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未熟な三十路アニバーサリー


私は今年、三十路を迎える。
30年も生きたなんて信じられない。
体感ではまだ8年だ。
30年も生きておいてこの仕上がりかと
自身の未熟さに打ちひしがれる日々だが、
小学生からの長い友人と年齢の話をしながら
バーミヤンでお茶をしばしていた時に
(私はお茶どころかチャーハンをしっかり食べた)聞いた言葉にハッとさせられた。

「うちら、アニバーサリーイヤーだかんね」

私は昔からその友人の発言から学ぶことが多いが、この時は特に面食らってしまった。
続けて友人は言う

「ディズニーとかだったら盛大に
          お祝いされてるかんね」

私の脳内でカァ〜〜〜〜ッッ!と
勢いよくビブラスラップが鳴った。


いつから、三十路という言葉を
まるで大きな敵を迎え撃つかのように
感じていたのだろうか。
いつから、年齢を重ねるごとに
生きてきた年月を想い、
思い出に浸っては虚しくなっていたのか。
子供の頃はケーキを前に満面の笑みで
ダブルピースをしていたじゃないか。

30歳というアニバーサリーイヤーこそ、
ダブルピースの笑顔で過ごすべきじゃないか。

しかし、時代には何事も常に旬があるもので
実力派俳優もアイドルも
気付くと皆私より年下なのが現実だ。
自分より若く、
才能に溢れた人を見ると
どうしても無能な自分と比べてしまう。
比べたって何も変わらないのに。

そんな私を変える出会いがあった。
私が大好きなイタリア出身のロックバンド
マネスキンが自分より年下であることを知った時、
私の脳内で勢い良く
バァ〜〜〜〜〜ンと銅鑼の音が響いた。
この時は決してショックだったわけではない。
「未来、明るい…!!!!」と心底思ったのだ。彼らが生きている限り、
私は長生きできるぞと思う事ができた。
こんなにも幸せなことがあるだろうか。
この気持ちを自然に抱くことができるようになってから、
新たな出会いに際して
年齢というものをあまり気にしなくなった。

先日のレッチリのライブに行った時には
ろ、60過ぎであのパフォーマンス…!?
とは思ったが、あの方々があまりにも特殊なのだと思う。

そんなわけで、
アニバーサリーイヤーを全力で楽しもうと思う。年齢なんて言わなければ
分からないものだかんね。


では、また。






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