三文日記(2021.9.29)—自民党総裁選(口は災いのもとになりかけてギリギリセーフだった日)
自民党の総裁選が終わり、岸田新総裁の記者会見を途中まで見ていた。
滑舌は良い。発言の体をなしている。言葉数も多いし、意思の疎通ができているのが聞いていてもわかる。ただ中身が薄い。
まだ総裁に選出された直後で総論しか話せないということなのかもしれないけれど、総裁選中の論戦でも同じようにケチったカルピスみたいな薄さを感じていた。こういうときの僕の予感は残念ながらよく当たる。
言質を取られないように頭の中で周到に言葉選びをして、核心に触れないまま、いかにも核心に近いところを話してますよと匂わせてる感じ。
言葉数は増えるけれど、中身は言葉数に反比例して薄まる。
頭が良いのはわかるけど、頭良すぎて器用に立ち回るばかりになるんじゃないか(そう思われるようになるんじゃないか)という予感が。
前任者が笑いや情けなさを通り越して気の毒になる程の口下手だったこともあるんだろうが、総理大臣という仕事に必要な条件って、実は明文化できるほどしっかりしたものがあるんじゃないかと思ったのだった。明文化しても誰も得はしないからやらないだけで。
昔から偉そうなヤツは大嫌いという性分なので、ロクでもない政治家連中などボロクソに言いまくるのが常なのだが、今回の総裁選は何かいうほどの面白みもなくて、何も言わないままでいた。
今日になって初めて知ったのだが、なんと新総裁の岸田さんは知り合いの同級生だった。就任直後から好き勝手な悪口雑言まみれにしないでよかったー(ろくでもなければ構わずこき下ろすだろうけど)。
それにしても1億2千万人の国民を率いる総理大臣を、たった750人分程度の票で決めてしまうって、そのシステムもどうなんだろうねえ。
自民党の総裁選を見るたびに、代議士制と政党政治の限界を感じてしまうのだった。
かといって日本のように立憲君主制と民主共和制が当たり前に並存するような特殊な国で大統領制を導入するなんて、アクロバットもいいところだけどさ。