くせ毛や天パに悩む人へ
過去の写真を見返してみた。
黒髪ロングヘアをばっさり切ったのは2019年9月。40歳を迎える直前、肩の長さのボブにした。
物心つくころからずっと自分のくせ毛(天然パーマ)が嫌いだった。くせ毛に対するネガティブな言葉を日常的にもらってきた。
だから、20歳になる頃に縮毛矯正のパーマが世の中にあると知った時、本当に救われた。やっとみんなと同じになれると喜んだ。
それから20年、3〜4ヶ月ごとに縮毛矯正をかけ続けた。計算してみると約70回。一回の施術が3時間を超えることもよくあった。
規定通りの時間でまっすぐにならない毛。タイマーと髪を交互に見ながら限界を探してくれる美容師さんにいつも申し訳ない気持ちになった。そして、なんてひどいくせ毛なんだろうといつも自分を嫌いになった。
美容室に行くたびに自分の髪の毛を嫌だと感じることも悲しかったし、年齢とともに段々と髪の毛のボリュームも減ってきていることも心配だった。毛根が弱っているからか、足元に落ちている抜け毛をたくさん見ていた。元々の毛量は少なくはなかったけれど、この先ずっとこんなことを続けていていいのかと不安があった。
縮毛矯正をやめることに対しては2年ほど悩んだと思う。そうして40歳を目の前にしたタイミングでバッサリ切った。くせ毛で生きていくんだと決めたけれど、それでもしばらく辛かった。
根元から少しずつ伸びてくるうねりのある毛に対しての嫌悪感があった。
扱いに慣れるまで、ヘアケア、ヘアセット、本当に試行錯誤した。うまくいかなくて泣きたい気持ちになることもよくあった。
でも、「それでもくせ毛を活かすことは無理だとなったら縮毛矯正に戻れば良い」と思えることがとてもありがたかった。
結局、縮毛矯正の技術には感謝しかない。
縮毛矯正をやめてから5年が経った。
今でもストレートヘアに憧れる日もある。
でも、自分のくせ毛を良いなと思える日がある。
くせ毛だったなんて!パーマかと思ってた!!おしゃれだね、と言ってくれる友人もいる。
そんなくせ毛に生まれたかったわ、と言ってくださる方にもたくさん出会ってきた。
この先、くせ毛の魅力がもっと広まってくれたら良いなと思う。
私のように悲しい思いをする人がいなくなるといいな、くせ毛を活かすヘアスタイルが選択肢として当たり前になったり、オシャレだったり、ポジティブなイメージになっていくといいな、と願う。
その変化のうねりを作るひとりになりたい。
私ができることは、くせ毛ともっと仲良くなること。そして、自分の思いや選択をこうやって言葉にして伝えていくこと。私の髪の毛がくせ毛であることを肯定して生きていくこと。だと思う。
もしもこれを読んでくれているあなたが、自分のくせ毛に思い悩んでいるならば、あなたはひとりじゃないから大丈夫。そして、【一生縮毛矯正をかける】以外の選択肢もあるから大丈夫。
かつての私のように、悲しみながら髪の毛と向き合っている人がいるのなら「こんな悩みがあったよ、悲しみがあったよ。でも、今が一番心が軽いよ。髪質を楽しめるようになるよ。」とお伝えしたくて。
これがくせ毛に悩む誰かの少しの希望になればとこの文章を綴りました。
読んでくださりありがとうございました。