トーマス・ブレークモアと庚申塔 生活クラブ協同村ひだまりファーム
小中野から星竹通りを西へ向かって歩いていくと間もなく生活クラブ協同村ひだまりファーム(以下協同村)のトーテムポールが目に留まります。そこから坂道を50mほど下ったところに庚申塔があります。庚申塔というのは平安時代の頃、中国から日本に伝わった庚申信仰が背景にあり、講を行った証に建立されるものです。庚申信仰は江戸時代になると賽の神や魔よけとして爆発的に全国に広まりました。
また、協同村というのはその前進がアメリカ人のトーマス・ブレークモア(1915年│1994年)が1976年に開いた実験農場でした。彼はその一角に別荘を建て、週末などに妻と共に車で来郷していました。
彼は弁護士としてよく知られていますが、日本で最初のフライフィッシング(毛ばり)用の専用釣り場を1955年に養沢に開いた人としても有名です。協同村にある庚申塔は、一説では彼自身が域外から取り寄せて建立したようです。この庚申塔を見る限り、彼は巷で知られている様々な社会活動家の他に、日本に古くから伝わる民間信仰にも深い関心があったのではないか、という一面を覗かせています。