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溺れる青い星
朝陽が顔を出す頃
猫そっくりの毛糸屋の店主は
宿屋に戻ってきました
ぽかぽかぬくぬくの寝床に
本当の猫のようにまあるくなると
あっという間に夢の側へ
誘い込まれていくのでした
先ほどまで見あげていた海に
まあるい何かが
たっぷんとっぷん
いったりきたり
夢の中で
猫そっくりの毛糸屋の店主は
小さな青い何かが溺れそうになっているのを
なんとかしようと必死に手を伸ばし
そこで目が覚めました
いつのまにか雨になったようです
やわらかな雨には
みかんと森の香りが混ざっていて
ほんの少し岬のお店が恋しくなりました
店主は
ううううん❣ と伸びをすると
「やることリスト」を確認しました
今日の予定は
「魔法は使わない」
「のんびりする」
なるほど
旅先でないと実現は難しい
明日はフリュで風と花を受け取る日です
予定があるのも
予定がないのも
同じくらい素敵なことだと
毛糸屋の店主は思いました