ロシアの昔話 きつねとうさぎ|美しい文様とほっこり力強い絵|大人も楽しめるおすすめ絵本
絵本と聞いて、私が一番に思い出すのは昔話だ。まんが日本昔話に始まり、海外の昔話も楽しんで読んでいた。
大人になった今、昔話が持つ役割の素晴らしさを感じている。その土地の文化や風土が色濃く反映された昔話は、素晴らしい異文化体験であると同時に、素敵な物語の形をとった教訓も与えてくれるのだ。
そういった背景もあり、絵本を贈るとき、いろんな国や文化の物語を広く検討するようにしている。また複数冊本を贈るときは、できるだけ各国1冊だったり、各大陸1冊だったり、そういう風に選ぶようにしている。
そんな海外絵本の中から、お気に入りの一つを紹介したい。
絵のフランチェスカ・ヤーブルソワと構成のユーリイ・ノルシュテインは夫婦で、どちらもロシア出身。ふたりとも映像業界に身を置いていた経歴を持つ。
タイトルの通り、きつねとうさぎと、動物たちの物語。森の中で暮らすうさぎが、きつねに家をとられてしまう。そんなうさぎのためにと、森の動物たちが家を取り返すために奮起していくお話。
表紙の印象通り、印象的でかつほっこりした色使いと、独特の文様、味わい深い表情を持つ動物たちの絵が印象的。きつねとうさぎ、それぞれの家の特徴もロシア的で、澄んだ匂いのする森が生き生きとイメージできるようだ。
日本の伝統とは少し違う色彩感覚やデザイン、動物の描かれ方に、きっと新鮮な感覚を得られるだろう。「不思議だね」「おもしろいね」「見たことないね」そんなことを言いながら、目をキラキラさせながら絵本の世界に没入する子どもがイメージできるようだ。
世界にはいろんな国があるとか、いろんな言語があるとか、そんな難しいことは理解しなくていい。でも絵本を読むことを通じて、世の中にはいろんなものがあって、違うことは素敵なことだと何となく理解してくれたら、それはとても素敵なことだと思うのだ。
絵本についての私のnote