「あんた誰な?」
こんにちは。五木村で働く一般人です。私は熊本県の真ん中の山の中に位置する、人口たった1000人の村で育ち宮崎県都城市で5年間の社会人経験を積み、Uターンして参りました。私が五木村に帰ってきてから気づいた、外では経験することができなかった体験を書いていこうと思います。
人は多いがなんだか寂しい
皆さんは見知らぬ土地に住み、暮らしたことがあるでしょうか?見知らぬ土地での一人暮らしはワクワクすることもたくさんあります。「こんなところにこんなお店があるんだ!」「休みの日はこことここに行って充実した休みを過ごそう!」色々重い描くキラキラな日々が待っていると最初は思います。
しかし段々と慣れてくると当たり前に会社に行き、休みの日は家で体を休める。気づくと休みの日に発した言葉はコンビニのレジの方に「あっ、袋はいらないです。レシートも」の一言のみ、、、そんな日も私はありました。街を歩けば見渡す限りに人がいるのに、どこかしら寂しいと感じることがあったのです。
赤の他人がいない村 五木
私は五木村にUターンし地元の会社に就職すると、村内全域で仕事をすることが多くなりました。私が現場作業をしていると近くにいるおじいちゃんやおばあちゃんなどはよく話しかけてきてくれます。話の内容は「はちみつのたくしゃとれたぞ」「今日はヤマメば釣りにいったばってんいっちょん釣れんやった」など他愛のない会話のやりとりが行われます。
でもあれって誰なのかな?
今の会話を聞いているといかにも知り合いの会話と思えますが実はこれ、私は喋っている人が誰なのか全くわかっていないのです。中には会話途中「ところであんた誰な?」と私が何者なのかを聞いてくる方もいます。しかしながら五木村はたった1000人しかいません。両親や祖父母がどこの誰というのを説明するとおじいちゃんおばあちゃんたちは「えー白石さんの孫ね」と理解され、名を名乗らぬままどこかへ戻ってしまいます。
私は喋った誰かが気になりモヤモヤしてしまうので喋っている人の特徴を頭の中に覚え、帰ってから親に確認するのです。
温かい村五木
五木村では少し外に出ると、周りの方がすぐに喋りかけてくれます。それが知っている人だろうと知らない人だろうとコミュニケーションを取ろうとするのです。私はUターンしてからの4年間でそれで多くの知り合いが増えました。そんな温かくハートフルな五木村が私は大好きです。