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安田記念が高配当となった理由

安田記念は馬連1,890円の高配当となった。
高配当?と思われるかもしれないが、ソングラインとセリフォスの組合せなら、馬連800円が妥当なオッズだったはず。1,000円以上も高めについたのだから異常な高配当なのである。

勝ったソングラインは4番人気、2着のセリフォスは3番人気だった。
ソングラインは昨年の安田記念の覇者で前走ヴィクトリアマイルも勝った馬である。牡馬相手でも3番人気以内になるべき馬なのだ。
そこに近年安田記念を連覇した馬はいないという謎理論が湧き上がる。アーモンドアイやグランアレグリアさえ連覇出来ないのに、その2頭より格下のソングラインが連覇出来るわけがないというものだ。

科学的根拠のない競馬予想あるあるの謎データ論である。
アーモンドアイが連覇出来なかったのは、単純にマイルではグランアレグリアの方が強くて負けただけだ。アーモンドアイは2,000mに適性がある馬だった。
グランアレグリアが負けたのは、距離の長い大阪杯の重馬場を走って疲れが残り、ヴィクトリアマイルからのローテーションが厳しかったもの。そのためダノンキングリーの激走に屈した。どちらも敗因がはっきりしている。ソングラインは昨年と同じローテーションで調教も抜群で順調そのもの。パドックでは最高の状態で素晴らしい馬体を披露した。まさに完勝だった。

2着に入ったセリフォス。昨年のマイルチャンピオンシップでは鬼足を披露して圧勝。牡馬ではマイルナンバー1の実力を見せつけた。前走ドバイは距離の長い1,800mで5着。調教代わりの良いひと叩きになったに違いない。一週前調教では折り合いの難しさを見せたが直線は素晴らしい伸びを見せた。この折り合いで敬遠した人もいるかもしれないが、G1のマイル戦がスローになるわけがなく、先行して内からしっかりと伸びて2着を確保。実力通りの走りだった。

この2頭で馬連1,890円なのだから異常オッズのなにものでもない。
3着のシュネルマイスターは1番人気だが、まあ妥当な評価を受けただろう。ただ上位2頭にあの走りをされたらセリフィスは差せてもソングラインには勝てないだろう。

この高配当を生んだ一因がソダシの存在である。マイルは安定して走る馬ではあるが、担当厩務員の引退もあって人気が跳ね上がり2番人気に。馬の実力と全く関係ないところで人気になるのだから面白い。
ヴィクトリアマイルでも予想に書いたが、ソダシはソングラインには勝てないし、牡馬のマイルG1を勝った馬との勝負では絶対的能力が足りない。そしてソダシにとってはローテーションには無理があり、パドックでの馬体は寂しいものだった。牝馬は細く見えた時点で走らない。

さらにソダシ以外にも穴人気を背負ってくれた馬が多かった。
オークスとダービーで人気薄が3着に来たこともあり安田記念も期待した人が多かったのだろう。
しかし実力がそのまま結果に繋がる定量戦のマイル戦で穴の出る要素は少ない。
以上がソングラインとセリフォスで非常においしい配当となった理由である。

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