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DXとデータドリブンとPower BI

□はじめに

Power BIとデータ分析の学びサイトでセミナー講師とコンサルタント担当している鈴木です。

今年も12月になり、Power BIのAdvent Calendarの時期になりましたよね。

この時期が来ると、Advent Calendarと共に今年の過行く1年に思いを馳せる時期なのですが、ちょうど1年前の去年の記事の冒頭で「私も一年で定期的に開催している東京・大阪の研修や一社研修等で35回開催しました。年々盛り上がってきていますので、来年は50回開催に向けていきたいと思います。」と書いてますね。

セミナーに対する意気込みがすごかったですね。。

で、今年はどうだったかというと

個別企業へのBI講師やコンサルで、5年前からPower BIの導入や研修を行っている企業様で業務へ適用がどんどん進んで全社レベルになってきております。今年もPower BIの企業研修してほしいとの事でオンデマンド動画研修で600名も受講いただいております。

今ではお客様自身で内製化して自走できる状態になっているので、DX(デジタルトランスフォーメーション)が良い感じで進んでいる状態ですね。
このお客様はBusiness Intelligenceの導入事例でとてもいい成功事例だと思っております。


□お題目「DXとデータドリブンとPower BI」について


前置きはさておき、今回の本題になりますが、「DXとデータドリブンとPower BI」という題材にしました。「部屋とワイシャツと私」に韻を踏んだ感じにさせていただきましたが、それと本文は全く関係ありません。なんとなくノリです。

最近、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉や、「データドリブン」という言葉を聞くことが多くなったと思いますが、特に最近はコロナの影響でリモート勤務ということになり、デジタル化が大事だという事でDX化という事が使われることが多くなったかなと思います。

それに伴い「DX」や「データドリブン」という言葉が付くセミナーや、また経産省のホームページにあるDXのガイドラインを見てみると理想的なことや、よくある課題などで「DX」を話していることが多くみられるようになってきております。

セミナーなので、集客しなくてはならないので、キーワードで煽るのは解ります。そして、ここは課題です。ここは問題です。と煽るのは解ります。でも煽るだけ煽って中途半端な対策だけで、最終的に具体的な対策や事例や最後の出口まで提示していないのが多いのでは?と思います。

私どもは長年、Power BIを使ったBIの導入や社員教育だけでなく、データを使った業務や経営改善まで行って実績を出してきました。そういうBIコンサルの立場から言うと、「DX」や「データドリブン」というのは、言葉が変わっただけで、以前から当たり前のように行ってきた方法になりますので、そういう出口を意識していないセミナーやヤケにキーワードを誇張したセミナーというのは見て非常に残念に思います。

そういった背景があるため、弊社にも、上司からDXを進めろと言われたけど、どうやったら良いの?どこから進めればよいの?DXどうしようか?と悩んでいる企業担当者が多いと思いますし、現に私どもにDX化の相談で入ってくることも多くなってきました。

この記事では、そういった悩んだりしている顧客 担当者もいる方に参考になる考え方や進め方を経験・実績からお伝えさせていただき、少しでも助けになればいいなと思います。

すべてDXがこれで賄えるわけではないですが、DX化を考えるとき、進めるときの一つの方法や考え方として参考にしていただけたら幸いです。

では、本題に入っていきましょう。まず、DXの言葉の定義から確認しましょう。

□DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何ぞや?


デジタルトランスフォーメーション(英: Digital transformation; DX)とは、
「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」
(ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授)  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


そこには3つのステップがあるという事ですね。

第1フェーズ:IT利用による業務プロセスの強化
業務プロセスを情報システムにして、現場で働く従業員にこれを使わせることで、業務の効率や品質を確実にしようというのです。言葉を換えれば、紙の伝票の受け渡しや伝言で成り立っていた仕事の流れを情報システムに置き換える段階です

第2フェーズ:ITによる業務の置き換え
業務プロセスを踏襲しつつも、ITに仕事を代替させ自動化するのがこの段階です。これにより、人間が働くことに伴う労働時間や安全管理、人的ミスなどの制約を減らし、効率や品質をさらに高めることができます。

第3フェーズ:業務がITへ、ITが業務へとシームレスに変換される状態
人間が働くことを前提に最適化された業務プロセスを、機械が働くことを前提に最適化された業務プロセスへと組み替え、さらなる効率と品質の向上を実現仕様という段階です。


