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令和ロマンへ、「ありがとう」
私が一年で一番楽しみにしているものは二つあって、
一つが夏フェスのライジングサンロックフェスティバル。
二つ目が、もはや年末の国民的恒例行事、
M-1グランプリである。
この二つがあるから一年を通して私は生きられていると言ってもいい。
昨夜、
推していた令和ロマンが、
記念すべき第20回大会で優勝し、
M-1史上初の二連覇を果たした。
しかも2回連続トップバッター優勝。
これがいかに凄すぎることなのか、
毎年M-1を観ている人なら分かるだろう。
分からない人に簡単に説明するとしたら、
令和ロマンは、
もはや、ただのお笑い芸人、漫才師を超えて、
バケモンである。
私の人生には、
大体常に「推し」が存在している。
何のために生まれて、
何のために生きるのか、
分からなくなることが多い人生だが、
その時は「推し」が光り輝いて人生の道標になってくれる。
私は令和ロマンのにわかファンで、
恥ずかしながら存在を知ったのは昨年のM-1なのだが、
それでも去年の令和ロマンは圧倒的に光り輝いていて、
人生という暗闇の中にいる私を照らし出していた。
私は光に集まる虫みたいに、
光り輝く令和ロマンに吸い寄せられて行った。
そこからとにかく令和ロマンのことを追った。
ラジオを聴き、出演しているテレビ番組をチェックし、会場には行けなかったので配信されているライブをたくさん観た。
記事になっていれば読んだ。
どんどん知っていくにつれ、
二人とも好きだったけれど、
特にボケの髙比良くるまくんのファンになった。
スマホの壁紙を令和ロマンにし、
いつでも確認してニタニタできるようにした。
(オタクは推しを見る時ニコニコではなくニタニタしてしまう生き物なのである)
鬼越トマホークがしくじり先生に出て、
高卒お笑いと大学お笑いとの差について怒っていた回があったのだが、
それに対して令和ロマンがやっていたアンサー回がめちゃくちゃ面白かった。
令和ロマンがあまりテレビに出ない?ということについて説明するくるまくんが、あまりに面白くて、
平場が強すぎて、
私は神回だと思った。
くるまくん愛が更に強まった日だった。
初夏。
私はうつ病で会社を休職することになる。
それからしばらくはただひたすら横になるだけの毎日を送った。
ただ横になり、死にたいなと思いながらも、
毎日令和ロマンをチェックすることだけはやめなかった。
やめられなかった。
だって、令和ロマンを摂取することが、
私が「生きる」ことに直結していたから。
うつ病という、出口の見えない長いトンネルの中にいて、
令和ロマンの存在だけが、
微かに出口の方を照らし出しているように思えた。
令和ロマンが今年もM-1に出て二連覇を狙うと言っていた。
私は
「そんなことが可能なのだろうか」
という思いと、
「令和ロマンにならできるのではないか」
という期待が入り混じる思いを昨日まで引きずることになるのだが、
私の思いをよそに、
令和ロマンはM-1の予選をグングン勝ち抜いていった。
少しも危うさは感じなかった。
そんな中、
くるまくんが書いた
「漫才過剰考察」
という本を読んだ。
私は冒頭だけで頭をサンパチマイクで殴られたような衝撃を受けて、
一瞬で最後まで読み終えてしまった。
くるまくんという人間が更にわかったような気もしたし、
余計わからなくなったような気もした。
けれど、
どうしてくるまくんがこんなにM-1に熱意を向けられるのかだけは、
痛いほどによくわかった。
ただでさえ応援していたくるまくんのことを、令和ロマンのことを、
更に推すようになった。
令和ロマンにM-1二連覇を成し遂げてほしい、と願う気持ちは、
もはや祈りに近かった。
昨日のM-1の一発目は、
「苗字」のネタ、
最終戦でのネタは、
「タイムスリップ」だった。
事前に配信で見た時よりも何倍も何倍も面白くなっていて、
この短期間で、仕上げに仕上げて来たんだな、と感動した。
トップバッターを引いてしまった時は、
発表前に今田耕司さんの表情でわかった。
昨年に引き続きトップバッターだなんて、
令和ロマンはどんな運の持ち主なんだろうと思った。
ネタが終わって、
得点が発表された時は、
高得点でひとまず安心した。
だけどバッテリィズが令和ロマンに大差をつけて一位になった時、
「優勝できないんじゃないか」
という不安が、昨日初めて頭を過った。
漫才のことを、M-1のことを、
考察に考察を重ねて、
漫才を練り上げてきた令和ロマンが、
アホに負けてしまう?!
という危機感があった。
それは最終ステージでも同じで、
真空ジェシカには悪いけれど、
私は実質令和ロマンとバッテリィズの一騎打ちだと思った。
(もちろん真空ジェシカもとっても面白かったよ!)
そして迎えた最終ステージの結果発表。
令和ロマンに5票、
バッテリィズに3票、
真空ジェシカに1票。
あと一票でも多く票がバッテリィズに入っていたら、
令和ロマンは勝てなかった。
(ファーストステージの点数が高い方が勝つルール)
だけど、
勝った。
令和ロマンが。
大会を二連覇した。
記念すべき第20回大会で。
前回優勝してあまり嬉しそうではなかったくるまくんの目に、
涙が浮かんでいた。
ああ、本当に今回の優勝がくるまくんは嬉しいんだ。
そう思うと私の目にも涙が滲んでいた。
誰もが成し遂げられる偉業ではないと思う。
令和ロマンが凄かったから、
強かったから、
誰よりもM-1にかける情熱が熱かったから、
出来た二連覇なんだと思う。
私は、令和ロマンを推してきたことを、
心から誇りに思った。
本当によかった、
と思った。
それと同時に、令和ロマンに、
「ありがとう」
と思った。
令和ロマンが、示してくれた。
うつ病で会社を休んで横になる毎日の中で、
自分が復職できるのかどうかどころか、
明日の自分がどう暮らし、どう生活しているのかも見えない日々の中で、
令和ロマンが、
「誰もが出来なかったことも、成し得るのだ」
ということを教えてくれた。
うつ病で元気のない毎日の中で、
私に笑いを与えてくれて、
生きる力をも与えてくれていた令和ロマンが、
M-1史上初の二連覇を成し遂げたことで、
「これからの彼らも絶対に見届けたい」
と感じて、
そのおかげで私は強く
「生きたい」
と思った。
うつ病で休職して希死念慮に苛まれる毎日の中で、
初めての思いだった。
私に生きたいと、
強く思わせてくれてありがとう、
令和ロマン。
二連覇してくれてありがとう、
令和ロマン。
たくさんのありがとうと、
おめでとうを、伝えたい。
これからも推し続けていきます。
M-1史上初の二連覇という偉業、
本当に本当におめでとう。
そして、
二人が存在してくれて、
揃って漫才をしてくれて、ありがとう。
私は令和ロマンが、ずっと大好きです。