Nのありがとう
20230519
金曜日
2社合同監査の日。
現場に回ってくるのは午後の予定だというので、わたしはやる事をやったら昼までシール部門で印刷の取り手へ。
監査を受けるOは嫌だ嫌だとずっと言っている。
昼
Oの分の弁当をどうするかとザワザワしている。
Oが注文した弁当を、代わりに誰か食べないかー?って。
監査の人達と一緒にご飯行ったんですか?と聞くと、お父さんの容態が悪化して病院に向かったらしい。
話は変わるが、シール部門から戻って来てちょっと気になったことがある。
Nが「取り手、長い時間ありがとうね」と言ってきた事だ。
おそらく一昨日、会議室に呼ばれてボスに言われたのだろう。言葉が足りないと。
おかしな話だけど、それだけで少し大人っぽくなった。
その「一言」で、まるでちゃんと把握されているかのような感覚になる。
良い手だと思う。
っていうことをまた承認し続けないと続かないかな。
「まるで見てたかのように錯覚するから声でかい人の承認欲求も満たせると思う」
全然嬉しくない台詞。
昼休憩後。
Oの急ぎの新規が手元にあったが、病院に行ってしまったのでNに渡して処理をしてもらった。
手渡した時、Nは「ありがとう」と言った。
人の仕事だし、今までだったら言わない。むしろ不満を漏らしているところ。
これは絶対に言葉が足りないと指導されているな。
しかし、今更感が否めないな。
わたしはやったことに意味があると思うのでこのまま続けばいいと思うが、
Nを嫌う勢力は「今更=キモい」「言葉が薄っぺらい=キモい」と批判的に捉えるかもしれない。
なんせNが「もう終わったの?すごいー!」と褒めただけで腹を立てる人もいるくらいだ。これは相当だ。多分Nの麺を啜る音も聞くに堪えないと思う。
多分、その勢力が欲しいのはありがとうというコミュニケーションと、それとNの頭の中の予定や考えだと思う。
今はまだありがとうを単品でしか販売できてないけど、売り上げ(感触)良ければセットで販売するようになるかしら。
15時。
N社から頂いた仕事をしていた。韓国語の。
韓国語は支給データを使うことと書いてあるのに、それらしき物は…………え?これですか??
CADデータだ。CADを使ったことがないからどういうことか分からないが、
Illustratorで開くと曲線が直線に化けててカクカクしていることがある。ちゃんと曲線の時もある。
CADでどの機能で描いたかとか、保存したとか、なんか設定の関係っぽいのだが、今回は韓国語の曲線が直線に化けてしまっていた。
文字が小さければこのままでもバレないんじゃ……と悩んでいると、合同監査がわたしの元に来た。
監査の人「うちのですねえ。こういう、韓国語はどうしてるんですか?」
わたし「これは頂いたのを使っています」
小町「貰えなかったら?」
わたし「外注に出して(韓国語を打ってもらってaiデータでもら)います」
ペロリ「日本語の場合はどうするの?」
わたし「に、日本語!?」
ペロリ「日本語というか、外国語じゃない場合どうするの?」
わたし「……日本語ですか?」
ひと笑い起きる。
三代目「知ったかぶりしないでくださいよ(笑)」
ペロリ喋るな。お前なんで監査側なんだ。
監査はそのまま去る。
今回は部屋をうろうろしてヘルメットの期限を見たりする監査員がいなくて一瞬で終わった。
いたのよ前は。1人だけ自由にうろうろして物の置き方とかヘルメットの使用期限とかチェックしてる人が。
ヘルメットって期限あるんだってその時知った。
残業。
まだNOが休憩から戻ってきてなかったので、ボスに伝えた。
わたし「Nさんありがとう増えましたね」
ボス、撃沈する。
この撃沈は覚えがあるからだ。
わたし「(会議室の時に)言ったんだ?」
ボス「言った」
わたし「ありがとうって言うとまるで見ててくれたんだーって錯覚して満たされるから、良い手ですね」
ボス「ふふっそうでしょ!?あたし言ったのよ」
わたし「これでも文句言う人はいると思いますけど、『見てないくせに何がありがとうよー!』って。そう言う人は何やっても文句言いますからね」
ボス「そうよ」
わたし「Nさん変わったねって、Nさんも言われた方が続くのかなって思いました」
そこは反応の良くないボス。
ボスは直属の部下には厳しい面がある。他の人のことはよく褒めるが、NOの2人のことは褒めない。
お得意の手のひらで転がすことを一切しない。
でもせっかく指導する機会があって、それで終わりっつーのはねー。
自信を持たせないとすぐ元に戻るぞ。分かるだろ。