要約すると
「業務をデジタル化(第一フェーズ)させ、今までルーチンワークになっている部分をITにて自動化(第二フェーズ)させ、ITで業務を高度化(品質向上・効率化)に改善(第三フェーズ)していくと「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」=DXという事ですね。

なるほど、とても理想的な考え方で理想的な方法ですね。でも、方法論という事で行間が空いている表現であいまいですので、これらの言葉では頭ではわかったけど、行動には結びつかないと思います。そして、DX化するための本来の目的、なんのためにDXするのでしょうか?なぜ故、DX化するのでしょうか?という肝心なDX化する目的が語られてかたられていないのですね。これだけだと消化不良な感じですね。

□企業がDX化する目的とは


では、企業がDX化する目的とは?推進する理由は?何でしょう?
デジタル=データ化する。データ化するのは、分析するための手段であり、分析する目的は業務での意思決定を行うためです。単にデータを取り込んで、可視化したレポートを作っても、その業務の中で意思決定で使用できなければ意味がありません。
そして、その最終目的は、分析結果で意思決定を行い、それをよって業務を改善していく事である。
そのための手段としては、業務をデータ化して、分析し、意思決定することが大事であると考えております。

□データドリブンとは何ぞや?


もうひとつの「データドリブン」とは何でしょう?ここでも言葉の定義を考えてみましょう。

昨今、「データドリブン経営」などの言葉を聞くことが多くなってきております。データドリブンの「ドリブン」を辞書で調べると、Drive(運転する、駆動する)の過去分詞のDrivenです。「データドリブン」とはデータによって、突き動かされるという意味です。

「データドリブン経営」とは、データによって衝き動かされる。つまりデータ分析結果から意思決定を行う手法の事を言います。
この「データドリブン経営」の対義語は何かというと「KKD経営」ですかね。KKDとは勘と経験と度胸のローマ字の頭文字をとった略度なんですが、データに基づかない意思決定というような言い方でネガティブな表現で、業務コンサルタントとか自戒の意味で昔から使われている言葉で、このKKDとならないようにERPや基幹システムからデータを取り出して、レポートに出したり、Excelの表計算や、VBAで集計して、グラフにまとめて会議で使ってきましたよね。

「データドリブン」言葉としては目新しいですが、内容は昔からあるものだし、今までKKDにならないようにデータ分析した元を使って意思決定している。何を今更変えるところがあるのか?とおっしゃるところが多いと思います。

□データによる意思決定の流れ

ここまで、「DX」や「データドリブン」というキーワードがわかったところで、次の絵を見ていきましょう。データによる意思決定の流れという図になりますが、人々の仕事・業務での活動から意思決定し、また、その結果を使って業務改善を行っていくという図解したものです。実際、皆さまの会社の仕事・業務でもこのようなサイクルになっているところが結構多いと思います。

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ここでは業務の流れとしては、⓪~➃の流れで流れていきます。➃で意思決定で業務改善して、また、⓪に戻るというサイクルになります。
よく見るとわかりますが、➀の部分がデジタル化に当たる部分、➂の部分がデータドリブンとなる部分です。真ん中の「➁人がデータを活用するため、データを収集し、データの可視化」についてはBIツールではなく、人手でExcelで行っている会社もあると思います。

⓪現場での業務や人の活動がデータとなる

現場業務や人の活動がデータとなる。

➀人の活動やモノをデジタル化(DX化)

業務でのデータ限りなくデータ化する。紙などは文字認識してデータ化、モノはセンサーを付けてデータ化、人の活動はトラッキングしてデータ化を行う。手動での作業は自動化していく。
アナログからデジタルにしていく箇所、DX化ではここをデータ化していくことが議論されることが多い。


➁人がデータを活用するため、データを収集し、データの可視化

「データ化」ができたら、人が活用できるようにデータ分析処理(「データ収集」/「データ整形」/「データ蓄積」/「可視化」の範囲)を行います。
その時に意識することは、データ発生源になる「現場の活動」の理解が重要である。データから業務を知る事と、業務でデータ発生するポイントを理解する事を行っていく。

