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あおのじかんーイザベル・シムレール|世界のどこかで、ゆたかに色と時がうつろう|大人も楽しめるおすすめ絵本

「あお」という言葉に、どんな色を想像するだろうか。また、どんなものを想像するだろう。

この絵本に出会って、私はそんなことを考えるようになった。

『あおのじかん』
イザベル・シムレール
 文・絵 、 石津 ちひろ 訳
岩波書店

作者のイザベル・シムレールさんはフランス在住で著作家やイラストレーターとして活躍されている方。

絵本作家として多くの絵本を生み出されており、日本でも複数出版されている。

この絵本と出会ったのは2年前、仲良くしてくれている先輩の出産祝いに絵本を贈ろうと探していたとき。

表紙の美しさに惹きつけられ、同時に潔さや孤高とも言えるような気高さを感じた。『あおのじかん』というひらがな表記にもくすぐられた。

この絵本には何を包んでいるんだろう、どんな世界に連れて行ってくれるんだろうとわくわくした。

『あおのせかい』ではない『あおのじかん』


あおのじかん、それは、日が沈んでからの、暮れていく時間。

時間をかけ、濃淡がうつろっていく空に合わせ、様々な場所のあおいものたちに優しく目を向けると、印象的でドラマチックな冒険が始まるのだ。

『あおのじかん』とはすばらしい表現だとつくづく思う。うつろっていく過程を美しく表現する、ぴったりの言葉。

『夕日』でも『夕暮れ』でも『夜空』でもない『あおのじかん』を美しく切り取ってみせてくれるこの絵本は、地球の営みや生き物の息吹を感じさせ、ここではないどこかへ連れて行ってくれる。子どもはもちろん、大人も楽しめる絵本。わたしの家にも連れ帰った。

すべてひらがな表記なので、子どもが自分で読むハードルが低いのも魅力だ。

来月姉に娘が生まれる。彼女の人生のスタートに、この絵本を贈るつもりだ。彼女と、彼女の両親にとって、思い出深い絵本になることを祈る。


絵本についての私のnote

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いっつみい
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