休校中に読んでほしい本❸ 18選+α
❶では幼稚園生向けの絵本を中心に、❷では小学生に向けておすすめの本を。今回は中学、高校生向けにおすすめの本を紹介します。
・浜村渚の計算ノート
できれば数学を勉強する前の小学6年生に読んでほしい!中学生になって「数学つまらん…」てなってる人にも読んでほしい。数学が義務教育から消えた世界。数学者によるテロが起こるなか数学が苦手な警察の大きな助けになったのが千葉市立真砂第二中学校2年生の浜村渚ちゃんです。「数学は苦手だけれど面白かった」との感想が多いのは何と言っても渚ちゃんの数学愛によるものだと思う!スーパーのパイナップルを手にとってフィボナッチ数を確認したり、三角関数を恋愛に例えて解説したり。渚ちゃんの可愛さと数学愛。キャラ強めのテロリストにも注目です。青い鳥文庫からも出ているということで!ぜひ読んでください!
・13歳のシーズン
中学1年生に読んでほしいかな〜。あさのあつこさんの、あたたかくて優しい小説。進研ゼミに掲載されていたとか。中学生4人グループの話。個人的に中学生って一番傷ついて苦しむと思ってて。もちろんその後も傷つくこともあるけど段々とそれへの対応の仕方を学んで行く。でも中学生はまだどうしていいかわからない。苦しいと思うんだ。「13歳のシーズン」はその苦しみも描かれていて、それでいて暖かい優しい物語になっている。
この本はBOOK WITH YOUというティーンエイジャー向けのレーベルです。BOOK〜の中では「一年四組の窓から」(あさのあつこ)と明日になったら(あさのあつこ)サクラ咲く(辻村深月)もおすすめ。
ここから先に紹介する本は「何年生の時に読んでほしい!」は特にないです。中学生でも高校生でも大人でも。
・お茶が運ばれてくるまでに
詩集のような絵本。時雨沢恵一さんの詩(?)に黒星紅白さんの絵が描かれていて可愛らしい本。文庫サイズですが、薄くてプレゼントにもぴったりです。ひとつひとつが短いもののハッとさせられるものが多く、時々読み返しています。「お茶が運ばれてくるまでに」「答えが運ばれてくるまでに」「夜が運ばれてくるまでに」の3冊セットでお楽しみください。
「初恋彗星」…綾崎隼
この本を、というよりは綾崎さんの作品を紹介したいと思います。
デビュー10周年を迎えた綾崎さんの作品はかなりあります。↑のサイトを見れば大体のものはわかるかな。メディアワークス文庫から出版されているものがほとんどで、あとは講談社タイガに出ているものなど。どっちのレーベルもライト寄りなこともあって中高生には親しみやすいかな。(逆に社会人の人だと普段手に取らないエリアだから読む機会を失っている気がして、、、本当に面白いのにもったいない!)ワカマツカオリさんの絵と世界観が合っていて”美しく儚い恋愛小説”といったらぴったりだと思います。ミステリー要素もあることで、ただの恋愛小説ではない!とにかく1冊読んでほしい。私が一番好きな「初恋彗星」はThe 美しく儚い恋愛小説。たくさんあってどれから読むか迷ったらこれ読んで!
「ラブコメ今昔」
有川浩さん。恋愛といったら有川さん。図書館戦争や阪急電車、植物図鑑などなどありますが!まだ有川作品読んだことないという人には「ラブコメ今昔」をオススメする。理由は短編だから。すぐ読める。そしてどれも甘い。キュンキュン摂取したくなったらこれ読みます。
「神木隆之介のMaster's Cafe 達人たちの夢の叶えかた」
もともとan・anで連載していたものを書き下ろし加えて書籍化されたものです。神木くんが様々な達人たちにお話を聞いていくというもの。グラフィックデザイナーの佐藤卓さん、宇宙飛行士の野口聡一さん、ほぼ日の糸井重里さん、小説家の辻村深月さんなどなどです。その道のプロのかたの話は興味深いですし、その分野では素人の神木くんに話をしているので、読者である私たちにもわかりやすいもになっています。最初は神木くんが好きで買ったものだったけれど、それ抜きにしても良い買い物したなと思ってる。
「いまどうしてる?恋してます。」
深町なかさんとペンタブさんのコラボによるイラスト集?です。
深町さんのイラストが好きで読んでみたものの文章と一緒になるとよりステキでした。かわいい。kawaii.深町さんだと雨のアトもおすすめです。こっちも可愛い。
「イノセントデイズ」
これまで読んできた中で、過去一重い。本屋でも平積みされていること多いから知ってる人もいるのかな。死刑判決を受けた女性の小さい頃からその日までを描いた物語。周りにいる人々から見たそれぞれのその時々の女性が書かれているから、真実が段々と見えてくるようで読書としては楽しい。けれど題材が題材だけに暗いから読む時間を選ぶ必要がある。たしか読み終わった後口をパカパカしてたな。読んで後悔しない一冊。いや、本当に重い。
〜最後に辻村作品〜
「島はぼくらと」
中学生の頃に読みました。物語の濃度が心地良い。読み終わったあとしばらく母親にこの本の話をしてたな。すごい本を読んでしまったぞ!感が強かった。誰かにこの本の面白さを伝えたい!と思ったのは初めてで生まれて初めて読書感想文を夏休みの宿題で書きました(読書感想文はずっと希望制だった)。家島に住む高校生4人の話。島の暖かさあり、苦悩あり、希望あり。表紙が美しいの。時間が取れるときに、静かな空間で一気に読んでください。
「スロウハイツの神様」
読了感やばい。辻村作品の多くは物語の後半怒涛の展開が醍醐味だと思っているんです。スロウハイツに限らず、「ぼくのメジャースプーン」からの「名前探しの放課後」他色々。アパート"スロウハイツ"で共同生活をする人々、それぞれ”人間”として丁寧に書かれている。一人一人の生活(人生)に感情移入する中での最後の展開でもう辻村さん大好きになっていました。
「かがみの孤城」
本屋大賞受賞。不登校がひとつテーマ。部屋の鏡からお城の中につながるというある種ファンタジーな世界観。親に育てられ学校という世界で生きている”こども”をそこから抜け出した”おとな”が見る(読む)ことがこの本の面白さなのかな。高校生のときに読んで、そしてまた数年後に読んでほしい。
辻村さんの作品は読む順番が大事です。もちろん気になったものから読むのもありだとは思うし、発売された順番でも良いと思いますが。「辻村深月 読む順番」で検索すれば色々出てきます。一番おすすめは文庫の帯に書いてある順番。私もこれで読みました。順番含め、辻村作品の魅力はこちらのnoteがおすすめです。
かなり長くなってしまったけれど、以上でおすすめ本の紹介は終了!時間と心の余裕がないと読書は楽しめないと思うので、この休校中にたくさんの作品に出会ってほしいなと思っています。