パ・ド・トワレ・コフレ「ジゼル」によせて
本日、霧とリボン様企画ヴィヴィアンズ百貨店フェア「貴婦人のコルヴェイユ」の配信が終了いたしました。
配信は3日間に渡って行われ、アクセサリーや服飾小物、書物、ポプリなどが、
貴婦人の持つ花籠(コルヴェイユ)に集められる花々のように、集いました。
最終日の最後の配信にて、パ・ド・トワレ・コフレ「ジゼル」が発表となりました。
私の書き下ろした本「君の名はジゼル」と、その物語から創造された霧とリボン様によるポプリとブローチのセットです。
ポプリの瓶やラベル、紐の凛々しい佇まいから、私は少年性を感じ取りました。
どのようなシーンをポプリに封じ込めてくださるのか、興味津々でしたが、あのシーンから、だったとは…!
物語の冒頭で、香りの立つ場面があるのですが、その場面ではきっと、霧とリボン様の調香されたポプリの香りがするのだろうなと夢想していました。
まだ嗅いではいませんが、配信記事のポプリの紹介を読みますと、「なるほど、物語冒頭で、『あのシーンの』香りが立つ訳ね…!」ととても納得させられました。
ブローチは、ジゼルの硬質な少女性を表したかのようなリボンから、優美なタッセルが流れ落ちる様が、ウィリの纏うロマンティック・チュチュのよう。
このタッセルは、本を紐解き「バレエ・ヴィオレ」を体験した読者さまによって、色付けられることとなります。
タッセルの中央には、ジゼルの内面を暗示するような、闇のひと雫が零れ落ち、揺れています…。
そればかりか、ペーパードイリーやマーブルプリント、帯とリボンと封蝋つきの函まで…。細部にまで美意識が宿ります。
私の物語「君の名はジゼル」は、霧とリボン様のポプリとアクセサリーによって完成されました。
けれど、本当の完成はこれから。
読者の皆さまに手にとっていただだき、お読みになっていただいてはじめて、物語は完成したと言えるでしょう。
配信記事では、霧とリボン様の深い思索の彼方での想いに触れることができました。こんなに感じていただいて、作家として感無量です。
たいへん貴重で贅沢な経験となりました。
企画展参加とコラボレーションのお話をくださり、素晴らしいコフレを製作してくださった霧とリボン様に、心よりお礼申し上げます。
さらに、最後になってしまいましたが、私が今回このような機会をいただき、製作から発表まで無事に至りましたのは、
変わらぬ応援をし続けてくださった皆さま、今これをお読みくださっている皆さまのおかげです。
「楽しみにしています」というその一言が、どれほど支えになったでしょうか。
いつも本当にありがとうございます。
私が霧とリボン様のお店やオンライン企画展を支えにしたり、様々な作家様がたの作品を励みにしたりしたように、
誰かが私の創るものに居場所を感じてくださったら、と心から願っています。
皆さまのお心に、安寧とときめきと一筋の光りを…!