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ロックダウン中のロンドンより

※2020/4/2 追記:このブログは日本の感染拡大が少しでも防げたら良いなという想いで書きました。全部読む時間がない人でも以下の点だけでも伝われば嬉しいです。

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・日本の今の感染者の増加の感じがイギリス3月前半の状況(まだ数百だった頃)と似てる気がする
・感染者数が一気に増え出す時は爆速だった
・色んな施設が政府の正式なロックダウン要請の前に独自で自粛の判断している
・怖いのはロックダウンになることよりウィルスに感染すること、そして感染が広がって医療が崩壊の危機に晒されること
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(時間がある人は以降の本題もどうぞ)

久々に投稿がまさか、ロックダウンのレポートになるなんて思っても見ませんでした。イギリスでロックダウンが始まっておよそ1週間ちょっと。日本の実家には高齢の家族もいる関係で、ロンドンに踏みとどまっている今、せっかくなので現状をレポートしたいと思います。

ロックダウンまでを道のりを時系列でおさらい

・3/3 火 (イギリス国内の感染者数:51)
学生の中で新型コロナウィルスの陽性の人が出たという連絡が来て、学生たちの中で大騒ぎになる。不幸中の幸いで3/13までイギリス国内の大学で大規模ストライキ中だったため、ほとんど授業が行われておらず、陽性の学生も学内に立ち入って居なかったため、学校も通常通りそのまま開いたままになる。

・3/9 月(イギリス国内の感染者数:321)
イギリスは当初から、感染の疑いがある人は病院に行ってはならず、電話での報告・自宅待機が基本としていたが、改めてかかりつけ病院より、突然の来院はNG、電話連絡をまず始めにするように通達が来る。このアナウンスはその後も何度も個人宛に送られてくる。

・3/10 火 (イギリス国内の感染者数:373)
ストライキ中でも開催されていた授業を受けるが、コロナ騒動のきっかけで4分の3の学生が授業を休む事態になっている。この時点でスーパーは通常と変わらぬ状態だった。

・3/12 木(イギリス国内の感染者数:590)
ストライキ中でも開催されていた授業を受けるが、火曜日同様、ほとんどの学生が欠席をする。同級生が「スーパーマーケットにパスタとトイレットペーパーがどこにも無くなっている」と嘆いている。
夕方、首相が会見をし「集団免疫戦略をとることが発表され、ロックダウンなどの対応策を取らないという知らせを受ける」

・3/13 金(イギリス国内の感染者数:約1100)
ロックダウンの事が頭をよぎり、16時頃大きめのスーパーへ行く。時すでに遅し。色んな棚がすっからかんになっている。幸い小さめのアジア食品店ではまだ在庫があり、そこで食料などの買い出しをする。

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・3/16 月(イギリス国内の感染者数:約1500)
通っている学校が状況を鑑み、政府からの学校封鎖の通達を待たずして、独自の判断で本年度の残りの授業を全てオンラインに切り替える決断をする。と同時に、この1週間を準備期間として休みに切り替え、留学生、実家がある人は家族の元へ戻るように促される。恐らく、この一歩早い段階での判断で多くの学生が、爆発的感染の前にいち早く帰路につくことが出来たと思われる。

・3/17 火(イギリス国内の感染者数:約1900)
政府が集団免疫から方針を変え、外出自粛を促す。この時点ではバーやカフェなどの営業停止は命じられていないが、ミュージアムやギャラリーなどが次々と閉館を発表。事実上のロックダウン一歩手前になる。

・3/18 水(イギリス国内の感染者数:約2600)
イギリスの大手スーパーが次々とコロナ対策に適応した運営方針の変更策を発表。お年寄り優先買い物時間、お年寄り、障害を持った人への優先配送、品出しへの人員重点配置など、柔軟で合理的な策が上がる。(数日後にスーパーに行ったら、十分に品が戻って来ている状態でした。)

・3/19 木(イギリス国内感染者数:約3300)
ロックダウン一歩手前。それでもカフェなどが開いているため、道端には人の通りがまだある。スーツケースを片手に足早に引っ越しをして行く学生の姿が多く見られる。マスクやゴム手袋をして歩いている人を大分見かけるようになる。

・3/21 土(イギリス国内感染者数:約5000)
政府より、正式にカフェやパブなどの営業停止、学校閉鎖の勧告が出て、この日から本格的なロックダウンが始まる。前後して身近な留学生たちが次々と帰国し始める。様々な夢を抱え海外に来ていた学生たちが、道半ばで帰国して行く姿に胸を痛める。

今現状のイギリスの詳しい対策などは、こちらの記事がよくまとまっているのでこちらをどうぞ。

ロックダウンまでを振り返って

今頃になって時系列で振り返ろうと思ったのは、感染者数が爆発的に広がるまでが思った以上のスピード感だったということを日本にいる皆さんに伝えるためです。3/12くらいまでの数十から100くらいの増え方の時はジリジリしていたんです。
ですが、1日500人くらい増えだしてからは、まさしく"爆速"で目まぐるしく日常が変わっていきました。1日の感染増加数が+500, 700, 1000, 5000というようにどんどん増えていって、もはや実感のない数字まで増えています。日本も今まさに感染爆発の分かれ目と言われています。イギリスのジリジリしていた時期と似たような感覚を覚えます。
また、この時系列を見てて分かると思いますが、感染爆発の過程では迅速で柔軟な対応がとにかく求められます。幸いにも自分の通う学校は政府の発表を待つ前に早期に対応をしてくれましたが、同じロンドンの学校でも対応が後手後手に回った所もあるようです。そういうところは学生の混乱と不満が爆発していました。こういう時こそ、早め早めの対応が大切なんだと痛感しました。

ロックダウン生活を1週間ちょっと過ごして見て

感染が爆速的に広がる過程で、様々なドラマがありました。今もなお、医療現場では大変な思いをして戦ってくれている人がいます。だけれども、不安と同じくらいに人々が支え合う、そんな話も溢れていたりします。1週間ちょっと、実際ロックダウン生活を経験して思い浮かぶのは、冷静さを失っていない人々です。その冷静さの背後にある、ロックダウン中の起きているポジティブな出来事をここでご紹介する事で、この非常事態にすべきことが何か、考えるきっかけになればと思います。

1. 家族と連絡をする機会が増えた。

2. 中々連絡をとれていなかった人たちと、ビデオチャットなどで話す機会が増えた。

3. 今までのこと、将来のことをゆっくり考え、リサーチする時間が出来た。

4. 近所の公園にある草木の美しさを楽しむ余裕ができた。

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5. 人々が励まし合う姿を毎日のように見かけるようになった。

イギリスの80の地元紙がいっぺんに「私たちはあなたと一緒にいます」とコミュニティを励ますタイトルを一面に
・NHSで働く人を20時頃窓際で拍手と喝采で感謝を伝えるイベントを実施

最後に、励みになったBBC RADIOの動画の言葉をご紹介したいと思います。日本語は私個人による意訳抜粋ですので、是非原文の動画も・・

そこには不安があります。だけどそれを嫌いになる必要はありません。
そこには自己隔離があります。だけど孤独になる必要はありません。
そこには買占めがあります。でもそこに意味を見出す必要はありません。
そこには病気があります。だけど、魂まで病む必要はありません。
そこには死だってあります。でも、いつだって愛はまた生まれています。

今、あなたがどうやって生きるかは自分次第です。
今日、息を吸っています。
聞いてください。パニックになっているその裏で、鳥たちは鳴いています。
空は澄んでいます。
春は来ています。
私たちは愛で囲まれているのです。


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