【着物のクリーニングに出したお店が潰れていた事件】の顛末
~~~~~ニュース速報~~~~~
デカ長 今日、着物2枚が戻って参りましたーーーー!!
これでめでたく捜査本部は解散です!!
呉服店の店主が亡くなり、代理という人から連絡があり、取り戻すに至ったもよう。店主は依頼者の連絡先を知っていたため、伝票には名前しかかいておらず、先方も連絡が取れず困っていたとのことです。
たとう紙を開き、感動のご対面。
半年? いや8ヶ月ぶりだよ。
うう、うっ。あ、こんな柄でこんな手触りだった、としばし二人きりの濃密な時間を過ごす。
〈事の経緯〉
6月下旬にクリーニング(丸洗い)に出す(初めての店)。
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夏、単衣シーズン到来(7〜9月は着ないし、着られない着物だった)で、すっかり忘れる
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そういえば出来上がったという電話がないな、
そろそろ袷の季節(10月〜5月)で着たいのに~。
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いよいよ着たいので、取りに行く途中で電話したら「この電話は現在~」のアナウンス、嫌な予感。看板が目につくも真っ白、走り寄ると店はなんともぬけの殻!!
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顔面蒼白、どうしたら、い、い、の??
はい、こういう時は叫びもできず、ただ静かに一人でドキドキするしかないのです。
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駅まで行くも「このままでは帰れない、帰れる訳がない!」
と近くの別の呉服屋さんがあったのを思い出し、
「他店のことで恐縮ですが、コレコレで」と話を聞いてみる。
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「病気で8月頃に店を閉めたみたい。ビルの管理会社に聞いてみたら」のアドバイスをもらう
〈捜索開始〉
作戦1
ビルの写メを撮り、ビル名でネットで検索し電話をするもうちは管理していないと言われる。
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同じビルに入っている他のテナント(歯医者だったかな)に電話し、事情を言い折り返しの連絡を待つも2日待って返事がない。また掛け直して何とか聞き出す。
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管理会社に電話するも連絡先は教えられないとのこと、ファックスで書面にするようにとのことで、支払い伝票のコピーとともに知りたい理由、こちらの連絡先を書きファックス。
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この後は、なんの連絡もない。しびれを切らし、ファックスは届いているか電話する。確かに承ったと。この後はただ時間だけが過ぎていく。
SNSで捜索に協力してくださる方から、個別にメッセージをいただく。本当に有り難い!! ここから有力な情報もいただく。
作戦2
ネットで都内の悉皆屋(しっかいや)さん(クリーニングや染めかえなど着物のことは悉く皆うけおうということからこの名前なんだと読んだことがある)を検索し、電話やメールをする。仕事先では昼休みに電話もした。
作戦3
12月になり、このまま年越しは嫌だと思い、弁護士さんに相談に行く。
法的措置をとるにしても、足りない情報があるので調べる。ブログなど残骸がネットにいろいろ残っていた。
と、これまで
1 管理会社経由+SNS
2 悉皆屋ローラー作戦
3 専門家
と三本の矢で事に当たってきた。が、なかなか動きがないまま、年越し。
時間で区切って心にケジメをつけようか、と考えはじめた矢先の2月2日に関係者の代理の方から連絡がある
写真で着物を確認
着払いで手元に戻る。
〈今回のことで感じたこと〉
あまり付き合いのないお店でしたが、着物好きは沢山いるよ、と伝えたいのと、応援したい気持ちを込めて、初めて丸洗いに出しました。私ごときが応援なんて、驕った考えがいけなかったんだ、とか、買い物し過ぎなんだ、とか、この出来事は何のメッセージなのだろう、と必死に考えました。
悪い人に見えなかったのに、こんな不義理をするなんて! いや、どんな事情があったのか知らないし、知らないのに責められない、とかいろいろな事を考えました。
事を成し遂げるには強い意志が必要です。でも「取り戻す!」というどんなに正当な動機であっても、とらわれすぎると苦しいし、負の感情に引っ張られます。この出来事から教訓を得て、今後に活かした方がいいのか、と気持ちは揺れるばかり。でも友達と話してても「大島」という言葉を聞くと、せつなくなるし、胸がチクリと傷むのです。
それでも日々の予約したイベントはやってくるわけで。それを楽しみながらも、捜索にご協力いただいてる方に申し訳ないので、家で悉皆屋さんを検索して電話することも。そうすると、怒りがフツフツとわいてきます。
本当なら楽しく過ごせる時間を、なんで怒らなきゃならないの?とまた怒り。
すると、その感情をもて余すので、またしばらく忘れる、思い出すの繰り返しでした。
トラブルは無いほうがいいですが、自分はこういう考え方をするんだ、とか普段は見えない自分が出てきます。その勉強にはなりました。一時の感情にまかせて店名を出し、Twitterなどで拡散せず良かったと思います。
ともかく
戻ったきものは可愛がりたいと思います。
せっかく戻ってきたのに、気分は少し春にむかいつつあり、明るい色を着たくなってるのよね〜。でもせっかくだから勝利のコーデで雄叫びをあげないと。
今回の事ではお騒がせしました。皆様にもご心配をおかけしました。おかげさまで取り戻すことができました。ありがとうございます。
さ、ますます着物を楽しむぞ~~~!
この写真は忘年会の時にいい金屏風があったので、着物が戻っても戻らなくても使おうと思って撮っておいたものです。お辞儀は手を前にやらないものなのについクセが出ちゃいました。気にしないでね。