③分析として、最後アウトプットで意思決定を行う(データドリブン)

分析のアウトプットは、「意思決定」になりますので、会議体での意思決定をするときの思考の手順を意識したデータ可視化をしていく事が重要になります。

➃意思決定を行ったら、それを業務の改善に反映していく

データからわかった知見により、業務を改善していく。より効率化、高品質化、自動化を図っていく。

□DXの進め方

まずどこから手を付けたらいいでしょうか?それはどこか?それは会議体になります。前の図でいうと「③分析として、最後アウトプットで意思決定を行う(データドリブン)」の箇所になります。

DX化といったら、まずは紙や手作業をデジタル化する「➀人の活動やモノをデジタル化(DX化)」の箇所から考えがちですが、業務的な効果がでるまでは時間がかかるし、末端から始めると目標がずれがちで、DX化の効果が見えるまで、目標がないゴールが見えないプロジェクトは疲弊するしあきらめてしまう事が多いのではないかと思いますので、まずは効果が表れる部分を攻めていこうという事で、まずは会議体でのデータドリブン化を進めます。

要するに「DX化」のまえに「データドリブン」を進めることが大事ということです。

□データドリブンの進め方


会議体でExcelを使っている分析グラフをPower BIに置き換える事をしましょう

Power BIを使えば、データ集計は人手をかけることなく自動化することができます。自動化することができるので、見たいときにデータを更新してリアルタイムで分析することができるという事です。

あともう一つ大きいのが、きちんとスタースキーマで大きな一つの分析モデルを作れば、ドリルダウン・ドリルアップ、ドリルスルーすることができるので、グラフで特異点が出たときにスライシング(分析軸での絞り込み)、ダイジング(軸の入れ替え)、ドリルダウン(データの明細化)、ドリルアップ(データの集計化)明細データの確認が出来るため、問題データを発見することができ、その場で解決することができるのです。

それこそがデータドリブンという事につながります。

そして、さらに重要な部分は、会議の意思決定にあわせてレポートをつくるという事です。ここはコンサルメソッドになるため、概要だけになりますが、以下の内容でBIレポートをさらにブラシュアップするとBIレポートがデータドリブンとして使用できます。

・会議での意思決定の暗黙知を紐解き、意思決定の思考と、順番を整理します。
・意思決定の思考に合わせて、分析軸の組み合わせと、グラフの機能を考えます。
・意思決定手順に沿ったグラフの配置でBIレポートを作成する。

□データドリブン中心にして、改めて、DX化を図っていく


会議で意思決定するにあたり、不足する部分をDX化(アナログからデータ化)していく。
紙をデータ化や、今までBI化されていない部分を取り込む。外部のオープンデータやマーケティングデータを取り組む。モノをデータ化したい場合はIoTという事でデジタルデータ化して、意思決定へ結び付けていただければと思います

これらの⓪~➃で業務改善で⓪というサイクルを進めてDXを進めていければいいと思います。

□最後にまとめると


DX化はPower BIで十分に行うことができます。
・まずは意思決定の中心となる会議体をデータドリブン化することからがスタートになります。
・データドリブンがある程度進んできて、意思決定に不足している部分をデータ化する検討をおこなっていき、データ化されていない部分のDX化を図ります。
・対象業務としては会議体を意思決定をBI化することによって、手っ取り早く効果でますし、会議だと皆さんに理解しやすいため、DX化に関して様々なアイデアが出てきます。
・DXについてはデータ化されていない部分のDX化を行うというよりかは、既にシステム化、データ化されている部分から意思決定に紐づけること。
・業務対象は現場サイドに近い部分から意思決定を求める会議体などをスタートにして、そこから、どんどん経営層に挙げていくという手法をとると展開しやすいし効果があります。
・最終的にはお客様の社員で内製化して自走できるように育てる。そして併走してサポートしてあげることが大事です。弊社ではまず社員の方々にPower BIハンズオンセミナーで研修を行うことからスタートして、代表的な会議体をデータドリブンすることから始めます。最初はお客様でできないところがありますので、弊社でプロトタイプを作って、スキルトランスファしてスキルと業務をサポートするという事で進めています。

DX化をどうすればよいかわからない。DX化で悩んでいたりする場合は、問合せフォームまで気軽に相談してください。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

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