーンのみを目撃している。
だから「他の仕事もあるのにやらせてもらえず、怒られて可哀想」というイメージがついている。
ここは単なる職場で、弁解しても仕方ない事なので、そのイメージのままで放置している。
ベッキー「言わざる終えない状況になってたんではないかなって、思っちゃう」
わたし「(でしょうね)あたしが悪いんですって言ってたかもしれないけど、本当にそのままの意味だと思うよ。違う意味に聞こえるよね」
まぁ、わたしには「ケチをつけられた」って愚痴ってたけど。
わたし「声かければ良いじゃんっていう。相談して『ふざけんな』みたいな事にはならないから」
そう、考えすぎ。心配なのは行動してないから。
ボス「毎日じゃなくて、そこまでプレッシャーにならないで。
H社持ちますー、でも時間がありますー、じゃあラミネートっていう、今流れじゃん?」
ベッキー「でも今あたしの頭の中では」
ボス「ふっ」
まだあるの?という呆れた笑いがうっかり漏れたボス。
ベッキー「それとラミしか仕事がないからぁ、って感じなんですがぁ、手配もそんなに沢山ある訳じゃないから……余っちゃうな、と思って」
ベッキーの『丁度良い』を逆に教えてくれ。
ベッキー「余っちゃうとやっぱり、遊んじゃう訳にいかないからぁ、仕事を探すって事に、今もなりつつあるから(笑)
本当に申し訳ないんですけど今、ちょっとスピード落としてるんですよ。作業の。
9割とかでやってた所を……なんだろう。ギアを落として、逆に疲れるというか。
だからぁ、こう……やることがなくなってしまうと、余ってしまうなって、単純に……思ったんだけどぉ!
今パートさんもそうだからぁ……そっちの仕事を取るわけにいかないし……困ったぞっていう」
わたし「(量の多い快速急行社チームの応援に入るって話は無しなのか?)雑務みたいなのがあればいいけど」
ボス「だからそれこそ環境調査っていう所を」
ISOの活動の関係で、N、O、ベッキー、ポニテの4人が環境調査という係をやっている。
ベッキー「それは説明されてないからぁ……」
ボス「教えてあげて」
N「うん」
ボス「マニュアルあたし作ったじゃん?それ見てやってもらうとか、手が空いてるなら」
ベッキーはまたまたやりたくない仕事を提案されてしまったからか、静かになった。
ボス「じゃあポニちゃんも環境調査に動けるはず。そこを動いてもらって、渡せるように……」
どう見ても不満気なベッキー達の顔。
わたし「やってみて、それでも時間がすごく余るならまた考えなきゃいけないけど、実際やってみなきゃ分からない」
O「日によっても違う」
…………間。
ボス「ま、やってみよう!やってみて、ベッキーさん自身で、時間持て余してるよってなったらどうしよってなるけどぉ……」
ポニテ「ラミが無い時どうするんですか?」
ボス「だからもう、他の仕事をやっちゃうしかない。
紙管に巻いてキツく締めるだけっていう製品が切れることなく大量に注文入ってくるっていうし」
ベッキー「笑い袋さんとやってた時、本当に困ったんですよ。仕事を分け合うのが。
分け合うのもないけど、笑い袋さん社員さんだったから、やろうと思ってたのが全部やられちゃってたのでぇ、仕事無ぇじゃんって状態になったから、それは出来ない。人の仕事取ることは出来ない」
わたし「シール部門がよく検査やってって言って来るじゃないですか。それは?
ランボーさんがプレスに取られたから代わりに加工で検査してよって訳わかんないこと言ってくるじゃないですか」
K下「うーん、良いんですけど、あたしも毎日来る立場で、それかって言われても困るじゃないですか(笑)」
パートさんからね。
表面上なんかちゃんと仕事してるイメージが欲しいが、実際はパートの時となんら変わらないことしかやりたくないという。
わたし「仕事落ち着いてるもんはしょうがなくないですか。早く帰ろーって」
ベッキー「あたし達が見えてるものとぉ、それが違うからぁ、一概には違うし、間違ってるよって言われちゃうかもしれないけど、
今ちょっと手が余ってる感がすごくて、それこそパートさんの方から、『やることないじゃん』って言うのが、入って来て、話してるとどうやら、あたし達3人いるから余計無いんだよねみたいな、仕事を取ってるみたいに思われているっぽくってぇ」
ボス「あそうなの!?」
ん?
ベッキー達自身がパートと同じ仕事しかやらないってゴネてるんだから事実じゃん?
なんだあ?
ベッキー「多分ボスさんが見てるものとぉ、あたし達が見えてるものが違う」
ボス「違うね」
ベッキー「ちがくてぇ、ここの所1、2週間もやもやする」
わたしは数ヶ月もやもやしとる。
暇だから新しいことを色々やるチャンスなのでは。
ボス「この前言われた。パートさん今手空いてるからシフト調整してもらった方が良いんじゃない?って。
でもそれやっちゃうと、クリーンルーム(印刷補助)同じ人ばっかりがぐるぐる回るよって言ったの」
ポニテ「クリーンルームにシール部門のパートさんも行けないですか?」
ボス「行けない。やった事ないから」
ポニテ「言ってもダメなの?」
ベッキー「そんな難しい事してる訳でもない。必要な時だけとか」
ボス「うーん、印刷オペレーターの方が嫌がる」
ポニテ「……それはなんでですか?」
ボス「なんで」
わたし「察して」
ヤレバ「同じパートさんなのに仕事の幅が全然違う」
君達はパートと幅が同じ。
わたし「1人は体力が無くて立ってられないと思うんですよ」
ボス「1人はね」
わたし「1人はねっ」
ヤレバ「でもそれはみんなそうだし」
わたし「でも持病がありーのでちょっとね。もう誰の目から見てもじゃん。強風で飛ばされそうじゃん。
もう1人の人はせっかちがあって」
ボス「印刷見てるか見てないか分からない」
わたし「信用ならないっていう」
ボス「そうそう」
わたし「あと新人さんは分からないです。でもその人ばっかりになるとおかしくなるし」
ボス「そうなの」
わたし「出来ますよね?1番新しい人なら」
ボス「出来ると思う」
N「行った事あるんじゃない?」
ボス「うん、ウェアも持ってるし。でもシールがねぇ……」
ベッキー「少しシールの手伝いにいたから分かるけど、シールは」
ボス「ぬるいでしょ?」
ベッキー「ぬるい過ぎてもうほんとに!同じお金ですか?って感じですよ。
その差をシールの管理者が分かってない」
ボス「そう。それは殿にも言われてる」
ベッキー「そこはでも何回言っても伝わってないじゃないですか。加工のパートさんからしてみれば、出来る人に仕事が集中しちゃっておかしいでしょっていうのは当たり前の話で、で、なおかつ、クリーンルーム行かない。それは許されるっていう」
ヤレバ「穴あけも行ってなかったからね」
穴あけはプレスの方の仕事のことで、パートさんで埋められない分、ほぼ毎日わたしが呼ばれているやつ。昼食後の一番眠い時間担当ですわ。
ベッキー「で仕事はランボーさんに回って来たり上に回って来たりで……」
ボス「そう」
わたし「損を感じさせないでよってね」
ヤレバ「そう!」
ミーティングはこのままシール部門への不満で終わった。
結局ベッキーの不安は解消されてないままだからやるのかやらないのか、また分からないままお開きに。
いつもこうだ。