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野本響子さん「50代からのやり直し英語術:なぜずっと勉強しているのにネイティブの英語が早く聞こえるのか」の読書感想文

kindle unlimitedで読みました。
定価は499円です。
著者の野本響子さんは息子さんの教育をきっかけにマレーシアに移住され、最近は数々の新しい教育についての本を出されています。



私は野本さんの大ファンで、noteの有料メンバーシップなどに所属しています。
ですので元々好意的なレビューになるであろうことを考慮してこの記事をご覧ください。



世の中に英語の勉強本は星の数ほどある中、野本さんがどんな英語の本を書かれるのかとても楽しみでした。


元は有料noteの記事らしいのですが、かなり加筆されていたり構成?が変わっていたりでnoteを読んでいたときと(主旨は変わらないものの)かなり読後感が違います。


ですのでnote購読されていた方も一見の価値ありだと思います。


以下にこの本の特徴をあげます。



1.大学卒業時には英検4級だった方が、50代の今ではDuolingo120点(CEFRのC1に相当)に到達


タイトルに偽りなし、50代からのやり直し英語術、です。
英単語をダジャレで覚えていた方が、発音を徹底的に直して(お金をかけて)アメリカのオンライン大学院に進学できるまでになったのです。
正直同じ人に見えません。


どうして別人になれたのでしょうか?
20代の頃に「私はいつかアメリカの大学院に行きたい!」とはさすがに思えなかったと思うんですよね…。
私なら「目標遠すぎ、無理無理」とすぐに諦めていたと思います。



その方法は人によって違うんだ、ということをこの本では丁寧に解きほぐそうとしています。
詳細は3に書きます。



2.色んな立場(英語を習ったり、逆に自分が英語教師になったり、日本語を外国人に教えたり)を著者が経験したことが英語学習に役立っている


独学で外国に移住できるほど英語を磨き上げた方、大手英会話学校におられた元先生が書かれた本など、様々な経歴の方が「英語勉強法」の本を書いておられます。


野本さんの場合は、「海外に住んでいる」「自分も英語を教える側になったことがある」「日本語を外国人に教えたことがある」というご経験の持ち主であることがユニークかなと思いました。


もしかしたら「英語が苦手で悩んでいるのに人様に英語を教えられるわけない!これは英語が堪能な野本さんだからできたこと!」と感じる方もいるかもしれません。


ただ本にもあるように例えばオンライン英会話「ネイティブキャンプ」の講師になるためにはTOEIC750点が必要です。


もちろん「低い」とは思わないのですが、このハードルくらいならもしかしたら超えられる、と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私も講師やってみようかな、と思いました。
(私の資格系の英語は20年前にとった英検準1級のみです。久々にDuolingoテストなどのテスト系受けてみようかな…)


TOEIC750点なんてネイティブキャンプの質は低いな〜、とお客様視点でジャッジするのではなく
(そもそもネイティブキャンプの目的は多様な人とのコミュニケーションらしいので)
「私も教える側になれるじゃん、ラッキー!やってみたい!」と思った方が楽しいですよね。


また日本語を教えると「日本語はあまりに文法上の例外が多いため、結局文をそのまま覚えてしまった方が上達は早い」ということも知りませんでした。


だからyoutubeで日本語のセリフを覚えるまで見まくった外国人の方がイントネーションも完璧な言葉を話したりするのですね。
納得しました。



3.新しい教育のメソッドが取り入れられた40代以降の英語勉強法


野本さんがやられたことは一言で言うと「沢山聞いて、沢山読む」だそうです。

今まで聞いている量が違うので、同じノンネイティブでも日本人が聞き取れない英語をマレーシア人は苦もなく聞き取ってすぐに作業に移れるのだとか。

この「沢山聞き、沢山読む」をサポートするための教材が最近のテクノロジーによってかなり楽になってきている…という話が書かれています。


とはいえ、(ここからは私の意見です)本当に日本に住んでいると英語を一言も話しませんし、周りから聞こえてもきません…。



「何を当たり前のことを言っているんだ」と思われるかもしれませんが、2年間アメリカにいて外国語がずっと聞こえてる環境に慣れてしまうと、日本語しか聞こえないのはちょっと寂しいのです。


本当に外国語習得には不利な環境だと思います。
もちろん嘆いていても仕方ないのですが、結構なビハインドなので、かなり気長に取り組むか、どこかで外国でのショートステイを計画するなど、環境を変えてしまった方が早いかも…と感じるところでもあります。

(2023.8.26追記)
野本さんがvoicyでもこちらの新刊について語っておられました。
発音を直すことがとにかく必要だが、多くの人は自分の発音がおかしいことに気づいていないそうです。


(補足)


ここからはイチ野本ファンとしての雑感を書いていきます。


①野本さん、発信では「みんな、できることからやっていこう!」と寄り添ってくださっていますが…。
ご自分に対してはかなりスパルタですね!
あるいはすごく凝り性か。


英語学習で今までやっておられた量がハンパなくて戦慄しました。


特に笑ってしまったのは「Grammer in use」にハマってしまい3年間も取り組んでしまった…という箇所。
いくら分かりやすく書いていて面白いからとはいえ、3年も読み続けることってできますか?!


でも一生懸命文法を勉強すればするほど、自分のしゃべりがルールに則っているか気になってスピードが遅くなってしまうんですね。
それも文法を3年間やりこんだり、日本語教師のご経験があったからこそ。


机に向かって書く作業だけが英語学習じゃないんだよ!というメッセージを感じ、中年からの英語学習を勇気づけてくれますね。


書籍を読む判断の参考になれば幸いです。

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