インドの空港は、搭乗券がないと入ることすらできない|インド4日目 日本への帰国
10日間を予定していたインド旅行を切り上げ、4日目にして帰国することにした。
4日目、荷物を準備して足取りも軽くインディラガンディー国際空港へ降り立った。
ホテルもあまり居心地が良くなかったし、街も街で物乞いがいたり気を使うので空港で時間を潰すことにした。
チェックアウト時間を待たずに朝9時頃ホテルを出、空港に着いたのはもうすぐ10時というタイミング。飛行機は夜10時なので、12時間空港で過ごすことになるが、カフェで一人で過ごすつもりでいた。
空港の車寄せで、私は衝撃の事実を知ることになる。
インドの空港は搭乗券(e-ボーディングパスでも可)とパスポートがないと入ることすらできないのだ。見送りもできないし、空港のレストランに行くなんてもってのほか。
ライフルを胸に下げた兵士に、パスポートと搭乗券を見せて、怪しいものではないと判断してもらわなければ入場できず、怪しいと判断されれば航空券があっても入場できない、つまりどこへも行けないのだ。
e-ボーディングパスを用意していたからよかったものの、用意していなかったら大変だった。
空港入り口の前に搭乗券発券機があるのだが、その発券機で発行できるのは離陸まで4時間を切った便のみ。
私は離陸まで10時間あったので、e-ボーディングパスがなければ6時間待ちぼうけだった。空港のWiFiは仕組み上空港に入場しなければ使えないので、自分のネットワークがなければその場でe-ボーディングパスを準備することもできないのだ。
6時間待ちぼうけをしていたら、警備の兵士に怪しまれたかもしれない。どこかに連れていかれて本格的な取り調べなんてされたら、確実に気持ちは折れてしまっただろう。
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パスポートとe-ボーディングパスを見せて無事に空港に足を踏み入れたものの、そこでまたも衝撃を受ける。チェックインカウンターがあるホールには、小さなカフェ(ワゴンタイプ)が一つあるのみで、時間を潰すのに十分な飲食店やスペースがないのだ。
仕方なくそのカフェでサンドイッチとコーヒーを買い、あとはスマホのsimネットワークを使いながらスマホで時間を潰したり、本を読んだり、ぐるぐる歩いたりしてチェックイン開始までなんとか6時間過ごした。
チェックインが始まり、チェックインカウンターで手続きをしていると、インド空港の困難にまた直面する。チェックインでイミグレーションのような(むしろ他国のイミグレーションよりも厳しい)事情聴取が始まるのだ。
インドを出てどこに行くのか→帰国する
なぜ直行便で日本に帰らないのか→最短の日程では直行便は完売だったのでクアラルンプール経由だった
マレーシアのビザは持っているのか→日本人は30日以内のビザなし滞在可能
クアラルンプールからどんな経路で帰国するのか→クアラルンプールから羽田(搭乗券データを見せろと言われた)
なぜ羽田空港を選んだのか(この質問は本当に意味がわからない無駄なもので、もう少しで笑ってしまうところだった)
インドの空港は怪しい人を徹底的に排除したいのだろうが、そんな怪しい人は少なくともさっさとインドから出国させた方がいいのでは?という疑問があったり、そもそもチェックインとして果たすべき責務を超えているのでは?という話なのだが、笑顔でこなした。帰国できるということは何よりも嬉しかった。
質問に答えていくと、紙の航空券が発券され、イミグレーションとセキュリティに続いた。
イミグレーションでは何も聞かれず、ただ黙ってスタンプが押された。チェックインカウンターと責務が逆転している状態だった。
セキュリティは明らかに人手不足で、セキュリティ待ちの利用客が文字通り列をなしていた。
インドの空港、特にインディラガンディ空港利用者はできるだけ早く空港に向かうことを強くお勧めする。
そこからはもう気持ちも足取りも軽く、航空機に乗り込み、空の旅を経て帰国するだけである。
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結論から言って、私はもうインドを個人的に訪れることはないだろう。
私にはハードルが高すぎるし、インドに滞在しなくても私はハッピーで満ち足りた状態になることができる。
インド滞在を経て、私は安心と安全が自分にとってなくてはならないものだということを知った。
その学びと、混沌を見せてくれたインド。ビザの申請の時点から、これまでとは全く違う世界だった。